ポルシェ・スーパーカップ30周年を記念したスペシャル「911 GT3カップ」

公道走行可能な911 GT3 カップカー!? 「ポルシェ・スーパーカップ」30周年記念でスペシャルカラーの珠玉の一台が誕生

大胆でシックなスペシャルカラーリングが施された、911 GT3 - 30イヤーズ・オブ・ポルシェ・スーパーカップ。
大胆でシックなスペシャルカラーリングが施された、911 GT3 – 30イヤーズ・オブ・ポルシェ・スーパーカップ。
ポルシェ・モータースポーツは、ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクトゥール(Porsche Exclusive Manufaktur)に、特別な911 GT3 カップの製作をオーダー。ポルシェ・スーパーカップ30周年記念カラーリングが施された、特別な1台が完成した。

Porsche  911 GT3 Cup – 30 Years of Porsche Supercup

ポルシェ・モータースポーツの特別なオファー

ポルシェ・モータースポーツは、ポルシェ・スーパーカップ30周年を祝う特別な1台の製作をポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクトゥールにオファー。「記念すべき1年にふさわしいアンバサダーとなる」と、オリバー・シュワブ(右)。
ポルシェ・モータースポーツは、ポルシェ・スーパーカップ30周年を祝う特別な1台の製作をポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクトゥールにオファー。「記念すべき1年にふさわしいアンバサダーとなる」と、オリバー・シュワブ(右)。

ポルシェ・スーパーカップ(Porsche Supercup)は、30年にわたり、世界で最も有名かつ過酷なワンメイクレーシングシリーズとして君臨してきた。F1決勝を前にモナコやシルバーストーンといったグランプリサーキットでレースを行うことは、多くのドライバーにとって大きな栄誉となっている。

この世界屈指のワンメイクシリーズを管轄するポルシェ・モータースポーツは、ポルシェ・スーパーカップ30年というアニバーサリーを祝うべく、特別なカラーリングの1台を製作することを決めた。ポルシェ Mobil 1 スーパーカップのプロジェクトマネージャーを務めるオリバー・シュワブは、記念車両の製作について次のように説明する。

「タイトなスケジュール、高い技術レベル、そして最終的に完成まで導いてくれた素晴らしいチームスピリット・・・。これはモータースポーツの世界で見られる光景です。今回、ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクトゥールと一緒に仕事できたことは、素晴らしい経験になりました。完成した『911 GT3 – 30イヤーズ・オブ・ポルシェ・スーパーカップ』は、私たちの記念すべき1年にふさわしいアンバサダーとなるでしょう」

「ポルシェ スーパーカップはレースにおいてひとつの歴史を作り、現在もその歴史を刻み続けています。私たちは『ハッピーバースデー!』と祝いつつ、今シーズンも世界で屈指の名サーキットを舞台にレースが開催されるのを楽しみにしています」

レース参戦車両を公道走行可能にコンバート

ポルシェ 911 GT3 - 30イヤーズ・オブ・ポルシェ・スーパーカップのエクステリア。
今回、「911 GT3 – 30イヤーズ・オブ・ポルシェ・スーパーカップ」のベースとなったのは、実際のレース参戦車両を公道走行可能にコンバートした1台だった。

今回、911 GT3 – 30イヤーズ・オブ・ポルシェ・スーパーカップを製作したのは、2021年にポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクトゥールが新たに立ち上げた「ソンダーバーシュ(Sonderwunsch:スペシャルリクエスト)」。ソンダーバーシュは、ロードカーを修復し、エクステリアとインテリアのカラーコンセプトを新車の水準へと引き上げるカスタマイズプログラムだ。

レーシングカーとして使用された911 GT3をベースに、アニバーサリーロゴを配した8色を使った複雑なペイントワークをチョイス。フロントのエアアウトレットとリヤフェンダーには、クールなマルチカラー・ピクセルメッシュが入れられた。また、リヤバンパーには、ポルシェ・スーパーカップの歴代チャンピオン29名の名前がゴールドで刻まれている。

