【03】スーパーカブ50に“スノータイヤ”を履かせると、どの程度の雪道を走れる? カブで雪道を走りたい!【走行編】

真冬にバイクに乗る。これはバイク通勤やバイク通学する人にとっては当たり前。ただしバイクの特性上、“雪道”を走る人は非常に少ない。しかし驚くなかれ! スーパーカブ50用の17インチタイヤには、雪道での走行を想定した“スノータイヤ”が存在する。ここではスーパーカブ50を“夏タイヤ”からスノータイヤに交換。「雪道走行でどのような走りを発揮するのか?」を試してみた。第1回ではタイヤ(ホイール)と取り外し、第2回ではスノータイヤに交換。第3回となる今回は雪国に出陣し、テスト走行を遂行!
 熱きカブフリークは、ぜひ一度試してみて欲しい!!
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki) / 山田俊輔(YAMADA Shunsuke) / 増田 満(MASUDA Mitsuru)

雪道や凍結した道で活躍する「スノータイヤ」とは?

市販の四輪車用タイヤは大きく分けて、夏用タイヤと冬用タイヤの2種類がある。夏用タイヤは雪道や凍結した道以外ならば、一年中使用できる標準的なタイプ。一方、冬用タイヤは雪道や凍結した道に適応したタイプ。

冬用タイヤには「スノータイヤ(スタッドレスタイヤという名称が定番)」、また「スパイクタイヤ(※注1)」があり、雪道や凍結した道でも、走る・曲がる・止まるという、車両の基本要素をキープしやすい特性を発揮。

夏用タイヤに比べ、スノータイヤ(スタッドレスタイヤ)は路面との設置部分が低温でも硬くなりにくいゴムを採用。また夏用タイヤよりも溝が深く、雪や氷を雪を噛むようにして掻き出し、滑りやすくなった路面でもグリップしやすいのがポイント。ただし夏用タイヤよりも硬化が早く、全般的に寿命が短いのが特徴。

※注1:四輪車の場合、スパイクタイヤは一部地域と期間を除いて使用が禁止されている。北海道なら11月前後から4月頃までなら使用が認めらているが、本州以南では東北や北陸、山梨や長野・岐阜、鳥取や島根などを除いて使用してはいけない。これは自動二輪についても適用される法律で、違反すれば罰則を受けることになる。逆に積雪路を走る場合、四輪車だけでなく自動二輪であっても冬用タイヤやチェーンを巻くなどの処置をしないと法律違反になる。ところが原動機付自転車、すなわち125cc以下の原付バイクであればスパイクタイヤを装着しても構わない。
ホンダの超ロングセラーモデル、スーパーカブ50にスノータイヤを装着。見た目は夏用タイヤと区別がつきにくいが、果たして走りに違いはあるのか?

スノータイヤは雪道走行やスキー・スノボなどのレジャーに行く際には欠かせない、四輪車にとっては定番となる冬のアイテム。バランスを取って走る必要があり、趣味性が高くて冬場は利用する人が少ない(特に積雪地では)バイクの場合、冬用タイヤはあまり馴染みのあるものではないが……。

スーパーカブ50用の17インチタイヤには、雪道や凍結した道での走行を想定した“スノータイヤ”が存在する。ここでは「雪なんかに負けてられないぜ!」という、ガッツ溢れるスーパーカブユーザーにもオススメしたい、噂のスノータイヤを履いて、真冬の雪の中を激走。果たしてその走破性と乗り味は?

ホンダ スーパーカブ50(12Vのキャブレター車)にスノータイヤを装着!

今回スノータイヤに交換したのは、ホンダ・スーパーカブ50。エンジン(電装系)は12Vで吸気系はキャブレター。荷台のゴムロープを巻き付けた、カスタム個所のない完全なノーマル車。

装着したスノータイヤ

メーカー名:IRC/商品名:SN12/サイズ:2.25-17/購入価格:4262円(消費税込/1本)

【その他のアイテム】
タイヤチューブ:615円×2本
リムバンド:450円×2本

長年の夢がついに実現! スノータイヤ仕様のスーパーカブ50で、いざ雪国を激走

「スーパーカブ×ノーマルタイヤで雪が降った際は、常に両足を出しっぱなしで、なんとか家に帰れた……という過去の経験とは打って変わって、圧雪路×スノータイヤの組み合わせでは、『意外なほどグリップしてくれる』。オフロードを走っているような、スポーツ走行の気分が心地よく、調子に乗って速度を上げると(と言っても30km/h未満だが)、直線でも不意にホイール流れてしまうので、ライディングテクニックの未熟な自分は、楽しいけれど自制が必要。でもちゃんと速度を落とせば、コーナリング中もちゃんとグリップしてくれた。フロントブレーキはほぼ握らず、エンジンブレーキとリヤブレーキでをフル活用してました(編集部山田)」

ふかふかの雪道は10〜15cmくらいの深さならなんとか走れる。
道なき道を突き進んでみると、苦労しつつも前に進めた。

「スノータイヤを履かせたスーパーカブ50は、スパイクタイヤほどではないものの、普通に走れる。速度が上がるにつれ、滑ることは多くなるが、十分コントロールできる範疇。

ブレーキングも同様で、前後輪とも滑ることなくしっかり止まってくれた。時速30km/hという原付一種の法定速度内ならば、怖い思いをすることなく運転できるはず。凍結路では、どこまで性能を発揮してくれるのか? 非常に気になるところだ(増田満)」

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