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Bentley Batur Convertible
W12エンジンの歴史を締めくくる存在に
クーペのバトゥールに導入された革新的なデザインDNAがさらに進化した「ベントレー バトゥール コンバーチブル」は、今後のベントレーを予感させる美しいエクステリアデザインが特徴だ。
搭載されるエンジンは、クーペと同じく最高出力750PSを発揮する6.0リッターW型12気筒ツインターボだ。ベントレーを象徴するW型12気筒は、過去20年にわたりベントレー躍進の原動力となってきたが、2024年夏に生産を終了する。バトゥール コンバーチブルがW12エンジンを搭載する最後のベントレーとなる。
ベントレーは1919年の製造1号車に始まり、バカラルに至るまで、数々のオープンモデルを製作してきた歴史を持つ。マリナーのデザイナーは最新アーキテクチャを活かしながら、バカラルとバトゥールのデザインを融合させ、コンバーチブルならではの使いやすさを盛り込むことに成功。さらに、バカラルからインスピレーションを得たラップアラウンド・コクピットも導入している。
シート後方のエアブリッジとリヤのテーパー型カウルは、往年のバルケッタを彷彿とさせるデザイン要素。ドライバーは心地よいコクピットに包まれ、ロングドライブを楽しむことができるだろう。エアブリッジとテーパー型カウルの採用によって、フロントシート後方に半密閉式ラゲッジコンパートメントも確保された。
キャンバスルーフはハードトップにはないクラシカルな美しさを表現。断熱材と改良された密閉システムにを組み合わせたことで、快適な室内環境を実現した。50km/h以下であれば、わずか19秒でルーフの開閉も可能となっている。
エクステリアの全てをカスタマイズ可能
マリナーのデザインチームはカスタマーと話し合いを重ねながら、専用のビジュアライザーを使用してバトゥール コンバーチブルを仕上げていく。カラーやマテリアルは、豊富なサンプルが用意されており、自動車での使用が珍しい貴重な素材を選ぶこともできる。カスタマーのイマジネーションによって、デザインの可能性はどこまでも広がるという。
エクステリアカラーの選択肢は、マリナーのカラーパレットをはじめ、オーダーメイドカラーや手描きのグラフィックなど、無限と言えるほどあるという。エクステリアのブライトウェアは輝きを放つ仕上げやダークな仕上げ、サテンやグロス、さらにはチタンなどを組み合わせることもできる。例えば、グラデーションが美しいコントラストカラーをフロントグリルにチョイスし、その濃淡によって躍動感のある雰囲気を醸し出すことも可能だ。
また、キャビンやエクステリアに合わせてエアブリッジ、トノカバー、ルーフの素材などをカスタマイズできることも、コンバーチブルモデルの特権だと言えるだろう。
職人によって製造される美しいインテリア
英国・バーミンガムには何百年も前から貴金属の加工が盛んに行われてきた「ジュエリークオーター」と呼ばれる歴史地区がある。今回、マリナーは専用パーツを製作するため、ジュエリークオーターで働く熟練の金細工職人の協力を得ることになった。最先端の自動車製造技術と、伝統的な素材や加工技術を組み合わせるという、ベントレーならではのコラボレーションが実現した形だ。
インテリアには、ベントレー・ドライブモードセレクターに、ドライバーが直接触れる箇所に3Dプリンターで製作されたオプションの「ローズゴールド」を採り入れることも可能。ベントレー・ドライブモードセレクターは、シャシーモードを切り替えるためのダイヤル式セレクターで、「スタート/ストップ」ボタンを縁取るように配置されている。
また、ダッシュボードに設置されるオルガンストップ・ベントコントロールや、ステアリングホイールのインサートマーカーにも、この貴重なローズゴールドを採り入れることもできる。
ディテールまで拘り抜いた「カーゼロ」
今回、技術面を検証する目的で「バトゥール コンバーチブル カーゼロ」を製作。カスタマー用車両と同様、ディテールまで徹底的にこだわり抜いて完成した。エクステリアは現代的な雰囲気を持つデュオトーンの「ヴァーミリオン・サテン」に「ヴァーミリオン・グロス」を重ねた特注カラー。フロントスプリッター、サイドスカート、リヤディフューザーをハイグロスカーボンファイバー製としている。
フロントグリルは、メインマトリクスが「グロス・ダーク・チタニウム」、アクセントとなる水平方向のジグザグ模様はグリルの中央部分が「ベルーガ」で、端に向かって徐々に明るめの「ヴァーミリオン・グロス」へと変化。エンドレスボンネットと、22インチホイールは「グロス・ダーク・チタニウム」、スポークは「グロス・ブラック・チタニウム」と「サテン・ブラック・チタニウム」、アクセントは「ヴァーミリオン・グロス」が組み合わせられている。
クーペのバトゥールにも搭載されているW型12気筒エンジンは吸気システムを改良、ターボチャージャーのアップグレード、新設計インタークーラーの採用に加え、キャリブレーションが徹底的に見直された。その結果、最高出力750PS、最大トルク1000Nmを発揮し、ベントレー製グランドツアラーに相応しい最高のパフォーマンスを実現。W12型エンジンは20年前と比較して、出力は約40%、燃費は25%向上している。
バトゥール コンバーチブルは、英国・クルーの本社ファクトリー内にあるマリナーのワークショップにおいて、数ヵ月をかけて手作業でわずか16台のみが製作される。