ポルシェのカスタマイズとヒストリックカー担当副社長を務めるアレクサンダー・ファビグは、特別な911 GT3 カップの製作について次のようにコメントした。

「ソンダーバーシュのプロジェクトは、お客様だけでなく、私たちにとっても特別な存在になります。 このプロジェクトは新たな挑戦になりましたし、私たちは新たな学びを得ることになりました。それは、この911 GT3 ポルシェ・スーパーカップ30周年仕様にも当てはまります」

ポルシェ・スーパーカップの会場でお披露目予定

ポルシェ 911 GT3 - 30イヤーズ・オブ・ポルシェ・スーパーカップのエクステリア。
完成した「911 GT3 – 30イヤーズ・オブ・ポルシェ・スーパーカップ」は、ポルシェ Mobil 1 スーパーカップのレース会場でお披露目を予定している。

911 GT3 – 30イヤーズ・オブ・ポルシェ・スーパーカップは、ポルシェ Mobil 1 スーパーカップのレース会場でお披露目され、その後はポルシェ・ミュージアムやミラノのシティライフ・ショールームにおいて、911 GT3 カップ VIP用レーシングカーと共に展示される予定となっている。

911 GT3 カップ VIP用レーシングカーとは、ポルシェ・スーパーカップにおいて非常に重宝されており、毎年、著名なセレブリティがゲストドライバーとしてステアリングを握っている。また、展示イベントではスーパーカップの歴代チャンピオンが帯同し、思い出などを語るトークショーを開催する予定だ。

今回、911 GT3 – 30イヤーズ・オブ・ポルシェ・スーパーカップのベースになったのは、ポルシェ・スーパーカップで使用されたレーシングカーの公道走行可能なバージョン。数週間の製作工程では、まずすべてが分解され、その後、特別なデザインを纏ってリ・アセンブリされた。

ラッピングやステッカーを使わず表現

複雑な8つのカラーを組みわせたカラーリングは、ラッピングやステッカーを一切使わずに表現された。
複雑な8つのカラーを組みわせたカラーリングは、ラッピングやステッカーを一切使わずに表現された。

911 GT3 – 30イヤーズ・オブ・ポルシェ・スーパーカップは、マルチカラーペイントが特徴となり、車両の細部に至るまでラッピングやステッカーは一切使用されていない。ボディにはGTシルバーメタリック、アゲートグレーメタリック、ハイグロスブラック、メテオグレイメタリック、パーラメントグレイメタリック、ボルカノグレイメタリック、グリジオグラナイトメタリック、ダイヤモンドブラックメタリックの8色を使用。さらに、ゴールドでスーパーカップ王者の名前がペイントで入れられた。

塗装工程で最も苦労したのが、911のダイナミックボディ形状に、多色のピクセルメッシュを精密に入れることだった。VIPレーシングカーからインスパイアされたこのリバリーは、フロントボンネットのエアアウトレット後方、フロントホイール後方、リヤフェンダーに配置。ドアとフロントボンネットには、ゴールドの「30」を特徴とする、スーパーカップ30周年記念ロゴが輝いている。

ボディパネルは再ペイント後にクリアラッカーでカバーされ、ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクトゥールにおいてハンドメイドで再び組み上げられた。

専用デザインのシートをチョイス

ポルシェ 911 GT3 - 30イヤーズ・オブ・ポルシェ・スーパーカップのインテリア。
カーボンファイバー製スポーツシートのヘッドレストにはエンボス加工で30周年記念ロゴが入り、センターパネルにはブラック/オーラムのキューボイド(格子)パターンが組み合わせられた。

インテリアは、専用で製作されたシートが最大の特徴となる。ヘッドレストにはアニバーサリーロゴがエンボス加工で入れられ、センターパネルはキューボイド(格子)パターンのスポーツテックスカラー(ブラック/オーラム)、パイピングはモハベベージュがコーディネートされた。

ドアのアームレストにも、ブラック/オーラムのキューボイドパターンを採用。ダッシュボードトリムにはアニバーサリーロゴが入り、ダッシュボード上部、ドアパネル、サイドパネルにはモハベベージュの専用クロスステッチが入れられている。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…