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根強い電動歯ブラシ不信
僕自身の嗜好性なのだろう。電気で動くものは何でも取り入れようと考えるが、初めて某電動歯ブラシを使った時の感想は「何じゃこりゃっ!」だった。なにしろ、ブラシの回転でけたたましい音がする一方、ブラシを歯に当てにくく、とても汚れを均質に落とせそうになかったからだ。実際、全然口腔内も気持ち良くない。
それでも技術は進化すると、次に買ってみたのは、まさに今回紹介するパナソニック・ドルツ。マイナスイオンを放出することで歯垢が落ちやすくするとの触れ込みで、こちらは体感的にも「なんだかスッキリするぞ」と好印象。しかし行き付けの歯科での定期検査では、ボロカスの言われた。ふむ。確かに手で磨く場合に対してプラスに作用は感じられない。むしろ、細かくブラシが動くことでエナメル質を削ってしまうので、振動タイマーで定期的な警告がされることの方が怖いぐらい。
真骨頂はW音波振動モード
さすがに2度も失敗したら・・・だが、それでも挑戦するのがワタクシです。ということで買ってみたのが、この製品というわけ。毎年アップデートされてる製品だけど、現行上位モデルが持つ「W音波振動」が盛り込まれたのが2018年3月。これにより「日本歯科医師会推奨」を大々的に謳いはじめたのだ。音波振動ヨコ磨きと併せ、これでスッキリきれいに、手で磨くより確実に歯垢を落とせるという触れ込みだ。
実際に購入に踏み切ったのは翌年のことだが、使ってみると、それまでの電動歯ブラシ不信が吹き飛ぶほどよくデキた製品だった。音波振動ヨコ磨きとは、電動歯ブラシを装着する軸に対して繰り返し回転させる、いわば首振り方向の動きではなく、突き出たり引っ込んだりを繰り返すことで、高速に「横方向にブラシを動かしたのと同じ」磨き方をすること。これにコンパクトな毛先が細いブラシと組み合わせることで、歯周ポケットなどをキレイにできるというわけだ。丁寧に手で磨いたときと同じように・・・っと、それじゃ電動の意味は? となるわけだが、むしろ本番はW音波振動モードだ。
厳しい歯科医から満点評価
W音波振動モード時は、ヨコ磨きの動作に“叩き”磨き動作が加わる。他にも多数のブラシを付け替え、それに伴って機能も豊富なのだが、何より一番重要なのがW音波振動。これによって、単にブラシで磨くだけではなく、歯と歯の間にブラシの毛先が深く入り込み、掻き出してくれるという。とはえ、簡単には信用できない。だが、実際に体験してみると歯の間に詰まった食物がキレイに飛んでいくことを、口の中の感覚だけで実感できるほどの素晴らしさだった。定期的に行ってる歯医者での「歯磨き点検」では、顔見知りの歯科助手も「キレイに磨けてますね!」と満点の評価。以前のモデルから搭載されている「ステイン除去」専用アダプタとペースト、歯と歯茎の間に特化した専用ブラシと横振動モードも魅力。本機のステイン除去を使い始めてからは、ホワイトニング処理がなくとも白さを出せるから、ホワイトニング用ケミカル用品も必要がなくなった。
こんなにシンプルな製品で、ここまで違いが出せるんだなと、感動できる1本だ。
REPORT/本田雅一(Masakazu HONDA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2020年 5月号
評価
「W音波振動モード」による感動の磨き心地がポイントだが、長年、積み重ねてきたノウハウでホワイトニングや歯茎マッサージなど機能の幅が広いことも特徴。
コストパフォーマンス:3
革新性:5
使い勝手:4
デザイン:4
機能性:5
PRICE
3万4980円(税込)
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パナソニックお客様相談センター(理美容・健康商品 ご相談窓口)
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