最新アジア製EV「BYD シール」「ヒョンデ コナ」異カテゴリー2台を比較

中韓自動車メーカーの日本市場戦略はどう違う?「BYD シール」と「ヒョンデ コナ」のスペック比較で考える

アジアの自動車メーカーによる日本進出が勢いづいている。中国のBYDは日本進出とともに全国にディーラー網を構築し、韓国のヒョンデは日本進出自体は古いものの多彩なグローバルラインナップから、電動車のみ導入することでEVメーカーを印象付けてふたたび日本市場に挑む。今回は、日本に導入されたばかりの最新EV「BYD シール」と「ヒョンデ コナ」を比べてみる。

BYD SEAL
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HYUNDAI KONA

形も大きさも違うがそれ以上に重量差が大

「BYD シール」も「ヒョンデ コナ」も日本に導入されたばかりの比較的新しいモデルだ。同じEVだが、ヒョンデは激戦区であるコンパクトSUVカテゴリーへ、BYDにもコンパクトSUVがあるが、さらに高級セダンカテゴリーへも進出し、両社の戦略は分かれた。

ジャンルが異なるのでボディの形もサイズも全く違う。ただし全幅は50mmの差しかない。逆に捉えれば、コナはコンパクトSUVながらゆとりのある室内空間を持つと言えようか。

そしてさらに差が大きいのが車重である。シールはコナより370kgも重く、タイヤの摩耗の度合いが大きく違ってきそうだ。

ボディサイズ=全長4800mm×全幅1875mm×全高1460mm
ホイールベース=2920mm
車両重量=2100kg
タイヤサイズ=235/45R19

ボディサイズ=全長4355mm×全幅1825mm×全高1590mm
ホイールベース=2660mm
車両重量=1730kg
タイヤサイズ=215/60R17

大衆車的な駆動方式か高級車らしい駆動方式か

シールもコナも、現在のEVのセオリーであるリチウムイオンバッテリーを搭載しているという点は変わらない。しかし、モーターのスペックと駆動方式は大きく異なる。コナは204PSで前輪駆動(FWD)、シールは312PSで後輪駆動(RWD)となっている。同じEVと言えども、ベーシックカーか高級車かで思想が異なると言えそうだ。ただ、コンパクトなSUVで204PSという最高出力はパワフルだ。コナは見た目以上にスポーティに走るだろう。

ちなみに航続距離は、コナが625kmでシールは640km。両車とも実用的な航続距離を備えているが、車両サイズに起因するバッテリー容量の差を考えるとコナは健闘している。

駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
定格出力=70.0kW
最高出力=230PS
最大トルク=360Nm
トランスミッション=1速固定
駆動方式=RWD

駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
定格出力=50.0kW
最高出力=204PS/5800-9000rpm
最大トルク=255Nm/0-5600rpm
トランスミッション=1速固定
駆動方式=FWD

コストパフォーマンスの高さは両車互角か

シールとコナの車両価格は75万9000円の差がある。コナの高いコスパぶりはさておき、高級指向のシールも500万円台前半の勝負価格と言える。ちなみに国からの補助金は両車ともに45万円。シールは実質的に400万円台となるので、よりお得感が高く見えるかもしれない。

車両本体価格

BYD シール 528万円
ヒョンデ コナ Voyage 452万1000円

日本での販売が開始された、フル電動クロスオーバー「ヒョンデ コナ」。

「最大航続距離625km」ヒョンデのフル電動コンパクトSUV「コナ」日本販売開始【動画】

ヒョンデ・モビリティ・ジャパンは、2023年9月27日から予約販売を開始した新型電気自動車「コナ」の日本国内における販売を、11月1日から開始した。

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