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Koenigsegg Regera
アゲーラRSの世界記録を1.8秒も縮めるタイム
2019年9月23日、スウェーデンのラダ軍用飛行場において、ケーニグセグ レゲーラが「0-400-0km/h」加速・停止記録に挑戦。31.49秒という世界記録を樹立した。これは2017年にケーニグセグ アゲーラRSが打ち立てた世界記録の33.29秒を1.8秒も縮めるタイムとなった。
今回ドライブを担当したのは、ケーニグセグのファクトリードライバーであるソニー・パーソン。彼は0km/hの静止状態から400km/hまで加速し、0km/hに停止するまでをわずか31.49秒でクリア。ケーニグセグの創設者でありCEOを務めるクリスチャン・フォン・ケーニグセグは、好条件が揃えばさらにタイムを縮めることが可能だったとしている。
「今回の記録達成は、レゲーラに搭載されているダイレクト・ドライブ・トランスミッションのポテンシャルを見せる良い機会になりました。レゲーラはトップスピードの403km/h (250 mph)に達するまで、変速せずにただアクセルを踏み込むのみ。まさに狂ったように加速してトップスピードに至ります。これは我々がレゲーラ開発に際して掲げた『最初に400km/hへと到達する者』という哲学にも合致しています」
「レゲーラは0km/hから400km/hに到るまで、どの速度域においても、優れた加速性能を発揮するでしょう。この点において市販モデルでレゲーラを超える存在はありません」
ドライバーのパーソンもケーニグセグの意見に頷く。
「この記録はダイレクト・ドライブ・トランスミッションのシームレスな加速があったからこそ達成できました。レゲーラはドライバーの夢を具現化した存在です。加速と制動性能、そして安全性は別次元と言えるのですから」
安全装備以外は、完全なプロダクション仕様
今回の記録挑戦に使用されたレゲーラは完全な生産仕様であり、豪華な装備やシートが残されている。唯一の変更点としては、ドライバーの安全のために組まれたロールケージと4点式ハーネスのみだった。
コンディションは無風の晴天。使用された軍事用飛行場の滑走路は全長2000m、70mフェンスでブロックされている。安全に走行するために十分な走行距離を確保するべく、300mの誘導路も活用された。
この滑走路は普段は使用されておらずほぼ休眠状態にあったため、路面はトラクションが掛かりにくい状態だった。さらに路面上に存在したいくつかのバンプを避けるため、完全な直線走行は不可能だったという。グリップレベルが低いうえにバンプを回避せねばならず、さらにアスファルト上に凹凸があり加速記録には必ずしも適したロケーションではなかった。
400km/hまで22.87秒で到達!
そんな厳しいトラックコンディションにもかかわらず、レゲーラは1613.2mで400km/hに到達。その時点でのタイムは22.87秒。そこからフル減速して8.62秒で停止。制動距離はわずか435.26mだった。0-400-0km/hに必要とされた距離は2048.46m。条件が整っていれば2000m以内での記録達成も可能だっただろう。
「今回の記録達成において、最も印象的なのはレゲーラのブレーキ性能です。400km/hから停止まで、8.62秒というのは前代未聞です。これはレゲーラの車体バランス、サスペンション、空力特性、そしてブレーキ性能が優れていることを示しています。それでも、私はより良いコンディションのトラックであれば、タイムを更新できると確信しています」と、ケーニグセグはさらなる好記録樹立に自信を見せている。