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BUGATTI Tourbillon
第一印象は非常にコンパクト
11月7日、東京でブガッティ東京(SKYグループ)主催の「ブガッティ トゥールビヨン」発表会が行われた。ブガッティ・オトモビルが、シロンの後継モデルとして今年6月に発表した「トゥールビヨン」は、8.3リッターV型16気筒自然吸気エンジンを搭載するプラグインハイブリッド・ハイパースポーツカーである。
今回日本で展示されたのは、残念ながら実車ではなくモックアップだが、その第一印象は非常にコンパクト。シロンが搭載していた、8.0リッターW16クワッドターボエンジンに代わり、リヤミッドに縦置きで搭載される8.3リッターV16自然吸気エンジンは、単体重量わずか252kgを謳っており、その排気量を感じさせないスリムなサイズ感だった。
コスワースの協力を得て新設計された90度バンク角を持つ、このV16ユニットのレブリミットはなんと9000rpm。最高出力が1000PS、最大トルクは900Nmと、エンジン単体でも圧倒的なスペックを実現するという。組み合わされトランスミッションは新世代8速DCTとなる。さらに最高出力340PS、最大トルク240Nmを発揮する電気モーターをフロント左右に各1基、リヤに1基の合計3基のモーターを搭載し、システム最高出力1800PSを発揮するという。
重量は2.3tほど?
エクステリアデザインは、115年の歴史をもつブガッティらしく、「タイプ35」や「タイプ57SC」などの往年の伝説的モデルの影響を感じる。もちろん「ヴェイロン」や「シロン」から連なる馬蹄型グリルやサイドからは、ブランドの連続性を感じさせつつも、最新の機能美に溢れたデザインとなっている。
センタートンネルとキャビン後部に搭載される800Vリチウムイオンバッテリーの電力量は24.8kWh(グロス)でEV走行可能距離は60kmという。ブガッティは、2021年7月にクロアチアのハイパーEVメーカーであるリマック・オートモビリ経営統合しており、このバッテリー技術などはリマックの知見も生かされているだろう。
乾燥重量1995kgで関係者によれば車検証重量では2.3tほどと予想されるといい、0-100km/h加速2.0秒、0-200km/h加速5.0秒未満、最高速445km/h(380km/hで電子制御)を謳う。
生産台数は250台
インテリアは、車名の由来にもなっている機械式時計における3大複雑機構のひとつ“トゥールビヨン”を想起させるデザインとなっている。ステアリングホイールとメータークラスターは、スイスの時計職人が設計から手掛け、チタンやサファイア、ルビーなど600以上のパーツで組み上げられた、まさにタイムレスでこれ以上無いオーセンティックな仕上がりと謳っている。センターコンソールには、アルミとボヘミアンガラスを組み合わせた縦長のコントロールパネルが特徴的だ。
生産台数は250台が予定されており、日本にも十数台が導入される見込みだという。デリバリー開始は2026年が予定され、価格は税別380万ユーロ(約6億3000万円)となっている。