遂に!? 中免(普通自動二輪免許)で乗れるハーレーダビッドソンが登場! しかもリーズナブル価格

10月20日ハーレーダビッドソンから、これまで同社のジャンルには無かった新機種の“X™︎”が2モデルリリースされた。若いライダーにもポピュラーな存在として同ブランドの裾野を広げる重責を担う。驚きの廉価設定と共に同社の歴史にとっては、市販車最小の排気量。もちろん350は普通二輪免許で乗ることができるのである。

PHOTO & REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
取材協力 & PHOTO●HARLEY-DAVIDSON JAPAN

ハーレーダビッドソンとしては史上初。同ブランド最少クラスのスポーツモデルが新発売された。その名は「X™️」と命名。排気量違いの2機種に搭載されたエンジンは、伝統的なVツインではなく、直(並)列水冷の2気筒。動弁系はDOHCでクランクはいずれも360度タイプが採用されている。ハーレーダビッドソンと言えば、堂々と大きく立派。しかもプレミアムな重量級バイクの代名詞として長年認識されて来たと思う。それだけに500と350の新規投入はインパクトが大きい。軽量級ミドルクラスへの参入、普通自動二輪免許で乗ることができる製品をバリエーションに追加すると言う点でも歴史を塗り替える革新的な新戦略と言えるのである。
ネーミングこそ共通するが、500と350は外観デザインを始め、フレームやサスペンション、ブレーキも多くの部分で異なる全くの別物に仕上げられている。発表会のスピーチやプレスリリースから引用すると、500はクラシックなスポーツスターの雰囲気を醸すボバースタイルのリアフェンダーを採用、ワイドでクッションに厚みのあるシートを備え、重厚感を漂わす。一方350は、1970年代の活躍で知られたフラットトラックレーサーのXR750をイメージリーダーとし、軽量な車体とハイパワーエンジンとの組み合わせでストリートで楽しめるスポーティな乗り味を追求。500とは異なるキャラクターに仕上げられている。
この両車の登場で、これまでハーレーダビッドソンとは縁のなかったユーザーのハートに火を付けられるのか、若いユーザーの開拓に貢献するか、はたまたブランドにこだわるハーレーフリーク達の気軽な足として、セカンドバイク需要を掘り起こすのか!?
いずれにせよこのクラスの市場で再びのブーム到来に貢献するのか、今後の市場動向が注目されるのである。

販売が好調に推移している様子を語るハーレーダビッドソンジャパンの野田一夫社長。

満面の笑みで社長自ら新機種“X™️”のアンベール。

2台のニューモデル解説はプロダクトチャンピオンの宮中洋樹氏が熱く語ってくれた。

標準的ロードタイプのミドルスポーツとしたX™️500。
スポーティなキャラクターが与えられたX™️350。

X™️350の軽量な車体とハイパワーエンジンの組み合わせは、このXR750をオマージュしたと言う。

X™️500
X™️350
X™️500
X™️350
X™️500に跨り足付き性を披露する宮中氏。身長は165cm、体重は54kg。
X™️350はステップ位置がかなり後退していることがわかる。

プレゼンテーションの最後を飾った価格発表では会場から拍手がわきおこった。

カジュアルな雰囲気に新鮮な魅力と価値が漂う。

ダイナミックオレンジのX™️350(左)とドラマティックブラックのX™️500。

両車共にカラーは4タイプ。写真以外にスーパーソニックシルバーとパールホワイトが選べる。

主要諸元

X™️500  (価格:839,800円税込)
全長(mm):2,135
全幅(mm):875
全高(mm):1,150
ホイールベース(mm):1,410
車両重量(kg):208
最低地上高(mm):153
シート高(mm):820
レイク(度):24.5°
トレール(mm):100

エンジン型式:LWZX500
エンジン形式:水冷直列2気筒
バルブ駆動方式:DOHC
燃料供給方式:インジェクション(ESPFI)
排気量(cc):500
ボア/ストローク(mm):69 / 66.8
圧縮比:11.5:1
最高出力(HP):47(35kW)
最大トルク(Nm):46/6,000rpm
トランスミッション:6速
減速比
 1速:2.85
 2速:1.95
 3速:1.56
 4速:1.33
 5速:1.19
 6速:1.08

フューエルタンク容量(L):13.1
燃費(km/L):20.4
タイヤ(前/後):120/70-ZR-17 / 160/60ZR-17
ホイール(前/後):アルミキャスト / アルミキャスト
ブレーキ(前/後):固定4ピストン(デュアルフローティングローター) / フローティング1ピストン(ソリッドローター)
X™️350  (価格:699,800円税込)
全長(mm):2,110
全幅(mm):785
全高(mm):1,110
ホイールベース(mm):1,410
車両重量(kg):195
最低地上高(mm):143
シート高(mm):777
レイク(度):24.8°
トレール(mm):140

エンジン型式:LWZX350
エンジン形式:水冷直列2気筒
バルブ駆動方式:DOHC
燃料供給方式:インジェクション(ESPFI)
排気量(cc):353
ボア/ストローク(mm):70.5 / 45.2
圧縮比:11.9:1
最高出力(HP):36(27kW)
最大トルク(Nm):31/7,000rpm
トランスミッション:6速
減速比
 1速:3.167
 2速:2.056
 3速:1.556
 4速:1.333
 5速:1.19
 6速:1.00

フューエルタンク容量(L):13.5
燃費(km/L):20.4
タイヤ(前/後):120/70-ZR-17 / 160/60ZR-17
ホイール(前/後):アルミキャスト / アルミキャスト
ブレーキ(前/後):固定4ピストン(デュアルフローティングローター) / フローティング1ピストン(ソリッドローター)

期間限定でHARLEY-DAVIDSON X™️ Cafeが原宿にオープン

JR山手線の原宿駅から徒歩2分の場所。最終10月29日(日曜日)は19時30分まで。



20日に開催された“X™️”発表イベントの翌日からオープンした「HARLEY-DAVIDSON X™️ Cafe」JR原宿駅から表へ出たらすぐに直視でき、歩いて2分もあれば到着できる好立地(東京都渋谷区神宮前6-35-6 jing原宿)にある。デビュー間もないX™️350/500各色の国内初展示に加え、同ブランドのアパレルや、スペシャルタンクアート作品が展示されている。ノンアルコールのソフトドリンクからアルコールの各種カクテル、オリジナルドーナツなどの特別カフェメニューも揃えられている。写真のドーナツは、チョコレート、抹茶、ベリーの3種。
28日(土曜日)はハロウィンにちなむスペシャルパーティ“HARLEY-WEEN”が開催され、仮装して訪れた方や、ハーレーアパレル着用の方は200円OFFサービスが受けられる。また期間中アンケート回答者には抽選で同アパレルやグッズが当たる特別プレゼントも用意されているそう。原宿でハーレーダビッドソンの新風が感じられるのは、バイク好きでなくても楽しいひと時だと思う。

新機種の他にオリジナルのアパレルも出展。
スペシャルなタンクアート作品も展示される。

今回の発表会はX™️ Cafeのオープン披露も兼ねられた。(平日は12〜18時、金曜土曜は11〜21時オープン)

特設店舗はピッカピカのエアストリーム・トレーラー。
オリジナルのドーナツや各種ドリンクが楽しめる。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…