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マテ・リマックがブガッティ-リマックのCEOに就任
クロアチアのスヴェタネデルハを拠点とするリマックと、ブガッティによる合弁会社「ブガッティ-リマック」。CEOは、電動ハイパーカーのパイオニアであり、リマック・アウトモビリの創設者兼CEOのマテ・リマックが務めることに決まった。そして、ポルシェAGはブガッティ-リマックの戦略的パートナーとして、主要な役割を果たすことになる。
ポルシェの取締役会会長であるオリバー・ブルーメと財務担当役員のルッツ・メシュケが、この合弁会社の監査役会に参加。ブガッティ-リマックは、リマックグループ(55%)とポルシェAG(45%)が所有することになる。
合弁事業の枠組みの中で、ブガッティとリマック・アウトモビリは引き続き独立したブランドとメーカーとして運営。ザグレブ(クロアチア)とモルスハイム(フランス)のそれぞれの生産拠点と流通チャネルを維持する。
ヴィンケルマンCEOはランボルギーニ社長に専念
現在、 ブガッティのCEOであるステファン・ヴィンケルマンは、2021年10月31日にその職を辞任し、ランボルギーニCEOの役割に専念する。
「この合併は、関係するすべての人にとって完璧なソリューションです。一緒になって、私たちは強力な自動車会社を形成しています」とオリバー・ブルーメは説明する。
「私たちは、伝統的な一流ブランドであるブガッティを未来に向けることで、付加価値を付けることに成功しました。ブガッティは魅力と情熱を象徴しています。 リマックは、かなりの技術的専門知識を持つ革新者です。ステファン・ヴィンケルマンの並外れた貢献に感謝します。彼は素晴らしい仕事をしました」
マテ・リマックに加えて、新しいマネージメントチームには、ブガッティ・オートモービルズの元プロダクションマネージャー兼、共同マネージングディレクターであるクリストフ・ピオチョンが含まれている。ピオチョンは合弁会社の最高執行責任者に就任。ブガッティの生産は完璧主義とデザイン、そして職人技の卓越性で世界的に有名なアルザスのモルスハイムで継続される。
最高財務責任者となるラリッサ・フレージャーは、直近までポルシェでデジタリゼーションと新規ビジネスモデル開発部門のディレクターを務めていた人物。また、以前マクラーレンのチーフエンジニアだったエミリオ・セルボが最高技術責任者に就任する。
「私たちの経営陣では、経験と専門知識、革新性、チームスピリットの完璧な組み合わせを結集したと確信しています。このプロジェクトは理想と非常に近い形でスタートするため私はとても楽観的ですが、これからも全力でサポートをし続けます」と、ルッツ・メシュケは 付け加えた。
「オペレーションラッシュ」と呼ばれた合併プロジェクト
ポルシェ社内では、今回の合弁事業は「オペレーションラッシュ」と呼ばれていたという。「その名の通り、すべてが非常に迅速に進みました」とメシュケは振り返る。ポルシェは2018年にリマックのパートナーとなり、それ以来着実に関与を増やしてきた。
「私たちの戦略的投資チェーンは今、成功裏に終わりに近づいています。そもそも、多くの分野で多くの説得力が必要でした。最後の仕事は、組織的なハードルを克服することでした。ザグレブ、モルスハイム、ヴォルフスブルク、シュトゥットガルトのチームは非常に熱心に取り組んでおり、新しい会社を明るい未来に向けて導くことは間違いありません」
ブガッティ-リマックの合弁事業の立ち上げはCEOであるマテ・リマックにとっても大いなる一歩となる。彼が自身のガレージで起業したのは、わずか12年前のことだった。
「成功が約束された新しい融合を主導できたことは光栄です。革命的でエキサイティングな新しい章の始まりです。リマックとブガッティ以上に良い組み合わせを見つけるのは難しいでしょう。リマックの素早いオペレーションと電動化テクノロジーは、ブガッティの素晴らしいヘリテージと職人技を完璧に補完します。これから起こる素晴らしいプロジェクトにご期待ください」と、マテ・リマック。
ブガッティ-リマックの本社は、ザグレブ近くのスヴェタネデルハに設置。現在2億ユーロをかけて建設されている新しいリマックキャンパスへの移転は、2023年に計画されている。この施設は、ブガッティ-リマックの共同研究開発施設としても活用され、 20万平方メートルの敷地で2500人が働くことになる。そして、すべてのブガッティモデルはモルスハイムの工場で引き続き生産され、現地での雇用は長期的に保護されるという。
ブガッティ-リマックの合弁事業は、ザグレブに約300人、モルスハイムに約135人という、約435人の従業員でスタート。この新しいプロジェクトは、ブガッティとリマックそれぞれの強みと魅力をさらに強化することが見込まれている。