キング・ケニーも駆ったヤマハ世界GPワークスのストロボカラー車も! ヤマハが近未来型の小型コンセプトモデルを展示【東京オートサロン2024】

1970年代から1980年代にかけて大活躍した、ヤマハの世界GPワークスに採用された「ストロボカラー」にアレンジ。電源となるバッテリーは、ホンダが開発した「モバイルパワーパックe:(写真右)」を使用。
2024年1月12日(金)~1月14日(日)に千葉県・幕張メッセで開催された東京オートサロン2024。東京オートサロン初出展となるヤマハは、ストロボカラーのパーソナル電動モビリティや、フロント部に家具調のトランクスペースを設けた3輪パーソナル電動モビリティなど、ユニークで独創的な近未来型コンセプトモデルを多数展示。展示されたモデルは、「四輪や二輪の業界を問わず、様々な業種とのコラボ」を目的に開発。注目のモデルをご紹介しよう。
PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

Concept 294(プロトモデル) 共創企業:ソニーグループ/二葉家具

都市生活における便利でスタイリッシュな移動手段として、幅広い年齢層の新たなライフスタイルにも応える、近未来的都市型の3輪パーソナル電動モビリティ。製作したのは「ヤマハ」「ソニーグループ」「二葉家具」の三社。北欧デザインに加え、リーン機能による走行性、IoT(※注1)の融合による利便性などがポイント。

※注1:IoTとは「Internet of Things」の略。従来インターネットに接続されていなかった様々なモノ(自動車やバイク等々)が、ネットワークを通じてサーバーやクラウドサービスに接続され、相互に情報交換する仕組み。
フロント部には家具調のトランクスペースを設置。
自転車風のシンプルなハンドル周り。
肉厚のサドル後部には、高年層などの乗車も想定し、背もたれを導入。
電源として使用するバッテリーは、ホンダが開発した「モバイルパワーパックe:」。重量は約10kg。汎用リチウムイオンバッテリーとしての活用範囲も広く、これからの普及が期待されている。
「モバイルパワーパックe:」は家庭用の充電器で充電が可能。定格電圧50.26V、定格容量26.1Ahあり、日常のさまざまなシーンで利用できる機器が増えていく。
「モバイルパワーパックe:」を一度に12本充電できるバッテリー交換ステーション。

Concept 682(プロトタイプ) 共創企業:viblant

電源として使用するバッテリーは、ホンダが開発した「モバイルパワーパックe:」。詳しくは上記を参照。
「キング」と呼ばれたケニー・ロバーツ。1978年にヤマハのワークスライダーとして世界GP500ccクラスにフル参戦。ストロボカラーのヤマハワークス・YZR500を駆り、初年度から3年連続で世界GP500ccチャンピオンという偉業を成し遂げた。 写真提供:ヤマハ発動機

乗車する楽しさや、所有する喜びを叶えつつ、自分好みのアレンジやカスタムにも応えるホースライド型の電動モビリティ。各部にバイク用パーツを駆使するなど、二輪メーカーであるヤマハならではの工夫が随所にうかがえる。

前後タイヤに電動モーターを装備した4輪駆動方式を採用。共創はアンティーク、ヴィンテージ・キャンプ用品の輸入販売、修理、オリジナルグッズの企画販売を行う「viblant(ビブラント)」。

外観はかつてヤマハの二輪ワークスマシンに採用されていた、イエロー・ホワイト・ブラックを組み合わせた“ストロボカラー”にデザイン。カスタムを容易に楽しむことのできる「モジュラー構造」が特長。

前後のホイール&タイヤ径はバイク用の10インチを採用。タイヤはモンキー50の太足カスタムにも多用される「ミシュラン製S1」を選択。サイズは100/80-10。前後のサスペンションはバイク用で、フロントはツインショック型用、リアはモノショック型用を流用。

小型低速EV汎用プラットフォーム「YAMAHA MOTOR PLATFORM CONCEPT」

1~2人乗りの低速パーソナルモビリティでの活用を想定した、研究開発中の汎用プラットフォーム。ヤマハ製の電動モーターをパワーユニットに、バッテリーにはホンダが開発した「モバイルパワーパックe:」を採用。車体の複数連結や、バッテリーの複数搭載など、用途によって仕様の変更が可能な、高い自由度と汎用性が特長。

外観には透明のボディカバーをアレンジ。前後ホイールと前後タイヤはバイク用の10インチを採用。タイヤはDUROとし、ホンダ・モンキーの太足カスタムにも多用される130/70-10サイズをチョイス。

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