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Aston Martin Valkyrie AMR-LMH
3名のドライバーがテストを実施
アストンマーティンと、レース活動を担当するハート・オブ・レーシングは、ル・マン24時間レース制覇を目標に掲げ、WECハイパーカークラスに投入されるプロトタイプレーシングカー「ヴァルキリー AMR-LMH」のテストプログラムを開始した。
アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズとハート・オブ・レーシングが共同開発したヴァルキリー AMR-LMHは、今週、英国のドニントンパークにおいてカモフラージュ偽装をしたヴァルキリー AMR-LMHのシェイクダウンと初期評価テストを完了。今回のテストではアストンマーティンの開発ドライバーを務めるダレン・ターナー、マリオ・ファーンバッハー、ハリー・ティンクネルがステアリングを握った。
チームは、2024年秋に予定されているFIAホモロゲーションの取得、さらに2025年シーズンからの実戦デビューに向けた本格的な開発・テストプログラムをスタートした。ヴァルキリー AMR-LMHは、アストンマーティンとして初めて、WECと米国のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権という、ふたつのシリーズに参戦すべく開発されている。
アストンマーティンの耐久レース担当ヘッドを務めるアダム・カーターは、最初のテストを終えて以下のように喜びを語った。
「ヴァルキリー AMR-LMHは、耐久レース用プロトタイプとして独自のスタンダードを確立するマシンとして開発されました。現時点ではテストプログラムのごく初期ですが、これまでのところは掲げた目標や基準をクリアしていることに満足しています」
2025年は3台のヴァルキリーが登場予定
ヴァルキリー AMR-LMHは、カーボンファイバー製シャシーに、コスワース製6.5リッターV型12気筒自然吸気エンジンを搭載。ハイパーカークラスに求められるパフォーマンスレベルに達するよう改良が施され、トップレベルの長距離レースにも耐えられるよう、耐久性も確保されている。
ハート・オブ・レーシングは、WECプログラムのベースとなる英国ヘッドクォーターを設立。ここを拠点に、シルバーストーンのアストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズと協力し、開発を進めていく。今回のシェイクダウンに続き、夏までに性能評価を完了し、その後は英国を離れてヨーロッパのサーキットでテストが行われる。
ワークスチームのハート・オブ・レーシングは、市販ハイパーカーのヴァルキリーをルーツとするヴァルキリー AMR-LMHを2025年シーズンのWECに2台、IMSAに1台をエントリーする予定。ハート・オブ・レーシングのイアン・ジェームズ代表は慎重なコメントを残している。
「ヴァルキリー AMR-LMHの初走行は、このプログラムにとって誇らしい瞬間になりました。私たちはこのプロジェクトのために2~3年の歳月を費やしてきたのです。ただ、このプロジェクトに関わるすべての人々にとって、この先は険しい道のりとなるでしょう。私たちはスポーツカーレースの頂点に立ちますが、ライバルは手ごわく、彼らは長い間、この厳しいカテゴリーで戦い続けてきたのです」