高性能EV「ヒョンデ アイオニック5N」とホットハッチ「メルセデスAMG A 45」を比較

高級スポーツハッチを選ぶならエンジン車かEVか?「ヒョンデ アイオニック5N」と「メルセデスAMG A 45」を比較

スポーツハッチバックはSUVが全盛の現在も存在感のあるカテゴリーだ。しかし、ヒョンデが日本に導入したEVの高性能ハッチバックモデル「アイオニック5 N」は、スポーツハッチバックに対する概念を変えるかもしれない。一方でエンジン車としては最強はメルセデスAMGのコンパクトハッチバックスポーツ「A 45 S 4Matic+」が挙げられる。両車をスペック面から比較してみよう。

HYUNDAI IONIQ 5 N
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MERCEDES-AMG A45

アイオニック5 NはDセグメント相当の大型ボディ

「ヒョンデ アイオニック5 N」も「メルセデスAMG A45 S 4Matic+」もハッチバックのハイパフォーマンスモデルというコンセプトは変わらないが、ボディサイズは全く違うものとなっている。全長、全幅、全高、ホイールベース、タイヤサイズの全てにおいて、アイオニック5 Nの値が大きい。特に全長4700mm級はDセグメントのサイズ感である。一方のA 45はCセグメント相当なので、カテゴリーがひとクラス異なる。

そして大きな違いが車重である。両車の差は580kgもある。EVは高いスペックを求めるとバッテリーの重量がネックとなるが、それが如実に現れていると言える。

ボディサイズ=全長4715mm×全幅1940mm×全高1625mm
ホイールベース=3000mm
車両重量=2210kg
タイヤサイズ=275/35ZR21

ボディサイズ=全長4445mm×全幅1850mm×全高1410mm
ホイールベース=2730mm
車両重量=1630kg
タイヤサイズ=245/35R19

前後2モーター式AWDにガソリンエンジンは勝てるか

A 45は2.0リッター直列4気筒ターボエンジンながら最高出力421PSというかなりの高性能エンジンを搭載している。ただ、それを上回るのがアイオニック5 Nで、前後2モーター式AWDの総合出力は650PSと非常に強力である。

さらに電気モーターは、回転した瞬間から最大トルクが出るという特性がある。前後2モーター式AWDは前後のトルクの調整やトラクションのコントロールがエンジン車よりも細かく制御できる。こうした点から、パワートレインのスペック比較ではアイオニック5 Nの方が上と考えて良いだろう。

駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
定格出力=57.8kW(前) / 101.0 kW(後)
システム最高出力=650PS
システム最大トルク=770Nm
トランスミッション=1速固定
駆動方式=AWD

エンジン形式=直列4気筒DOHCターボチャージャー付
排気量=1991cc
最高出力=421PS/6750rpm
最大トルク=500Nm/5000〜5250rpm
トランスミッション=8速DCT
駆動方式=AWD

価格の面でもアイオニック5 Nの方が有利

サイズでもパワーでも有利に見えるアイオニック5 Nだが、なんと価格面ではA 45よりも安く設定されている。これは戦略的価格設定かもしれない。両車の価格差は72万円で、アイオニック5 Nのほうが安価なのだ。さらにアイオニック5 NはEVなので、燃料代ではなく充電代となる。購入後の維持費も異なるだろう。

昨今は原油価格が高騰している。これはガソリン代はもちろんだが、オイル代も上昇傾向となることを意味する。電気代も高騰しているとはいえ、油脂類の交換が少ないEVは維持費の面で有利だ。もし頻繁にサーキット走行を楽しむ趣味をお持ちなら、安く手に入る上に維持にかかるコストも少なくなる可能性もあるなら、現状の戦略的価格設定のアイオニック5 Nは魅力的に映るかもしれない。

車両本体価格

ヒョンデ アイオニック5 N 858万円
メルセデスAMG A 45 S 4Matic+ 930万円

ヒョンデが展開するスポーツブランド「N」初のハイパフォーマンスEV「アイオニック5N」に試乗した。

「車内外にエキゾーストサウンドが轟く?」フル電動ハッチバック「ヒョンデ アイオニック 5 N」に試乗

昨年グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、ヒョンデが発表したアイオニック5Nが日本に上陸した。ヒョンデが展開するスポーツブランド「N」初のハイパフォーマンスEVに試乗した。(GENROQ 2024年7月号より転載・再構成)

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