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BMW X3
世界各地を舞台にしたテストプログラムを実施
現在、BMWはプレミアムミドルサイズSUV「X3」の第4世代モデルの開発を行っており、発売に向けた最終テストを、南フランス・ミラマスにあるBMWグループのテストセンターで実施した。現行の3代目「X3」は2017年にデビューしており、2021年にはフェイスリフトを実施した後期型が導入されている。
今回のテストではシャシーコントロールとドライバーアシスタンスシステムの調整を中心に実施。新型X3は、数週間後に高効率内燃機関と先進のプラグインハイブリッドを搭載して発表される予定だ。
新型X3はすでに、雪上や氷上、酷暑地、オフロードなど、量産化に向けた広範なテストを実施。市街地でのストップ・アンド・ゴーや、曲がりくねった田舎道、高速道路、サーキット走行などのテストも行っており、日常的な使い勝手や長距離走行性能などが調整された。
Cd値0.27を実現した高度なエアロダイナミクス
今回、BMWのエンジニアは、ミラマスにある多目的なテストトラックを使用し、新型X3のドライビング体験の仕上げ作業を行った。ミラマスには、アスファルトオーバル、ハイウェイ、スラローム、サーペンタイン(蛇行)、サーキュラー、オフロード、路面の異なるハンドリング・コースが存在。これらのコースを集中的に走行することで、加速性能、サスペンションとダンピング、ステアリング精度、ブレーキ挙動を細部まで分析・最適化している。
新型X3は、現行モデルからドライビングダイナミクスと効率性を大幅に進化させるべく、インテリジェントな軽量構造に加えて、最適化されたエアロダイナミクスを導入。空気抵抗係数(Cd値)は0.27と、比較的車高の高いSUVとして非常に優れた数値を実現している。
先代モデルと比較するとトレッドが拡大したことで、リヤアクスル周辺のリフト量が減少した。また、ボディとシャシー連結部の剛性アップも実現した。前後アクスル構造にも積極的に手が入れられ、フロントホイールのキャスターは19%増加。これにより、横方向の安定性が大幅に向上した。ダイレクトなステアリングレシオを導入したことで、ステアリングの快適性が向上。新開発のアンチロールバーは乗り心地を損なうことなく、コーナリング性能を進化させている。
最新仕様の「BMWラテラル・ダイナミクス・マネージメント」が標準装備され、路面状況に合わせて、ステアリングトルク、アクチュエーターによるホイールスリップ制限、パフォーマンスコントロールのヨートルク配分などの制御が行われる。電子制御式ショックアブソーバーを備えた「アダプティブシャシー」もオプションで用意。今回のミラマスでのテストにおいて、最終的なチューニングが施された。
コクピットに最新世代の「BMW iDrive」を搭載
新型X3は、BMW iDriveコントローラーを含む、BMWオペレーティング・システム9をベースとした最新の「BMW iDrive」を搭載。現行モデルと比べて、限定的な自動運転や自動パーキングシステムの精度が大幅に向上された。特にアシスタンスシステムのブレーキとステアリングの介入は、ライバル車両と比べて高い精度を実現したという。
すべてのドライバーアシスタンスシステム機能は、最先端のセンサー技術に加えて、ソフトウェア、プロセッサー、ネットワーク技術をベースに開発。新型X3には、「アクティブ・レーンチェンジ・アシスタント」をはじめ、ドライバーがスマートフォンを使って車外から駐車をコントロールできる「パーキング&マニューバー・アシスタント」などが導入される予定だ。