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BMW2輪史上最大1.8リッターボクサーツイン
心臓部となるのが、R18シリーズのために開発されたビッグボクサーツインだ。クルーザーでは数値上でのハイスペックや高回転パワーより、五感に心地よく響くようなエモーショナルで味わい深いエンジンが求められる。
OHV、空油冷というオーソドックスな方式で、ボア・ストロークを107.1x100mmとし、排気量は1801ccにも達するパワーユニットを誕生させた。これはBMW Motorrad史上最大だ。
最高出力91PS/4,750rpmを発揮していくなかで、2,000〜4,000rpmの回転域で常に150Nm以上のトルクを発生するなど、クルーザーに最適なトルクフィールを徹底追求し開発した渾身作である。
写真はシリンダー上に追加装備する純正アクセサリーだが、プロモーションビデオではライダーがココに足を置いて走行している。クルーザーでは両足を前方に投げ出し、リラックスした乗車姿勢を生み出すフォワードコントロールが見られるが、シリンダーが左右に張り出す水平対向エンジンでは設置が難しい。そこでこうなったわけだ。じつに興味深い!
『R18トランスコンチネンタル』と『R18B』には整流効果が高く、風の巻き込みもない大型フェアリングが備わるが、ウインドスクリーンをそれぞれ専用設計とした。トランスコンチネンタルではより防風効果の高いトールタイプ、R18Bでは軽快でスタイリッシュなショートスクリーンとしている。
フェアリング内には4連装のアナログメーターをはじめ、10.25インチのカラーTFTモニター、さらにMarshall(マーシャル)製のスピーカーが備わり、豪華絢爛な装いとしている。
計器は左から燃料ゲージ、速度計、タコメーター、パワーリザーブメーターと並ぶ。
カラーTFTディスプレイは10.25インチと大きくて見やすい。ハンドル左グリップの付け根にあるマルチコントローラーを介して操作をおこない、たとえばライディングモードは「Rock(ロック)」「Roll(ロール)」「Rain(レイン)」の3つがデフォルトで選べる。
燃料キャップ下にはスマートフォンの収納スペースがあり、ストレージコンパートメント内の温度が30度になると冷却ファンがONになり空気循環をおこなう。25度以下になるとファンは自動でOFFとなる。
最大寸法162mmx78mmx8.8mmのスマートフォンに適し、充電用USBも付く。
ロングライドも快適なフットボードを標準装備。燃料タンクは『R18』および『R18クラシック』では16リットルの容量だが、『R18トランスコンチネンタル』と『R18B』では6リットルの増量とし、より航続距離を伸ばした。
前車との車間距離をレーダーセンサーで検知し、自動的に加減速する「アクティブ・クルーズ・コントロール」(ACC)を標準装備。セット後も1km刻みあるいは10kmごとに車速の設定が手元のスイッチでできる。
またACCは、ユーザー自身で車体設定にて通常のダイナミック・クルーズ・コントロール(DCC)への切り替えもできる。コーナリング時には必要に応じて自動的に速度を落とし、快適なリーンアングルを追求。リーンアングルが大きくなると、安定したライディング動作を維持するためにブレーキと加速のダイナミクスが制限される。
正立式テレスコピックフォークはインナーチューブ径49m。ブレーキは4ピストンキャリパーと300mmディスクローターの組み合わせとした。
大陸横断という長旅を、パッセンジャーとともに体験できる。リヤシートは分厚く腰のあるクッションだけでなく、バックレストやアームレスト、さらにマーシャル製のスピーカーも備える。
日本仕様はシート高720mmのローシートを採用。
サドルケースは左右27リットルずつ、トップケースは48リットルの容量を持ち、完全防水としている。また、マーシャル製のスピーカーは、サドルケースリッドにも備わった。
R18 トランスコンチネンタル 主要諸元
全長 2640mm
全幅 970mm
全高 1500mm
ホイールベース 1695mm
シート高 720mm
車両重量 427kg
エンジン型式 空油冷4ストローク水平対向2気筒OHV4バルブ
排気量 1801cc
最高出力 91PS/4750rpm
最大トルク 16.11kg-m/3000rpm
変速機 6段
燃料タンク容量 24L
タイヤサイズ F=120/70R19 R=180/65B16