ハンターカブよりも約8万円安いヤマハ「PG-1」。両車のスペックを比較してみた。

写真左)ホンダCT125・ハンターカブ 写真右)ヤマハPG-1 PG-1とライバル車、CT125・ハンターカブの主要スペックを比較・検証!
2023年11月30日に開催されたタイのモーターサイクルショー「モーターエキスポ2023」において、ヤマハの現地法人であるタイヤマハが。また2023年12月2日にはヤマハのベトナム現地法人であるヤマハモーターベトナムが、バックボーンフレームに空冷4ストローク単気筒SOHC 2バルブ113.7ccの横型エンジンを搭載したNEWモデル「PG-1」を発表。前後16インチホイールに険しいオフロード走行もこなせるブロックパターンタイヤを組み合わせたそのフォルムは、アウトドアやキャンプに大人気のモデル「ホンダCT125・ハンターカブ」とオーバーラップ。世界が注目するPG-1とはどのようなモデルなのか? CT125・ハンターカブの主要スペックと比較しながら、その魅力や特徴を探ってみよう。※国内での発売は未定
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

ヤマハ PG-1……タイでの価格:6万4900バーツ(約27万1000円)※1バーツ=4.18円で換算/ベトナムでの価格:3043万7000ドン(約18万3000円)※1ドン=0.006円で換算

ヤマハはタイとベトナムにおいて、バックボーンフレームに空冷4ストローク単気筒SOHC 2バルブ113.7ccの横型エンジンを搭載したNEWモデル「PG-1」を発売。

大径の丸型ヘッドライト、防塵用のゴム製ブーツを装備した正立型フロントフォーク、快適なタンデム(二人乗り)性を実現するセパレート型シートを採用したPG-1は、国内でも人気のモデル「ホンダCT125・ハンターカブ」のライバルとも呼ぶべき、アウトドア志向の外観と足周りが特徴だ。

前後のスポークホイールは16インチに設定し(CT125・ハンターカブは前後17インチ)、悪路走行も想定したブロックパターンタイヤを組み合わせ。ブレーキはフロントのみ油圧式ディスクブレーキを採用し、リアは低コストなドラムブレーキを導入。なお2023年12月現在、国内での発売は未定。

写真は舗装路&悪路の走破性の高さをアピールした1枚。PG-1は腰上(シリンダーヘッドとシリンダー)をフロントタイヤ方向にレイアウトした“横型エンジン”を搭載。排気量は113.7ccだが、123ccのCT125・ハンターカブに迫る最高出力の9馬力を発揮。
タイでの発売価格は、ホンダCT125・ハンターカブよりも2万バーツ(約8万円)安を実現。CT125・ハンターカブに手の届かないユーザーにとってコストパフォーマンスに優れたPG-1は、“安価でCT125・ハンターカブに迫る走りが獲得できる”のが大きな魅力。

チルブルー

ビビッドイエロー

ハミングブラウン

クールブラック

オレンジ ※ベトナム仕様車に設定

ダークグリーン ※ベトナム仕様車に設定

ホンダCT125・ハンターカブとの違いをチェック!

ここではライバル車「ホンダ CT125・ハンターカブ」との主要スペックを比較しながら、「PG-1とは一体どのようなモデルなのか?」をリサーチしてみよう(CT125・ハンターカブの主要スペックは国内仕様車)。

外観/価格編

ヤマハ PG-1
ヘッドライトは標準的なハロゲン型を採用。
シート高は795mm。荷台ではなく、二人乗りしやすいタンデムシートも装備。車体重量はPG-1が11kg軽量。PG-1のほうが若干大柄だが、軽量なために取り回しはラクだと推測。
ホンダ CT125・ハンターカブ。国内での発売価格は44万円(税込)。

【ヤマハ PG-1】
全長:1,980mm×全幅:805mm×全高:1,050mm
軸距(ホイールベース):1,280mm
最低地上高:190mm
シート高:795mm
キャスター角:26°30′
トレール量:83mm
車体車重:107kg
最小回転半径:2.0m
燃料タンク容量:5.1L
タイでの価格:6万4900バーツ(約27万1000円) ※1バーツ=4.18円で換算
ベトナムでの価格:3043万7000ドン(約18万3000円) ※1ドン=0.006円で換算

【ホンダ CT125・ハンターカブ】
全長:1,965mm×全幅:805mm×全高:1,085mm
軸距(ホイールベース):1,260mm
最低地上高:165mm
シート高:800mm
キャスター角:27°00′
トレール量:80mm
車体車重:118kg
最小回転半径:2.0m
燃料タンク容量:5.3L
タイでの価格:8万4900バーツ(約35万5000円) ※1バーツ=4.18円で換算

全長はPG-1が15mmロング、軸距はPG-1が20mmロング。最小回転半径は両車とも2.0m。車体重量はPG-1が11kg軽量。PG-1は若干大柄だが、CT125・ハンターカブよりも軽量なため、取り回しはラクだと予測。ただし最低地上高はCT125・ハンターカブが25mm高く、オフロード走行では有利。

