スズキの新アドベンチャー「Vストローム250SX」は単気筒。従来の「Vストローム250」は2気筒。 諸元から知る2台の違い。

写真上はNEWモデルのスズキ・Vストローム250SX。写真下は既存モデルのスズキ・Vストローム250。
スズキの人気モデル「Vストローム」シリーズに、スポーツクロスオーバーの「Vストローム250SX」がラインナップ。ここでは人気の兄弟車「Vストローム」との違いを、スペックを元に徹底比較してみよう。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

スズキ Vストローム250SX……56万9800円(税込) 2023年8月23日発売開始

スズキ Vストローム250……64万6800円(税込) 2017年7月6日発売開始

外観の違い

Vストローム250SX
Vストローム250

車体重量はSXが27kg軽量!燃料タンク容量も5L縮小

【Vストローム250SX】
全長×全幅×全高:2,180mm×880mm×1,355mm
ホイールベース:1,440mm
最低地上高:205mm
シート高:835mm
燃料タンク容量:12L
最小回転半径:2.9m
キャスター / トレール:27°00′ / 97mm
車体重量:164kg

【Vストローム250】
全長×全幅×全高:2,150mm×880mm×1,295mm
ホイールベース:1,425mm
最低地上高:160mm
シート高:800mm
燃料タンク容量:17L
最小回転半径:2.7m
キャスター / トレール:25°10′ / 100mm
車体重量:191kg

外観は両車とも、ひと目で分かるVストロームシリーズ共通の「クチバシ」デザイン要素を継承。全長・ホイールベース・シート高はSXがやや大きく、最小回転半径も0.2m広いのが特徴。

一方、燃料タンク容量はSXが5L小さく、車体重量もSXが27kg軽量。Vストローム250SXはVストローム250よりもやや大柄だが、軽量でスリムなフォルムに仕上がっている。

写真はVストローム250SX。軽量コンパクトな単気筒エンジンの特性を活かし、12Lのガソリンタンク周りも絞り込まれているのが特徴。

エンジンの違い

Vストローム250SXの油冷4ストローク単気筒SOHC 4バルブ249ccエンジン。
Vストローム250SXの油冷4ストローク単気筒SOHC 4バルブ249ccエンジン。
Vストローム250の水冷4ストローク2気筒SOHC 2バルブ248ccエンジン。

SXは単気筒だが2馬力高!スポーティーな4バルブ&ショートストローク型エンジンも魅力

【Vストローム250SX】
エンジン形式:油冷4ストローク単気筒SOHC 4バルブ
排気量:249cc
ボア径×ストローク長:Φ76.0mm×54.9mm
圧縮比:10.7
最高出力:19kW(26PS)/9,300rpm
最大トルク:2.2kgf・m/7,300rpm
燃料消費率(WMTCモード値):34.5km/L
ミッション:6速

【Vストローム250】
エンジン形式:水冷4ストローク2気筒SOHC 2バルブ
排気量:248cc
ボア径×ストローク長:Φ53.5mm×55.2mm
圧縮比:10.7
最高出力:18kW(24PS)/8,000rpm
最大トルク:2.2kgf・m/6,500rpm
燃料消費率(WMTCモード値):32.1km/L
ミッション:6速

Vストローム250はGSX250Rにも搭載の、水冷4ストローク2気筒SOHC 2バルブ248ccエンジンを搭載。一方、新型のVストローム250SXは、「ジクサー250」や「ジクサーSF250」に搭載の、油冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒249ccエンジンを採用。Vストローム250SXの最高出力は単気筒ながら、2気筒のVストローム250よりも2馬力高い26PSを出力。

新型のVストローム250SXのエンジンは、吸排気効率に優れた4バルブ(Vストローム250は2バルブ)であること。また、ストローク長よりもボア径を大幅に広げた、回転数を上げてパワーを稼ぐ、Φ76.0mm×54.9mmというスポーティなショートストローク型(Vストローム250はストローク長よりもボア径を狭めた、トルク重視のロングストローク型エンジン)という点も大きな魅力だ。

スズキ独自の冷却システム「SOCS(Suzuki Oil Cooling System)」を採用したVストローム250SXの油冷4ストローク単気筒SOHC 4バルブ249ccエンジン。
Vストローム250SXの油冷4ストローク単気筒SOHC 4バルブ249ccエンジン。
Vストローム250の水冷4ストローク2気筒SOHC 2バルブ248ccエンジン。低中速トルクを重点的に向上させ、パワフルさと扱いやすさを両立させるため徹底的な分析と最適化が施されている。
Vストローム250の水冷4ストローク2気筒SOHC 2バルブ248ccエンジン。フリクションロスを最小化するためにローラータイプのロッカーアームを採用。

フレーム/足周りの違い

Vストローム250SX
Vストローム250

SXは前19インチ・後17インチの異径サイズに設定。セミブロックパターンでオフロードテイストを向上

【Vストローム250SX】
フレーム形式:ダイヤモンド
前サスペンション:正立フロントフォーク
後サスペンション:モノショック
前後ホイール:アルミキャスト
前タイヤ:100/90-19M/C 57S(セミブロックパターン)
後タイヤ:140/70-17M/C 66S(セミブロックパターン)
前ブレーキ:油圧式シングルディスク[ABS]
後ブレーキ:油圧式シングルディスク[ABS]

【Vストローム250】
フレーム形式:セミダブルクレードル
前サスペンション:正立フロントフォーク
後サスペンション:モノショック
前後ホイール:アルミキャスト
前タイヤ:110/80-17M/C 57H(ロードパターン)
後タイヤ:140/70-17M/C 66H(ロードパターン)
前ブレーキ:油圧式シングルディスク[ABS]
後ブレーキ:油圧式シングルディスク[ABS]

ホイールは両車ともアルミキャスト型を採用。Vストローム250は前後17インチの同径サイズだが、Vストローム250SXは前19インチ・後17インチの異径サイズに設定。また前後タイヤはセミブロックパターンを採用し、オフロードテイストを向上しているのがポイントだ。

ブレーキは両車とも油圧式シングルディスク式とし、ABSを導入。ディスクローターはVストローム250が波型のペータル、Vストローム250SXはスタンダードな円型を採用。フロントディスクブレーキの取り付け位置はVストローム250が左側、Vストローム250SXが右側としている。リヤタイヤサイズは同寸。

外装類をすべて取り外したストリップ状態のVストローム250SX。

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