目次
356シリーズから911シリーズへ。ポルシェの大転換期
21世紀にもトップランナーであり続ける911シリーズがデビュー
スポーツカーメーカーとしての地位を、356シリーズや数々のレースで勝利を重ねて不動のものとしていたポルシェ。次なる一手はさらに高性能かつGT性能をも兼ね備えた新型車両の開発だった。そしてついに、2+2レイアウトと水平対向6気筒エンジンをリヤハングに搭載し後輪を駆動するという、現代にまで基本コンセプトを継承する稀代の名車・911シリーズが生み出される。
廉価版と言えど一級品のハンドリングをもつ912
ポルシェが満を持してリリースした新型モデル・911は、当時の水準をはるかに超える高性能を誇るスポーツカーだったが、それに見合うように車体価格も高額だった。多くのライバルたちと販売面で対抗すべく、ポルシェ911の廉価版ともいえる装備を与えた912を世に放つことになる。
北米で大ヒットを記録したオープントップの911 タルガ
現代の911シリーズにもラインナップされるタルガボディは初代911から登場し、オープンボディでありながら確かな安全性能を備えつつ独特のアピアランスで高い人気を誇る。その出自は北米マーケットからの要望であり、ロールオーバーバーを備えたオープンモデルの代名詞になった「タルガ」の名称は、ポルシェ 904 GTSが歴史的な勝利を獲得したレース「タルガ・フローリオ」から採られている。
ミッドシップ・ポルシェの祖先、不遇の名車914
911シリーズの廉価版だった912の跡を継ぐモデルとして、ポルシェとフォルクスワーゲンが共同開発したミッドシップ2シーターモデルが914だ。ポルシェ初のコイルスプリングを用いたリヤサスペンションや、911のパワートレインを前後逆に搭載するなどメカニズム的に見るべきものは多く、現代にも通用する革新性を備えていたものの、パートナーであるフォルクスワーゲンとの確執がその生涯に影響した不遇の名車と言える。