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Porsche 917K
エリザベス女王陛下の95歳生誕企画も
2021年のコンクールズ・オブ・エレガンスには、1970年代にル・マン24時間で活躍したガルフ・カラーのポルシェ 917Kや、マルティニ・カラーを纏いタルガ・フローリオで優勝したポルシェ 911 カレラRSRなど、1000台の貴重な車両の参加が決まった。
モータースポーツにおける最もポピュラーなリバリーのひとつ、ガルフ・カラーは、1966年にフォード GT40を購入したガルフ・オイルのグレイディ・デイビス副社長が、優れたエンジニアでありチームマネージャーも務めたジョン・ワイヤーと永続的な友情を結んだことから生まれた。今回は、1970年のル・マン24時間に参戦したポルシェ 917 K、1971年のポルシェ 908/3、さらに1975年製のガルフ ミラージュ GR8の参加が決まっている。
さらに2021年は、英国のエリザベス女王陛下の95歳の誕生日を祝うため、95台の英国で作られた名車が集結する記念展示も行われる。
タルガ・フローリオで優勝した911 カレラ RSR
マルティニ・カラーは、トリノのベルモット「MARTINI」を製造する蒸留所、MARTINI&ROSSI社がスポンサードするチームが採用していたカラーリングだ。このカラーリングは、白、赤、シルバーをベースとしたマシンに、ダークブルー、ライトブルー、レッドの鮮やかなストライプが特徴となる。
今回、コンクールズ・オブ・エレガンスには、1973年のタルガ・フローリオで優勝したマルティニ・レーシングのポルシェ911 カレラ RSR が登場。ヴァイザッハのポルシェ・レーシングにおけるコードネームは「R6」で、グループ4仕様でデビューし、その後グループ5にアップデートされた。様々なレースやイベントを走行したあと、1973年のタルガ・フローリオ優勝時のオリジナル仕様にレストアされている。
マルティニ・カラーのレーシングカーとしては、1974年製911 カレラ RSR ターボ、そして1977年のル・マン24時間で優勝したポルシェ936も参加。936は世界スポーツカー選手権参戦を目指し、グループ6規定で製作。前身の917、908の勝利を引き継ぐというハードルの高さから、歴代レーシングカーたちの様々な要素を採り入れたマシンとなった。
1977年のル・マン24時間レースでは、ジャッキー・イクスの卓越したドライビングにより、2位のルノーに11周の差をつけて936が見事優勝を果たしている。現在、1977年のル・マン仕様とマルティニ・カラーにレストア中で、2021年のコンクールズ・オブ・エレガンスにおいてレストア後の姿が初披露される。
ガルフやマルティニにペイントされたトランスポーター
変わり種としては、メルセデス・ベンツ・トランスポーターも注目だ。このトランスポーターは、最初はガルフ・カラーで、その後はマルティニ・カラーにペイントされ、レースを転戦してきたヒストリーを持つ。
1971年、ガルフJWオートモーティブチームのトランスポーターとして使用され、その年のル・マンではガルフ・カラーのポルシェ917をサーキットへと運んでいる。その後このトランスポーターは、マルティニ、エセックス、ロスマンズなどのスポンサーカラーにペイントされ、ポルシェ962の時代まで使用された。
引退後、ガルフ・カラーにレストアされたが、その際には古い塗装の下に様々なカラースキームが再発見された。今回はマルティニ・カラーを纏った状態で展示される予定だ。