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ポルシェとアウディが両社の充電施設を共有
「Premium Charging Alliance」は、ポルシェとアウディの電気自動車(BEV)モデルのオーナーに向けて、両ブランドのディーラーネットワーク、都市部に展開する150kW級出力、CHAdeMO規格の急速充電器ネットワークなどを統合し、日本国内における充電サービスを拡充展開する事業となる。
これにより、ポルシェジャパンが展開するポルシェ・ターボチャージャー41拠点50基と、アウディ ジャパンが展開する52 基、合計102基の急速充電器を両ブランドのオーナーが利用できることになった(2022年12月末での設置予定数)。
ポルシェ・ターボチャージャーを積極的に導入
ポルシェが展開する急速充電器「ポルシェ・ターボチャージャー」は、先駆的技術のリーダーであるABB社と共同で開発。パワフルな150kWの出力により、タイカンの車載バッテリーを24分で80%(走行距離300km分)まで充電することができる。日本国内のポルシェセンター34ヵ所(38基)、都市型充電インフラとして虎ノ門ヒルズをはじめ、東京、名古屋、大阪に 6ヵ所(11基)、ポルシェの体験型施設ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京で1基が現在稼働している。
ポルシェジャパンのミヒャエル・キルシュ社長は、アウディ ジャパンとのアライアンス締結について次のようにコメントしている。
「日本は公共の充電ネットワークの整備に積極的に取り組んでいますが、充電速度自体はまだ十分でないと考えています。スポーティなモビリティを提供するプレミアムプロバイダーという立場から、ポルシェが急速充電の分野で先駆者になることは当然のことです」
「プレミアム チャージング アライアンスによって、私たちは急速充電を提供する他の企業と協力し、お客様がクルマの充電に費やす時間を短縮するとともに、充電により便利な場所を見つけることによって、電気自動車の運転をさらに便利なものにすることを目指しています。
2024年までに150kW充電器に置き換えるアウディ
アウディ ジャパンも電気自動車への転換を進めており、2024年までに15モデル以上の電気自動車を日本市場で発表予定。2018年に最初の電動化モデルである「e-tron スポーツバック」が発表されて以来、SUVのボディタイプを持つ「e-tron」、電動グランツーリスモの「RS e-tron GT/e-tron GT」、2022 年にはプレミアムコンパクトSUV「Q4 e-tron/Q4 スポーツバック e-tron」、「e-tron S/e-tron S スポーツバック」の4モデルを発表し、合計で8モデルのBEVを展開している。
アウディ ジャパンは電動化モデルのラインナップ拡充を図りつつ、充電設備の開発も進めている。既に全国のe-tron店に設置された90kW級以下の急速充電器は、2024年までに全て150kW級出力の急速充電器に置き換えられる予定。また、新たにe-tron店に転換するディーラーにも設置を行い、150kW級出力の急速充電器を設置するディーラーの数は今後120店舗となることを目指している。
電動化を率先して進めるプレミアムブランド
アウディ ジャパンのブランドディレクターを務めるマティアス・シェーパースは、ポルシェジャパンとの協力関係について次のように説明した。
「アウディの掲げる『Future is an attitude』のブランドビジョンを通して、私たちは世界中、そして日本でeモビリティへの変革を加速させています。アウディ ジャパンは、電気自動車への転換において 150kW以上の急速充電器ネットワークを戦略的に拡大することが必要不可欠であり、お客さまの利便性の向上は電気自動車販売促進においても非常に重要な役割を持つと考えています」
「また、自宅に充電器を設置することができない都市部に居住する方などに対し、充電環境を整えること電気自動車の購入を検討して頂けるきっかけにしたいと考えています。今後、アウディの電動化戦略を加速させるモデルとなるQ4 e-tronの日本発売に向けて積極的に準備を進めていきます」
「この迅速なポルシェジャパンとの提携は、日本でのBEVの可能性について共通の意見を持てたことで実現できました」
24時間365日急速充電できる施設はまさにBEVの利便性を高めることになり、両社のようなプレミアムブランドとしても電動化時代に必要なサービスといえるだろう。
【関連リンク】
・ポルシェジャパン充電ネットワーク
https://www.porsche.co.jp/sp/charging/
・アウディ ジャパン充電ネットワーク
https://www.audi.jp/e-tron/charging_information/