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SOHAPI・冷感タオル
【猛暑対策グッズ探し01】ではSP武川のエアフローシートカバーをテストして、股間やお尻まわりが劇的に快適だったことをお伝えした。気温が体温を超えるような猛暑日、バイクに乗ることが自殺行為とまでは言わないが修行のようなものであることに違いはない。ところが股間やお尻が快適だと、意外にもライディングが苦痛にならなくなることを確かめられた。ただ、これはあくまで下半身が快適だというだけで小一時間も走り続ければ、やはり暑さが身に沁みる。上半身を冷やさないことには、とてもじゃないがツーリングなんてできそうにない。ただ、バイク用品として上半身を冷やしてくれる製品はメッシュジャケットやメッシュグローブくらいで、走行風に頼るものばかり。乗車中に最も暑くなるのはヘルメットをかぶる頭部だから、なんとか頭部を冷やしたいと誰しも悩むところだろう。
直接的に頭部を冷やす方法としてはヘルメット内に保冷剤のようなものを仕込むくらいしか考えられない。ただ、直接頭頂部を冷やすと頭痛になることもある。それに頭部を冷やすには別の方法がある。これはスポーツ医学で立証されているが、頭部へ巡る血流を冷やすことが効果的だとされている。心臓から脳へ流れる血液は首筋の動脈・静脈を通るわけで、ここを効果的に冷却できれば頭部の体温上昇がおさえられるのではないか。だとするならスポーツ系用品や冷感グッズを試してみよう。そこでネット通販大手で検索して見つけたのが上写真の「冷感タオル」なるもの。3枚セットで999円(税込)という価格も魅力的で早速ポチッとしてみた。
届いた製品は全面がメッシュ構造となっていて表裏で素材が異なる印象。タオルに水を含ませると冷感が続くと書かれている。これを首に巻いて動脈・静脈を冷やせば、ヘルメットを被った頭部も快適になるのではないかと考えたわけだ。では、早速試してみよう。
冷感タオルの使い方
冷感タオルの使い方として、まず気をつけたいのが事前に洗濯することが推奨されている。試しに洗濯せず届いたその日に水を含ませ小一時間ほど散歩に連れ出してみた。すると、やはり事前に洗濯しなかったことを後悔した。当初は首回りを冷却してくれたが、30分もしないうちに効果が薄れてきたことを体感。もしや、3枚セットなのは効果が薄れてきたら別のタオルへ交換せよ、ということなのだろうか。
事前に洗濯したタオルを今回はテストに供する。まずタオルなしで撮影場所までリトルカブに乗って30分ほど移動したが、もうこれだけで頭部は汗まみれの不快指数100%。早くヘルメットを脱ぎたくて仕方ない状態に陥った。ちなみにこの日は気温が37℃を超える猛暑日。真夏の日差しがヘルメットを炙り続け、ギブアップ寸前だ。木陰を探してリトルカブを停車。持参したペットボトルで冷感タオルへ水を含ませる。全体的に水が回ったら手で絞り、タオルから水が滴り落ちない程度まで水気を切る。その状態でタオルをバタバタとはためかせて風を当てると、どんどんタオルがひんやりしてくる。タオルが冷えたと思ったところで首に巻き付けずり落ちないように絞ってみた。上写真のようにタオルを巻いた顔はすでに猛暑で疲れ切った表情になっている。
冷感タオルをテスト!
タオルを首に巻くと、ものの数秒で首回りが冷えてきた。これは確かに効果アリだ。続けてヘルメットを被ってみるが、意外にも頭部の不快感は上がらない。やはり動脈・静脈を冷やすと全身を回る血液の温度が下がり、頭頂部からの発汗を抑えてくれているのだろう。これなら使えそうだと考えリトルカブをスタートさせる。ちなみにリトルカブにはスペシャルパーツ武川のエアフローシートカバーを装着してあるので、股間や臀部は快適な状態をキープしてくれている。つまり、ヘルメットを被った頭部が不快に感じられるかどうか試すには絶好の条件なのだ。
下半身にストレスがない状態で、かたや冷感タオルを巻いた上半身はどうだったかと言えば、条件付きながら快適だった。首が冷えるというより頭がスッキリするとでも表現しようか。猛暑の中でヘルメットを被りバイクを運転していると、どうしたって意識が朦朧としてくる。スッキリとしないから判断力が鈍ったり、手足腰など全身を使うライディングの一部でもギクシャクすると不自然な挙動になってしまうもの。冷感タオルが効いているうちは乗車中、このような不安要素を抱くことなくシャキッと運転できた。それだけ頭部にストレスがない証拠なのだが、問題は持続時間。撮影しながら30分ほど運転を続けていると、なんとなく冷感さが薄れてきた。試しにリトルカブから降りてタオルを首から外すと、タオルの温度が当初より明らかに温かい。おそらく賞味期限は1時間にみたないだろう。快適に過ごせるのは40〜50分が限度といった印象。ぬるくなったらバイクから降りて、もう一度水に濡らせばいいのだろう。猛暑のツーリングなのだから、小刻みに休憩をとるのがベストであり、これはこれでちょうどいいのかもしれない。