ポルシェが新たな蓄電システムを公開「4400基の使用済みバッテリーで構成」

ポルシェがライプツィヒ工場に「バッテリーストレージシステム」を導入「タイカンのバッテリーを再利用」

タイカンのバッテリーを再利用した「バッテリーストレージ・システム」が、ポルシェのライプツィヒ工場に導入された。
タイカンのバッテリーを再利用した「バッテリーストレージ・システム」が、ポルシェのライプツィヒ工場に導入された。
ポルシェは、ドイツ・ライプツィヒ工場に電力を供給する、新たな蓄電システムを公開した。新型バッテリーストレージシステムは、バスケットボールコートほぼ2面分の大きさを誇り、再利用された4400基ものバッテリーモジュールで構成されている。

Porsche Taycan

タイカンで使用されたバッテリーを再利用

ポルシェ タイカンの使用済みバッテリーを再利用した、新型バッテリーストレージ・システム。
タイカンのテスト車両やプレ生産モデルなどに搭載されていたバッテリーを再利用。ドイツ・ライプツィヒ工場に、新型バッテリーストレージシステムを導入した。

ドイツ・ライプツィヒ工場に導入されたバッテリーストレージシステムは、タイカンで使用されたバッテリー再利用。これらのバッテリーは、テスト車両やプレ生産モデルから回収されており、耐用年数を迎えた現在、定置型エネルギー貯蔵システムとして再利用されることになった。

ポルシェは「セカンドライフ」コンセプトを掲げており、電気自動車やハイブリッド車両から排出される使用済み高電圧バッテリーを有効活用することで、大規模な省資源を目指している。今回のプロジェクトのアイデアは、シュトゥットガルト本社の環境・エネルギー管理部門から生まれた。

ポルシェのエレクトリカル・エンジニアリング部門の責任者を務めるアルウィン・シュミットは、このプロジェクトの目的について、「環境問題の解決だけでなく、エネルギー供給の核心に関わるプロジェクトです。蓄電システムに関して、先進的な役割を果たすことが、私たちにとっては本当に重要だったのです」と説明する。

ポルシェAGの生産物流担当執行役員アルブレヒト・ライモルトは、「このプロジェクトは資源を持続可能な形で再利用し、リサイクル事業とビジネスとしての効率性を、どのように両立させることができるかを示しています」と付け加えた。

将来的に他の工場への導入も検討

ポルシェ タイカンの使用済みバッテリーを再利用した、新型バッテリーストレージ・システム。
ライプツィヒ工場に設置されたバッテリーストレージシステムは、使用される中で様々なデータや知見を取得。今後、他の生産施設への導入も検討されている。

バッテリーストレージシステムのプロジェクト・マネージャーを務めるジョナサン・ディートリッヒは、ライプツィヒ工場への導入理由を次のように明かした。

「ライプツィヒ工場の経済性をさらに高め、自給自足率を向上させるため、私たちは敷地内に蓄電能力を持たせたかったのです。ですから、タイカンのプレ生産車両のバッテリーを素材リサイクルに回すのではなく、蓄電池として再利用するのは理にかなったことでした」

「将来的には、ポルシェの他の生産拠点にも同様のシステムと機能を導入できるよう、このプロジェクトから様々な知見を得たいと考えています。それにより、最終的な素材リサイクルの前に、車両での過酷な使用が難しくなったテストカーのバッテリーを再利用することができるようになります」

電力使用のピークカットを実現

新型バッテリーストレージ・システムが導入された、ドイツ・ライプツィヒ工場。
新型バッテリーストレージシステムが導入された、ドイツ・ライプツィヒ工場。工場における電力使用量がピークを迎えた時に、バッテリーストレージシステムの電力を使用することで、使用電力のピークカットが可能になる。

定置型バッテリーストレージシステムは、4基のバッテリーコンテナに分かれ、4400基のバッテリーモジュールで構成。総容量は5MW、エネルギー量は10MWhとなり、短時間であれば最大20%の過負荷でも作動させることができる。

タイカンのテスト車両の過酷な動作環境で使用されてきたバッテリーモジュールは、技術的な変更なしに蓄電システムへの導入が可能になった。4基のバッテリーコンテナはそれぞれ、中電圧システムのインバーターと変圧器に接続。バッテリーブロックを含むシステム全体は、10年以上の耐用年数を想定して設計されており、必要に応じて個々のバッテリーモジュールを交換することもできる。

バッテリーストレージシステムの電力の一部は、ピーク出力9.4MWの太陽光発電システムによって発電。工場における電力のピーク負荷が発生した場合、蓄電システムが電力をカバーする。電力のピーク使用量をカバーすることで、工場における電力使用量を大幅に削減するだけでなく、国内の電力需要の負担軽減にも貢献するとポルシェは説明している。

新型ポルシェ タイカンの日本導入に合わせて、大谷翔平が参加する「OVERFEELキャンペーン」が実施される。

新型「ポルシェ タイカン」が大谷翔平との新ビジュアルを公式SNSで先行公開「六本木ヒルズで日本初披露」【動画】

ポルシェジャパンは、2024年2月7日のワールドプレミア後から予約受注を開始している新型「タイカン」の日本導入に向けた「OVERFEELキャンペーン」を実施する。これに合わせて、ポルシェ・ドライビングアスリートを務める大谷翔平選手とタイカンの新ビジュアルを公式SNSにおいて公開した。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…