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MERCEDES-BENZ V-CLASS
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LEXUS LM
仕様によってはレクサス LMよりも広くなるVクラス




新型「メルセデス・ベンツ Vクラス」と「レクサス LM」を比較する。旧来のシャシーをそのまま引き継ぐVクラスは、同じくボディサイズに3段階のバリエーションが設けられている。ベースモデルは全長4895mmで、リヤオーバーハングが延長され全長が5140mmまで伸びた「ロング」がLMのボディサイズとほぼ合致する。「エクストラロング」はさらに5370mmまで延長される仕様だ。
ボディサイズからも分かるとおり、両車とも文句のつけようがないほど広い室内空間が備わる。受注生産となるVクラスの上級仕様「エクスクルーシブロング プラチナムスイート」は、2列目にオットマン付きの豪華な独立式キャプテンシートが備わるため、同等の装備が備わるLMとは快適性の観点でも甲乙つけがたい。
メルセデス・ベンツ V220d エクスクルーシブ ロング プラチナムスイート
ボディサイズ=全長5140mm×全幅1930mm×全高1880mm
ホイールベース=3200mm
車両重量=2530kg
タイヤサイズ=245/45R19
レクサス LM500h versionL
ボディサイズ=全長5125mm×全幅1890mm×全高1955mm
ホイールベース=3000mm
車両重量=2440kg
タイヤサイズ=225/55R19
パワートレインの上質感ではレクサス LMが勝る


パワートレインは対称的であり、LMは2.4リッターガソリンターボエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせるのに対して、Vクラスは2.0リッターのディーゼルターボエンジンを搭載する。Vクラスのほうが排気量は小さいが、ごく低回転から大きなトルクが得られるディーゼルエンジンと9速ATを駆使することで、重いボディにもかかわらず必要十分な動力性能を発揮する。
また両車は駆動方式も大きく異なる。LMはFFをベースとするモーター駆動の4WDであり、メルセデス・ベンツVクラスはRWDのみしかない。
Vクラスはディーゼルエンジン特有の騒音が気にならないレベルにまで抑え込まれているものの、構造やスペックから見える上質感ではLMに軍配が上がる。パワートレインの差は、乗用車ベースのLMと商用車ベースのVクラスという違いがもっとも色濃く現れている部分と言えるかもしれない。
メルセデス・ベンツ V220d エクスクルーシブ ロング プラチナムスイート
エンジン形式=直列4気筒ターボディーゼル
排気量=1949cc
最高出力=163PS/3800〜4400rpm
最大トルク=380Nm/1600〜2400rpm
トランスミッション=9速AT
駆動方式=RWD
レクサス LM500h versionL
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボ+モーター
排気量=2393cc
最高出力=275PS/6000rpm
最大トルク=460Nm/2000〜3000rpm
トランスミッション=6速AT
駆動方式=AWD
価格上昇を抑えつつ高級車らしく進化した新型Vクラス


Vクラスの車両価格は、ベースグレードの945万円から最上級仕様「エクストラロング ブラックスイート」の1377万円まで仕様によって開きがあるが、いずれのグレードもLMより安価でありながらメルセデス・ベンツらしい高い上質感が備わっている。
新型Vクラスは内外装を一新して、旧来の商用車らしさが払拭された。とくにインパネ周りは先進的に変わり、対話型ボイスコントロールシステムを備えるMBUXも搭載される。
またベースグレードを除くすべてのグレードにエアサスが標準装備となり、乗り心地が大きく改善された点も大きな進化と言えるだろう。