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Mercedes Maybach by Virgil Abloh
150台限定の特別なマイバッハ
メルセデス・ベンツは、2022年4月5日にヴァージル・アブローとの共同プロジェクトとして150台の限定モデル「メルセデス マイバッハ by Virgil Abloh」を発売した。ヴァージル・アブローは自身のブランド「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」の創業者であり、ルイ・ヴィトンのメンズアーティスティックディレクターも務めた人物。ストリートとハイファッションを融合する鬼才のアーティストとしてファッション界に新しい風を吹き込んできたが、2021年11月にがんのため急逝した。
ヴァージル・アブローはアーティスト、建築家、エンジニア、クリエイティブディレクター、アーティスティックディレクター、インダストリアルデザイナー、ファッションデザイナー、ミュージシャン、DJと、その才能を様々な方面で発揮。慈善家としても知られた。1980年に米国イリノイ州ロックフォードで生まれたヴァージルは、ウィスコンシン大学マディソン校で土木工学の学位を、イリノイ工科大学では建築学の修士を取得している。イリノイ工科大学在学中にミース・ファン・デル・ローエのデザインについて学ぶ一方で、自身の芸術を実践していくべく基礎を構築していった。
発想の原点は「プロジェクト マイバッハ」
「マイバッハ by Virgil Abloh」はメルセデス マイバッハ Sクラス S 680をベースにした、150台の限定モデル。同車の発売と同時に、ヴァージル・アブロー及びオフ-ホワイトとのコラボレーションによるカプセルコレクションもリリースしている。
メルセデス・ベンツのチーフデザインオフィサーを務めるゴードン・ワグナーとヴァージル・アブローは、2020年に「プロジェクト ゲレンデヴァーゲン」で協力関係を構築。“Gクラスの新しい形”をデザインし、そのスケールモデルをオークションにかけることで若手クリエイターの育成資金を獲得するというチャリティプロジェクトだった。その後、ヴァージル・アブローはコンセプトカー「プロジェクト マイバッハ」の製作に参画。“オフロード クーペ”という斬新な発想にもとづき、ひと目見たら忘れられない独創的なデザインを与えた大胆なEVコンセプトは、発表直前に逝去したアブロー氏に敬意を表して米フロリダ州マイアミのルーベル美術館で一般公開された。
今回発売された「マイバッハ by Virgil Abloh」は、まさにその「プロジェクト マイバッハ」からインスパイアされた1台だ。コンセプトカー同様、ボディ上部がグロッシーブラック、下段とホイールは砂を思わせるサンドベージュという配色になっている。
オーナーには2つの特別な“付属品”も贈呈
4座仕様のキャビンにも同じ2トーン配色が用いられており、ドアパネルやダッシュボード、さらにはフロアマットに至るまで、あらゆる箇所にブラック×サンドベージュのコントラストが美しく反復されている。また、センターコンソールに配されたピアノブラックのカバーやリヤクッション、ヘッドレスト、ドアシルパネルには「Mercedes-Maybach」と「Virgil Abloh」のロゴが刻印された。
すべての購入者には、2つの特別な“付属品”がプレゼントされる。ひとつが、「マイバッハ by Virgil Abloh」の1/18スケールモデルと愛車のキー、そしてカラビナフックが収められている特製ボックス。そしてもうひとつが専用のボディカバーだという。
メルセデス・ベンツの新境地を開拓したデザイナー
「マイバッハ by Virgil Abloh」の発売と同時にリリースしたカプセルコレクションも、ブラック×サンドベージュの2トーンが基調。ヴィンテージウォッシュドコットンのTシャツをはじめ、フリースのクルーネックスウェットやフーディー、キャンバス地で仕立てたベースボールキャップとレーシンググローブなどを取り揃えている。
今回の発表に際し、ゴードン・ワグナーは次のようにコメントしている。
「ヴァージルと共に作ってきた作品を、心から誇りに思っています。我々のアイコンであるGクラスをテーマに、ファッションとクルマのコラボレーションにおけるベンチマークを築いた『プロジェクト ゲレンデヴァーゲン』から、我らがメルセデス マイバッハのヘリテージを明日へと繋げた『プロジェクト マイバッハ』まで、私たちはヴァージルとともに新境地を開拓してきたのです。革新的なデザインと最も優れたクラフトマンシップの共生が生み出した限定モデルの『マイバッハ by Virgil Abloh』は、いま路上へ走り出していきます」