F1マシンをも凌駕する「ロダン FZERO」は規制に縛られない?

サーキット仕様のハイパーカー「ロダン FZERO」の最高出力は驚愕の1176ps! 軽自動車並みの約700kgにV10+モーターで来夏登場【動画】

規制や限界を取り払い、現行F1マシンを超える性能を手にした「ロダン FZERO」。
規制や限界を取り払い、現行F1マシンを超える性能を手にした「ロダン FZERO」。
ニュージーランドを拠点とするハイパフォーマンス自動車メーカー「ロダン・カーズ(Rodin Cars)」は、同社が開発したトラック専用ハイパーカー「ロダン FZERO」の生産開始を発表した。

Rodin FZERO

従来のトラックカーの常識を打ち破る存在に

規制や限界を取り払い、現行F1マシンを超える性能を手にした「ロディン FZERO」。
市販車両をベースとするトラックカーではなく、フォーミュラカーを元に開発された「ロダン FZERO」。ロダン・カーズの創業者、デイビッド・ディッカーは「強烈なドライブ体験を提供できる」と自信をのぞかせる。

プログラムの公表から3年──ロダン・カーズは英国・ドニントンパークのショールームにおける完成車用パーツの公開イベントを開催し、生産時期と台数、そのスペックなど、FZEROローンチに関する詳細を公開した。

FZEROはロダン・カーズが開発した先代モデル「FZED」を超える存在として開発。FZEDは、現代のF1マシンのようなドライバーエクスペリエンスの提供を開発目標に掲げていたが、FZEROはさらにその先を目指した。これまでのトラックカーの常識を打ち破り、究極のサーキット走行を楽しめる1台になる。

ロダン・カーズの創業者、デイビッド・ディッカーはFZEROについて次のように説明する。

「ロダン FZEROは、究極の車両性能を追求しました。ルールに縛られることなく、より軽く、よりパワフルに、より大きなダウンフォースを目指すことができたのです。唯一の制約は物理的法則ですが、それすらも抗うべく極限までマシンを鍛え上げました。世界中のサーキットで、考えうる限り最も強烈なドライビングエクスペリエンスを提供できるでしょう」

4.0リッターV10に電動モーターの組み合わせ

「ロディン FZERO」に搭載される4.0リッターV型10気筒ツインターボ。このエンジンはさらなるパフォーマンスアップを目指し、排気量の拡大も計画されている。
英国のニール・ブラウン・エンジニアリングと共同開発した4.0リッターV10ツインターボに電動モーターを組み合わせたことで、最高システム出力は1176psという凄まじいパワーを実現した。

FZEROは、各国の道路交通法規やレースシリーズのレギュレーションに縛られることなく、性能に制限をかけることなく開発が行われ、通常では実現不可能と思われるパフォーマンスが実現した。全長5500mm、全幅2200mm、全高1130mm、ホイールベース3000mmという、堂々たるディメンションながらも、乾燥重量はわずか698kgである。

パワーユニットはニール・ブラウン・エンジニアリングと共同でゼロから開発。革新的な4.0リッターV型10気筒ツインターボエンジンに電動モーターが組み合わせられた「RCTEN」を搭載する。V10エンジン単体で132kgという超軽量を実現し、最高システム出力1176ps、同最大トルク1026Nmを発揮。リカルドと共同で製造した特注の8速ギヤボックスを介して、リヤを駆動する。

シャシーとボディカウルはエアロダイナミクスを徹底的に追求し、ノーズからテールまでカーボンファイバー複合材で構成。すべてのコンポーネントがロダン・カーズで製造される。

2023年夏から本格的なデリバリーをスタート

ニュージーランドの南島に設けられたロディン・カーズの製造施設。
現在、最終的な開発が続けられている「ロダン FZERO」。間もなく1号車の製造が開始され、2023年夏からデリバリーが開始される。

FZEROは、カスタマーのドライビングスタイルや使用するサーキットに合わせて、希望するコンフィギュレーション(仕様)で走らせることができる。さらに、ロダン・カーズのカスタマーには、カスタムレースウェア・サービス、車両の保管・配送、ロダンの美しいプライベートトラックでの充実したドライバートレーニングも提供されるという。

ロダン・カーズの製造施設は、ニュージーランド南島の人里離れた550ヘクタールの土地に建設。険しい山脈の陰にあるこの素晴らしい敷地内には、開発拠点と製造工場に加えて、3つのテストコースが設けらた。ロダン FZEROは27台が限定生産され、2023年夏に生産1号車がカスタマーへとデリバリーされる予定となっている。

ロダン FZEROを動画でチェック!

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…