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世界でもっとも有名なアストンマーティン
映画「007」の魅力のひとつであるボンドカー。今までジェームズ・ボンドは多くのボンドカーを操ってきたが、やはりボンドカーといえばアストンマーティンDB5、ということに異論はないだろう。
DB5が初めて007に登場したのは1964年公開の「ゴールドフィンガー」だ。回転式のナンバープレートや機関銃、煙幕やオイル噴射装置など、数々の秘密兵器を搭載したDB5は本当にカッコよかった。007映画の人気を高めたのは、このDB5の存在も大きかったのではないかと思う。
蘇ったボンドカーは世界25台
DB5は最近の作品にもしばしば登場し、最新作の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」ではヘッドライト奥から現れるマシンガンなど新たな武器を搭載して大活躍し、我々を楽しませてくれた。一度でいいからDB5ボンドカーを運転してみたい、あの秘密兵器を自分で操作してみたい……そう思っている人は多いのではないだろうか。
実はそんな世界中のファンに向けて、アストンマーティンはDB5ボンドカーを再生産したのである。もちろんボンドカーならではの秘密兵器を搭載したDB5だ。まさに夢のようなプロジェクトではないか。DB5ゴールドフィンガー・コンティニュエーションと名付けられたプログラムによって製作されたのは全25台。そのうちの1台がこの度日本に上陸を果たした。
数々の秘密兵器を搭載
東京・青山のアストンマーティンハウスに展示されたDB5ボンドカーまるで新車のように美しい。それもそのはず、このクルマはレストアではなく、ボディやエンジンまで、すべてをイチから当時のままに新たに製作した本当の新車なのだ。
気になる秘密兵器は回転式ナンバープレートや機関銃はもちろんのこと、オイル噴射装置や煙幕、トランクから迫り上がる防弾板、センターコンソールのレーダー、また映画には登場しない伸縮式のバンパーオーバーライダーも備わる。
残念ながら機関銃は弾を発射しないし、オイル噴射装置から噴き出されるのは水だ。しかし煙幕は実際に煙を噴き出し、機関銃は映画からサンプリングした音を発しながら銃口が振動して光も出す。これらのガジェットはすべて実際の映画の特殊効果監督のクリス・コーボールド氏が担当したというから、その本物感はさすがだ。
青山で会えるDB5は期間限定
唯一残念なのはナンバーが付けられないこと。走って楽しむにはクローズドコースに持っていくしかないのだ。もっとも、公道を走ったらついマシンガンを撃ってしまい、煽り運転どころではない騒ぎになってしまいそうだが……。
このボンドカーは東京・青山のアストンマーティンハウスに展示中だが、いつ運び出してしまうかわからないという。実際に見てみたい!という人は早めに訪ねてみよう。