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ウルスSとペルフォルマンテの立ち位置
スーパーSUVを代表する存在であるランボルギーニ ウルス。つい先日、初めてとなる大きなマイナーチェンジが行われた。今までは単一グレードだったが、新たにウルスSとウルス ペルフォルマンテの2バージョンが用意されている。
ウルスSは、エンジンが16PSアップの666PSとなり、また新デザインのバンパーなどが採用されている以外は基本的に従来のウルスと同じ。つまり今回のマイナーチェンジは従来のグレードの呼び名をウルスSとし、新グレードとしてウルス ペルフォルマンテが設定されたと考えればいい。
そのウルス ペルフォルマンテのエンジンパワーは、ウルスSと同じ666PS。ペルフォルマンテ(パフォーマンス)という名前からすると意外なようだが、実はウルス ペルフォルマンテの進化はエンジン以外の部分の方が大きい。具体的には47kgの軽量化とダウンフォースの増大、エアサスから金属スプリングに変更した強化サスペンション、さらにトランスミッションやAWDやトルクベクタリングなどの駆動系の設定も変更されている。
ANIMAが4モードとなったペルフォルマンテ
そして驚いたのはドライブモードセレクトのANIMAだ。ウルスにはSTRADA/SPORT/CORSA(サーキット)/SABBIA(砂地)/TERRA(オフロード)/NEVE(雪)と実に6種類もの走行モードが用意されており、それはウルスSにも引き継がれている。しかしウルス ペルフォルマンテのANIMAからはSABBIA(砂地)/TERRA(オフロード)/NEVE(雪)が省かれて、新たRALLYモードが設定された。結果的にはウルスSよりも少ない4モードとなってしまっているのである。
上位グレードなのに走行モードの選択肢が少ないの? と思う人も多いことだろう。SABBIA(砂地)/TERRA(オフロード)/NEVE(雪)の各モードはどちらかというと安定指向で、一方RALLYモードは積極的なオーバーステアも楽しめるセッティング。オフロードでリヤを流して遊びたい、という人にはぴったりのモードだ。つまりウルス ペルフォルマンテはより走りの楽しさを追及したグレードであり、ANIMAもそれに特化した設定となっているのである。
ではウルス ペルフォルマンテで雪道や砂地を走るときはどうすればいいのか、とランボルギーニの技術部門トップであるルーヴェン・モール氏に聞くと「雪道でドリフトをしたい時はRALLYモードにしてください。もっと安全に走りたい時はSTRADAモードで十分です」と応えてくれた。
ANIMAで明確になるそれぞれの個性
サーキットや峠、そしてオフロードまで積極的に走りを楽しみたい人はウルス ペルフォルマンテを、それよりも快適性や実用性を重視する人はウルスSを、というように新型ウルスは2つのグレードの性格をしっかりと分けてきた。それを象徴するのがANIMAのモードなのだ。どちらかが上位グレードでどちらかが下位グレード、というわけではなく、それぞれの目指すステージが異なると考えるべきだろう。