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材料を放り込んでボタンを押すだけ
シャープのヘルシオ ホットクックは、僕がこの5年の間に購入した家電の中で、圧倒的に満足度が高かった製品だ。あまりに素晴らしくて、もう1台を買い足そうかと考えているほどである。
今回紹介しているKN-HW10Gは、調理容量1リットルの“おひとり様サイズ”。他にもファミリー向けの2.4リットル、2人世帯向けの1.6リットルのバリエーションがあるが、基本的な機能はいずれも同じだ。ものすごく単純化して表現するならば、ヘルシオ ホットクックは“電気自動無水鍋”を基本に、いくつかの付随する機能を付与した万能鍋。材料を放り込んでおき、ボタンを押すだけでなんでも美味しくなるという、ちょっと聞いただけでは疑わしいほど素晴らしい鍋だ。しかし怪しむ必要はまったくない。その仕組みは実に合理的で「美味しくならない筈がない!」と誰もが納得するアイデア商品だからだ。
筆者のおすすめはボルシチ
水を加えず野菜の水分だけで調理する無水鍋で作る料理は、例えばカレー、シチューなど、どんなものでも美味しいと定評がある。しかし実際に美味しく作るためには火加減を細かく調整し、焦げ付かないよう定期的に混ぜる必要がある。この製品の素晴らしいところは、その両方が自動であること。鍋底や内蓋にある温度センサーだけではなく、水蒸気の発生量や圧力をセンサーで検知しながら、“まぜ技ユニット”が自動攪拌してくれるから、すべてはレシピ通りのおまかせにできてしまう。
しかも圧力鍋ではないため、圧力調整弁などのメンテナンスも不要。洗い方も簡単なうえ、必要な材料を放り込んでおいて仕上がり時間を予約しておけば、食事の少し前にきっちり出来上がってくれる。
無水カレーの美味しさで知られるこの製品だが、僕のおすすめはボルシチ。本来の作り方とはちょっと違い、ビーツの缶詰とコンソメ、野菜に牛肉、少量の水を一緒に入れて作るのだが、牛すじやスネ肉などでも柔らかく、しかも美味しく仕上げてくれる。煮物は1時間以上の調理時間が掛かるものの、かぼちゃや小芋などの煮付けなら、調理開始から15〜20分ほど。僕の場合、内鍋を追加購入してメインの食材をタイマーで調理。帰宅すると内鍋を入れ替えて調理を始めれば、着替えてビールでも一杯やってる間に最初の1品が出来上がる。1度単位で温度を調整する低温調理機能もあるから、ローストビーフや鶏ハムを作るときにも大活躍しているが、モデルチェンジした現行機は付属の蒸しトレイを使うことで、煮物料理と同時に蒸し料理まで作ってしまうとか。
ひとり暮らしでも断然2.4リットルがおすすめ
今回はコンパクトな1リットルサイズで紹介したが、本音で言うなら2.4リットルが断然おすすめ。ひとり暮らしなら小さくていい? そんなことはない。週の初めに薄塩のポトフを作り、野菜の旨みをたっぷり感じながら次の日には残ったポトフの一部にカレールーを。さらに翌日にはクラムチャウダーなど、少しづつ味変しながらいただくと寒い冬の季節は毎日、栄養たっぷりの料理を楽しめる。
ファミリー層向けにはもちろんだが、ひとり暮らしの男性にこそ勧めたい。ヘルシオ ホットクックは美味しさと健康のために、是非とも投資してほしい逸品だ。
REPORT/本田雅一(Masakazu HONDA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2022年 12月号
PRICE
オープン価格
評価
使いこなしのコツは付属レシピに拘らず、手元の素材を活かして自動で何か作ってみること。どうやっても美味しくしか出来上がらない狡い(?)電気鍋だ。その性能を知れば価格も納得。
コストパフォーマンス:3
おいしさ:5
応用範囲の広さ:4
利便性:5
設置性:4
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