タイでの発売価格は、PG-1が2万バーツ(約8万円)安を実現。なおタイにおいてホンダは、「バイクの王者」ともいえる最高のブランド。CT125・ハンターカブに手の届かないユーザーにとって、コストパフォーマンスに優れたPG-1は、“安い価格でCT125・ハンターカブに迫る走りが獲得できる”のが大きな魅力となっている。

エンジン編

ヤマハ PG-1の横型エンジン。排気量は113.7cc。
ホンダ CT125・ハンターカブの横型エンジン。排気量は123cc。

【ヤマハ PG-1】
種類:空冷4ストローク単気筒SOHC 2バルブ(横型)
排気量:113.7cc
ボア径×ストローク長:Φ50.0mm×57.9mm
圧縮比:9.3
最高出力:6.6kW(9ps)/7,000rpm ※注1
最大トルク:0.96kg-m/5,500rpm ※注1
ミッション:自動遠心式クラッチ4速リターン
吸気系:フューエルインジェクション
燃費:59.2km/L ※注1
排ガス規制:ユーロ3or4相当をクリア
※注1:ベトナム仕様車

【ホンダ CT125・ハンターカブ】
種類;空冷4ストローク単気筒SOHC 2バルブ(横型)
排気量:123cc
ボア径×ストローク長:Φ50.0mm×63.1mm
圧縮比:10.0
最高出力:6.7kW(9.1ps)/6,250rpm
最大トルク:1.1kg-m/4,750rpm
ミッション:自動遠心式クラッチ4速リターン
吸気系:フューエルインジェクション
燃費:63.7km/L(WMTCモード値)
排ガス規制:ユーロ5をクリア

両車ともエンジンの種類は同じ。また腰上(シリンダーヘッドとシリンダー)をフロントタイヤ方向にレイアウトした“横型エンジン”に設計。PG-1の排気量は113.7ccだが、123ccのCT125・ハンターカブに迫る最高出力9馬力を発揮する。

両車はボア径よりもストローク長の大きなロングストローク仕様。一般的にロングストローク仕様の特徴は、低中回転域を重視した、粘り強いトルクフルな街乗りに適した走行フィールであること。どちらも高回転域でパワーを稼ぐレーサーなエンジンではなく、実用性を重視したテイストであることが分かる。

加えて両車とも、左手でのレバー操作(クラッチ操作)を省いた「自動遠心式クラッチ」を採用。街乗り重視の3段ミッションではなく、幹線道路などの走行も視野に入れた4段ミッションを採用しているのもポイントだ。

フレーム/足周り編

ヤマハ PG-1。悪路走行も視野に入れたブロックパターンタイヤを採用。
ヤマハ PG-1。前後スポークホイールは16インチ。フロントブレーキは油圧式ディスク。リアブレーキはドラム式。
ホンダ CT125・ハンターカブ。前後スポークホイールは17インチ。前後ブレーキは油圧式ディスク。

【ヤマハ PG-1】
フレーム:バックボーン型
フロントサスペンション:正立型フロントフォーク/フォークブーツ付き
リアサスペンション:ツインショック/スイングアーム
フロントブレーキ:油圧式ディスク(ABSは非装備)
リアブレーキ:ドラム
前タイヤ:90/100-16
後タイヤ:90/100-16

【ホンダ CT125・ハンターカブ】
フレーム:バックボーン型
フロントサスペンション:正立型フロントフォーク/フォークブーツ付き
リアサスペンション:ツインショック/スイングアーム
フロントブレーキ:油圧式ディスク(ABS装備)
リアブレーキ:油圧式ディスク
前タイヤ:80/90-17
後タイヤ:80/90-17

両車とも実用車に採用してきた(ヤマハはメイト系/ホンダはカブ系)バックボーンフレームを採用。正立型フロントフォークには、防塵性に優れたフォークブーツを導入。

フロントブレーキは両車ともディスク式だが、PG-1のリアブレーキはコストパフォーマンスに優れたドラム式を採用。PG-1の前後ホイール径は、CT125・ハンターカブよりも小径の16インチに設定(CT125・ハンターカブは前後17インチ)。

CT125・ハンターカブのタイヤはセミブロックパターンだが、PG-1はさらなる悪路走行も視野に入れたブロックパターンを採用。PG-1のタイヤ幅は、CT125・ハンターカブよりも10mmワイドな90mm+肉厚な扁平率100%タイプを選択し、重量感あるファットな足元に仕上げている。

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ヤマハ PG-1 ディテール

ややワイドに設定されたバーハンドルは、扱いやすそうなセミアップ形状。
メーター周り。160km/h表示のスピードメーター、燃料計、シフトインジケーター、各種インジケーターを装備。
メインキーはシンプルなキーシリンダー式を採用。
上下開閉式のメインシート下には容量5.1Lのガソリンタンクと給油口をレイアウト。
二人乗りの利便性と快適性を重視し、メインシートの後ろは荷台ではなくタンデムシートを配置。二人乗りも可能なタンデムステップとタンデムグリップも装備済み。

メーカー純正のカスタムパーツ豊富にラインナップ! ヤマハ PG-1 オプションパーツ

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