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Mercedes-Benz Marco Polo
現代にも続く特徴を備えて1984年にデビュー
1984年、ブレーマー トランスポーターをベースに開発された初代メルセデス・ベンツ マルコポーロが初公開。メルセデス・ベンツの新型キャンピングカーのネーミングとしてベネチアの冒険家が採用された。マルコポーロはヨーロッパからアジアまで多くのマーケットで、広大なスペースを持つ実用的なキャンパーとして高い人気を集めることになった。
初代マルコポーロは、ずんぐりしたボンネットを持ち、バハマベージュのエクステリアカラー、インテリアはベージュブラウンでまとめられた。ベースとなったブレーマー トランスポーターの愛称を持つ「メルセデス・ベンツ T1」は、当時ドイツ・ブレーメンで生産されており、ここから愛称が付けられている。
全高2970mmと、堂々たる全高を持つ初代マルコポーロは、現在もマルコポーロの特徴である「ルーフベッド」を導入。リヤのベンチシートはベッドとしても使用可能で、回転式のドライバーズシートとパッセンジャーシートを備えていた。シンク付きの簡易キッチン、 電動調理器、冷蔵庫、食器棚、引き出しモジュールも装備されている。
2代目からポップアップルーフを導入
1996年、「ヴィト バン」をベースとした2代目マルコポーロが登場。ポップアップルーフを導入したことで全高を2000mm以下に引き下げ、使い勝手が大幅にアップした。
インテリアも機能的になり、 リヤシートとベッドは専用のレールシステムに取り付けられ、スライドが可能に。また、カップボードにも実用的なローラーシャッターを装備。テーブルはスライドドアのパネル内に収納され、足踏み式パーキングブレーキを導入したことで、前席から後席へのアクセスも向上している。
2003年には「ヴィアノ」をベースとした3代目のマルコポーロがデビュー。機能面でさらなる進化を遂げ、キャンピングカーセグメントに新たな基準を打ち立てることになった。ポップアップルーフは電動化、ルーフベッドにはスプリングが搭載されたことで、より快適な就寝空間を実現。電動折りたたみ式バックレストを備えたベンチシートなども導入されている。
最新「Vクラス マルコポーロ」は2024年から販売開始
2015年に投入された4代目以降、マルコポーロは「Vクラス」をベースとした現在の形で販売されている。4代目マルコポーロは、コクピットからリビングエリアまで、ラウンジのような豪華なインテリアを実現。ヨットのキャビンをイメージしたフローリング、シックな雰囲気をもたらすLED室内照明、幅広いセレクションを展開する高品質なトリムエレメントなど、カスタマーの好みに合わせて装備を組み合わせることが可能となっている。
2019年のフェイスリフトでは、革新的な「MBUX」マルチメディアシステムや、先進的なMBAC(メルセデス・ベンツ・アドバンスド・コントロール)など、乗用車と変わらない装備を導入。2023年夏に発表され、2024年から販売をスタートする新型「Vクラス マルコポーロ」は、エクステリアとコクピットの質感がさらに向上し、MBUXとMBACの機能が強化された。
Tクラス用「マルコポーロ・モジュール」
2023年には、新型Vクラス マルコポーロに加えて、よりコンパクトなTクラスに搭載可能な「マルコポーロ・モジュール」が登場した。モジュールはTクラスのトランクに設置され、ラッシングベルトで固定。この機能的なモジュールは小型バンをあっという間にマイクロキャンパーへと変身させる。マルコポーロ・モジュールは、2名用の標準的なベッドユニットに加えて、シンクとボトルガスコンロ付きキッチンユニットで構成。必要であれば、冷蔵庫を追加することも可能で、こちらもキッチンユニットに収納される。
その他のオプション装備として、補助バッテリー、遮光エレメント付きスリーピングパッケージ、ガラス窓用防虫スクリーン付き換気グリル、CピラーとDピラーの間に取り付け可能なウィンドウポケット、テーブルとキャンピングチェアなどもラインアップする。
また、マルコポーロ・シリーズには、将来的にフル電動パワートレインを搭載モデルの追加も計画されており、現在開発中の「VAN.EA」ベースのキャンパーが2026年に投入される予定だ。