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スマートウォッチ界に新生現る?
スマートウォッチと言えば、誰もが最初に思いつくのはApple Watchだろう。すでに第5世代にまで進化しているApple Watchは、グローバルの標準とも言える製品だ。しかしApple Watchにも弱点はある。それはファッションとしてのバリエーションの少なさと、iPhone以外との組み合わせでは利用できないこと。
では・・・とApple以外の世界に目を向けたとき、実は大きな存在になっているのが米フォッシルだ。って今回紹介する製品はエンポリオ・アルマーニだよね? その通り。フォッシルは多数のファッションブランドと提携し、様々なファッションウォッチを世に送り出しているのだ。スカーゲン、ディーゼル、ケイトスペード、マイケルコース。そしてエンポリオ・アルマーニも、そうしたブランドのひとつというわけ。
少し興ざめ? いやいや、そんなことはない。
ファッションの世界で個性は重要だが、デジタルガジェットでは出荷の母数が多いことも極めて重要だからだ。多数のブランドを束ね、ひとつのプラットフォームで多様なファッションブランド向けにスマートウォッチを供給しているからこそ、デジタル製品としてこなれたものになるというのもまた事実なのだ。
第5世代でグンと高まった実用性
僕が本製品を選んだのはGoogleのwear OSを採用するスマートウォッチとしては、最多の市場基盤の上に成り立っているからだ。そんなフォッシルのスマートウォッチでさえ、これまではパフォーマンスや消費電力の面でニーズに追いついていない印象だったが、第5世代となった昨年末以降、グンと実用性が高まった。
エンポリオ・アルマーニ「スマートウォッチ3」は、その第5世代プラットフォームの上に作られたスマートファッションウォッチである。これまでエンポリオ・アルマーニは、他ブランドよりも薄くスタイリッシュな、そしてスーツに合うドレッシーなケースとウォッチフェイスを採用していたが、今年はガラリと趣向を変えた。
スタイリッシュに仕上げたのは同じだが、スポーティかつカジュアルなトーンでまとめ、ウォッチフェイスもアナログ指針を真似ずにまとめ上げている。44.5mmとやや大きめのケースだが、タッチスクリーンや通話用スピーカーを持つスマートウォッチとしては最軽量の46gだ。
個性を出せるスマートウォッチ
薄く軽量なスマートウォッチ3は、これまでバッテリー持続時間の短さが弱点だった。しかし第5世代はハードウェアが進化して電力消費が抑えられただけではなく、機能のオンオフを自由に設定できる新モードを備えることで、まる1日充電なしで使えるスタミナとスタイリッシュさの両立を果たした。もちろん、そのまま泳いでもOKという防水性能はそのまま。スポーティなラバーストラップがメインだが、メタルブレスにブラックボディを選べばフォーマルなシーンにもよく似合う。
スマートウォッチと言えば、スマートフォンに集まる情報を機能的に集約する便利ツール。でも、自分の趣味やファッションに合わせて個性を出せるほどバリエーションがない。そんな時代が続いていたが、やっと好みで“選べる”時代がやってきた。
REPORT/本田雅一(Masakazu HONDA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2020年 4月号
評価
フォッシル5GENムーブメントを内蔵するスマートウォッチの中でもっとも薄く軽量だがやや高価。多く使われているプラットフォームで作られただけにアップデートの継続性にも期待できる
コストパフォーマンス:3
革新性:4
使い勝手:4
デザイン:4
装着感:5
PRICE
5万3000円(税別)
【問い合わせ】
フォッシルジャパン(エンポリオ アルマーニ)
TEL 03-4578-3359
https://www.armani.com/jp/armanicom