マニアが到達した境地を探る

【問題です】モトコンポは何台写っているでしょう?|モトコンポランド

現在、中古車相場が高騰していることをお伝えしたホンダのトランクバイク、モトコンポ。人気の理由は様々だが、そこには何か常人には計り知れないものがあるようだ。というのも、モトコンポにハマリ過ぎて何台も集めてしまったマニアがいると聞いたから。その膨大なコレクションを見せていただけることになったのでガレージへお邪魔すると、あるわあるわの大騒ぎ。ではここで問題。この人、何台のモトコンポを持っているのだろう?
ガレージの一角を占拠するモトコンポたち。はてさて何台? 正解は記事の最後に!

中古車価格が高騰しているモトコンポには不思議な魅力、というか魔力があるようだ。というのも以前に紹介した漫画『逮捕しちゃうぞ』バージョンやJPSカラーにしたモトコンポのオーナーが、実はとんでもないマニアであることを知ったからだ。お話を聞けば数十台はあるというので、早速ガレージへお邪魔させていただいた。一歩ガレージへ踏み入れれば、そこはまさにマニアの桃源郷。無数のモトコンポたちが整然と並んでいる光景に圧倒されてしまった。

群馬県内にあるガレージ。一歩中に入れば、そこはモトコンポランドと言っても良いほどの(?)、マニア垂涎の夢の国なのです。

訪れたガレージは群馬県内にある「Bibari-AUTO」さん。看板にはカーショップと書かれているが、実際に商売として営まれているわけではなく、趣味の延長でガレージの形態をとっているだけとのこと。それにしても展示場(に見える軒先)には各国の古い名車たちが並んでいる。う〜ん、なかなかのラインナップに唸り声しか出ないが、ここに売り物は1台もなく、すべてオーナー車両とのこと。ガレージ中央付近で開いたままのシャッター内へ足を踏み入れると、タイトル写真の光景が広がっていたのだ。

オーナーの今井義正さん。

ガレージの持ち主は今井義正さんで、いただいた名刺には「Vintage Bike and Car Shop」と書かれている。でも前述したようにこの場所は趣味のガレージだそうで、お仕事はすでにリタイヤされている。以前は金属加工業をされていたそうだが、今では悠々自適の日々だそう。でもなぜ、これだけモトコンポを集めてしまったのだろう。

車体だけでなく部品もあちこちに並んでいる。

若い頃からハーレーなどの大型バイクを楽しまれてきた今井さんだが、年齢とともに大型バイクの重さが辛くなってきた。そこで軽くて気軽に楽しめるバイクは何だろうと考えたとき、ふとモトコンポが浮かんだという。それが今から10年ほど前のことで、以来車体や部品を買い集める日々が続いた。すでに当時、モトコンポの人気は上昇しつつあり、中古車価格も毎年のように上がっていく。そこで車体で買うのではなく部品単位で買い揃えることまでされたそうだ。

タイヤがついたままのフロントフォーク 。

けれど部品単位で買い揃え1台のカタチに仕上げると、とんでもない価格になってしまう。新品パーツは当然のごとく皆無の状態で、中古のボディパネルだけでも数万円するし、フレーム上に被せるカバーはリプロ品もないから争奪戦状態。とてもじゃないが付き合い切れないと、今井さんはある時から部品を作ることまで始めてしまう。そもそも金属加工などをされていたから板金から塗装、溶接や部品製作までしてしまう仲間たちが大勢いるのだ。

どんなにボロボロのモトコンポでも部品は捨てず、使い回す。これが基本です。

だから以前に紹介した『逮捕しちゃうぞ』仕様のように切断されたフレームを再溶接して元の状態に戻すことが可能だった。それは何もあの1台だけのことではなく、無数にあるモトコンポのうち何台もがレストアのため加工や溶接をすることで復活させているのだ。

未登録かつ専用の展示台まで揃うホンダズーク今から30年以上も前、1990年発売とあって所ジョージも若々しい。

そんな今井さんがモトコンポの次に流行ると予想しているのがホンダ・ズーク。これまた変わり種の原付モデルで新車当時も期待されたほど売れなかったから、今となっては希少車扱いされている。そこで未登録のままの新車を専用の展示台や看板などまでセットで手に入れた。でもモトコンポに飽きたわけではなく「売る気はない」と断言される。売るとしたら所有しているモトコンポを一括で買ってくれるなら考えてもいいそうだ。

モトコンポの奥にもビンテージな原付たちが所狭しと陳列されている。

では今井さんが集めたモトコンポは総勢何台あるのだろう。その答えは「25台です」とのこと。でもこの写真に写っている台数を数えて「そんなにない」と思われることだろう。実はここだけでなくショールームのようにガラス張りになっている場所にまで溢れてしまっているのだ。だから25台で、この写真の場所にあるのは14台が正解!

著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…