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BMW 5 SERIES TOURING
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AUDI A6 AVANT
スタイリッシュなリヤビューのA6




「BMW 5シリーズ・ツーリング」のライバルといえば、「メルセデス・ベンツ Eクラス・ステーションワゴン」を思い浮かべる。それは間違っていないのだが、「アウディ A6アバント」もガチンコのライバルであることを忘れてはならない。
ボディサイズを比較すると5シリーズのほうがひとまわり大きい。特に全高は50mmも高いのだ。これは5シリーズがプラットフォームをEVモデルと共用するため。床下にバッテリーを収めるスペースが確保されており、そのぶん車高が高くなっているのだ。そしてこの全高とスタイリッシュなプロポーションのバランスをとるため、全長も長くなっている。A6との差は実に120mmだ。
そして両車にはデザインテイストにも違いが見られる。一番大きな違いはリヤガラスの傾斜であろう。5シリーズはツーリングワゴンとして一般的な角度だが、A6はリヤガラスの面積が広いことからもわかるように傾斜が強い。ゆえに、A6のリヤビューのほうがエレガントかつダイナミックな印象を受ける。このあたりは好みが分かれるポイントだろう。
BMW 523d xDrive ツーリング エクスクルーシブ
ボディサイズ=全長5060mm×全幅1900mm×全高1515mm
ホイールベース=2995mm
車両重量=1940kg
タイヤサイズ=225/55R18
アウディ A6アバント 40 TDI quattro アドバンスト
ボディサイズ=全長4940mm×全幅1885mm×全高1465mm
ホイールベース=2925mm
車両重量=1860kg
タイヤサイズ=225/55R18
5シリーズの“らしくなさ”は確信犯?




5シリーズ・ツーリングはメルセデス・ベンツ Eクラスとの差別化を図るため、ベースモデルを「ディーゼル+AWD」にしたのかもしれない。だが、これはA6アバントを意識したものとも考えることができる。
5シリーズとA6は、同排気量のディーゼルエンジンにAWDというパワートレインを採用している。アウディは「クワトロ」と称するAWDシステムに自信を持つメーカーで、あらゆるモデルに積極的に採用している。いっぽう、BMWは後輪駆動(RWD)を基本とするイメージが浸透しており、AWDというのは少し特殊な存在に映る。
BMWは新型5シリーズ・ツーリングを作り上げる中で、その商品性をどうするか、かなり悩んだのではないだろうか。SUVの人気が高まっていることもあり、AWDとすることで、クロスオーバー的な性質を持つステーションワゴンにしたのではないか。キャラクターを明確化するため、いい意味でBMWらしくないモデルに仕立てたと考えることもできそうだ。
BMW 523d xDrive ツーリング エクスクルーシブ
エンジン形式=直列4気筒ターボディーゼル
排気量=1995cc
最高出力=197PS/4000rpm
最大トルク=400Nm/1500〜2750rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD
アウディ A6アバント 40 TDI quattro アドバンスト
エンジン形式=直列4気筒ターボディーゼル
排気量=1968cc
最高出力=204PS/3800〜4200rpm
最大トルク=400Nm/1750〜3250rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=AWD
A6アバントを意識したプライス?


プライスについては、5シリーズのほうがA6よりも約40万円高い設定となっている。ただ、昨今のコスト高を考えると、900万円を切る価格に設定するにはかなりの努力が必要だったのではないだろうか。
フォルクスワーゲングループが母体のアウディよりもBMWのほうがプレミアム感が高いと認識する人も多い中、BMWがアウディの約40万円高で購入可能ならそちらに惹かれる人がいても不思議ではない。