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VOLVO XC90
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AUDI Q7
ボルボは質実剛健、アウディはスポーティ




世界的に流行しているSUVだが日本においては、その大型化そして多人数乗車への対応が進んでいる。トヨタの最新SUV「ランドクルーザー300」および「ランドクルーザー250」は7名乗車に対応しているし、マツダの「CX-80」も7人乗りだ。
日本では多人数乗車への対応は基本的にミニバンが担う。だが、ミニバンが流行していない海外においては、その役割はSUVが果たす。今回比較する「ボルボ XC90」と「アウディ Q7」はまさにそれで、それぞれのブランドが誇る大型・多人数乗りSUVだ。
両車のスタイリングを見比べると、一見XC90の方が大きそうに見える。しかしスペックを比較すると、実は全長と全幅はQ7のほうが大きい。
なぜそう見えるのかといえば、それはデザインアプローチの違いであろう。XC90は直線を基調としたスクエアに近いデザインを採用し、全高も高い。一方のQ7は、スラントノーズを採用したりルーフに傾斜をつけたりと、スポーツセダン・クーペの手法を取り入れている。
ボルボといえば、質実剛健なツーリングワゴン、アウディといえば高級なスポーツセダンというイメージを持つ人も多いだろう。SUVにもそのエッセンスを取り入れているのだ。
ボルボ XC90 Plus B5 AWD
ボディサイズ=全長4950mm×全幅1930mm×全高1775mm
ホイールベース=2985mm
車両重量=2110kg
タイヤサイズ=235/55R19
アウディ Q7 50 TDI quattro
ボディサイズ=全長5070mm×全幅1970mm×全高1735mm
ホイールベース=2995mm
車両重量=2220kg
タイヤサイズ=255/55R19
質実剛健とスポーティというアプローチの違いはエンジンにも




今回比較する2台はそれぞれベースグレードだが、XC90はガソリン、Q7はディーゼルという違いがある。
ここにも両ブランドのアプローチの違いが見て取れる。スペック値を単純比較すると全てにおいてQ7が上回るという答えになるのだが、注目は燃費性能かもしれない。XC90はガソリンターボエンジンでWLTCモード燃費11.4km/Lを実現している。一方のQ7はディーゼルターボエンジンで11.7km/L。通常燃費性能ではディーゼルが有利とされるだけに、XC90は健闘しているといえるだろう。
ラインナップ全体においてもXC90はエコ性能、Q7はスポーツ性能を追求していると考えられる。その証拠に、Q7シリーズの最上級モデル「SQ7」は507PSの4.0リッターV8ツインターボエンジンを搭載。一方、XC90のフラッグシップ「Ultra T8 AWD」は2.0リッター直4ターボ+プラグインハイブリッドなのだ。WLTCモード燃費は13.3km/Lである。
ボルボ XC90 Plus B5 AWD
エンジン形式=直列4気筒DOHCターボ
排気量=1968cc
最高出力=250PS/5400〜5700rpm
最大トルク=350Nm/1800〜4800rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD
アウディ Q7 50 TDI quattro
エンジン形式=V型6気筒DOHCターボ
排気量=2967cc
最高出力=272PS/3500~4000rpm
最大トルク=600Nm/1750~3000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD
安全・快適機能で比較すればボルボの方が高バリューか


両車の価格差はおよそ100万円。いずれも2016年に日本市場へやってきた古参モデルだが、Q7はその後内外装を大きく変更するマイナーチェンジを何度か実施している。アウディというブランドと、このあたりの事情が価格に反映されているといえそうだ。
だが、XC90も最新の運転支援機能を標準搭載している。XC90のバリューの高さに惹かれる人も多いはずだ。