空冷のタイプ964をベースにしたレストモッド

現代技術で空冷ポルシェを製作するシンガー、500psのタイプ964「DLS」デリバリー1号車を公開

シンガー、英国拠点で製造された「DLS」デリバリー1号車をモントレー・カーウィークで公開
シンガー DLSのリヤスタイル
アメリカのカリフォルニア州を拠点に、クラシカルな空冷ポルシェの911ボディに最新のメカニズムを組み合わせた独自のモデルを製作する「シンガー・グループ(Singer Group)」。2021年8月13日から開催されるモントレー・カーウィーク期間中、復刻版空冷ポルシェ911「ダイナミクス・アンド・ライトウェイティング・スタディ(DLS)」のデリバリー1号車を公開する。

Dynamics and Lightweighting Study “DLS”

シンガーの英国拠点にて完成した最初の1台

シンガー、英国拠点で製造された「DLS」デリバリー1号車をモントレー・カーウィークで公開
今回、公開されたデリバリー1号車は、ビスター・ヘリテイジ(Bicester Heritage)に設立された、シンガーの英国本社ファクトリーで製造された。

「DLS」は、著名なポルシェ・コレクターのスコット・ブラットナーの依頼で、2017年に英国のウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリングとの協力で開発。1990年式ポルシェ911(タイプ964)をベースに、リヤに搭載される4.0リッター水平対向6気筒ユニットは最高出力500psにまでパワーアップされた。

ウィリアムズがF1で培ったテクノロジーを積極的に取り入れ、世界最高の性能を誇る「最新型空冷」ポルシェ911が完成したことになり、限定75台はすべてソールドアウト。全車がシンガーの英国ベース(ビスター・ヘリテイジ)において製造される予定。すべてのDLSがタイプ964をベースにオーダーメイドでレストアされる。

今回、モントレー・カーウィークで公開される1台は、カスタマーにデリバリーされるDLSの1号車となる。

ロブ・ディキンソン会長の愛車もレストア

シンガー、英国拠点で製造された「DLS」デリバリー1号車をモントレー・カーウィークで公開
モントレー・カーウィークでは、DLSと共にロブ・ディキンソン会長の愛車をレストアした「ハリウッド コミッション」も公開される。

また、モントレー・カーウィークでは、シンガーのカリフォルニア拠点でレストアされた、「ハリウッド コミッション(Hollywood commission)」も公開される。

ハリウッド コミッションは、シンガーの創業者であるロブ・ディキンソン会長が2003年にレストアした1969年式911Eをベースに開発。ディキンソンは、愛車のレストアについて次のようにコメントしている。

「私が使っていた1969年式911Eのレストアは、極めて個人的なプロジェクトになりました。ハリウッドヒルズで毎日のようにこのクルマを運転していると、『売ってくれないか』と何度も呼び止められたものです。もちろん私の答えはいつも『ノー』でしたが(笑)。この経験は、究極の空冷911を多くのオーナーが手に入れられるよう、シンガーを設立するきっかけになったのです」

シンガーは世界中で高まっている空冷ポルシェ人気に後押しされるように業績を伸ばしており、日本でも福岡県福岡市を拠点とする「永三MOTORS」をグローバルパートナーネットワークに迎え入れると2021年3月に発表している。自動車界が電動化に舵を切っている現状とは裏腹に、このように旧車をベースとした「レストモッド」は今後益々注目されていくだろう。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…