世界最高峰のハイパースポーツが国内初お披露目

約4億円のハイパースポーツ、ブガッティ シロン ピュアスポーツ日本上陸

ブガッティ シロン ピュアスポーツ、日本初上陸
ブガッティ シロン ピュアスポーツのフロントセクション
ブガッティの正規輸入代理店であるSKY GROUPは、世界限定60台のハイパーカー「ブガッティ シロン ピュアスポーツ」を国内に導入。東京・青山のショールーム「ブガッティ 東京」にて、お披露目した。

世界限定60台のみの希少モデルが国内に

ブガッティ シロン ピュアスポーツ、日本初上陸
ブガッティの現行市販モデル・シロンシリーズの中でも、コーナリング性能を追求したのがピュアスポーツ。限定生産台数60台の希少モデルだ。

世界最速の市販車であるブガッティ シロン。そのシロンの限定車として2020年春に登場したシロン ピュアスポーツが日本上陸を果たし、ブガッティ 東京でお披露目された。

400km/hオーバーの最高速度を誇るシロンだが、このピュアスポーツの最高速度はたったの(?)350km/h。その理由はこのクルマがサーキットなどでのコーナリングを重視した仕様となっているからだ。

最高速よりコーナリングに特化したシロンのバージョンモデル

ブガッティ シロン ピュアスポーツ、日本初上陸
シロンシリーズは最高速度を追求する過程で可変式リヤウイングを採用しているが、ピュアスポーツは固定式に改めてコーナリング時のダウンフォースを高めている。

象徴的なのがリヤに設置された幅1900mmという大型の固定式リヤウイング。従来の可変式リヤウイングに比べてより大きなダウンフォースを発揮するため最高速度では不利だが、コーナーでは安定性が増してトラクションが向上する。その増大したリヤのダウンフォースに合わせ、フロントのスプリッターも新たにデザイン。これらのエアロダイナミクスの効果で路面に張り付くような安定したコーナリング性能を確保しているという。

エンジンそのものに変更はないが、トランスミッションをよりローギヤードにして立ち上がりの加速を重視。その結果0-100km/h加速はシロンの2.5秒から2.3秒へとアップ。またサスペンションやブレーキもサーキット走行を想定して見直しが行われているという。

最高出力1500psのW16を搭載。ドリフトも思うがまま

ブガッティ シロン ピュアスポーツ、日本初上陸
ブガッティ シロン ピュアスポーツのエンジン。8.0リッターW型16気筒エンジンは4基のターボで過給され、最高出力1500ps/最大トルク1600Nmを発生。最高速度は350km/hでリミッターが作動する。

さらにアライメントもネガティブキャンバーを強めてコーナーでの安定性を高めるなど、徹底したコーナリング重視のセッティングが施される。タイヤもピュアスポーツのために専用開発したミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2 Rが装着される。ドライブモードは従来の4種類に加えて「SPORT +」を追加。これはサーキットを想定したモードで、理想的なラインでのドリフトが可能になるという。

またリヤウイングの油圧可変機構が必要なくなったことや1本あたり4kgも軽くなるマグネシウムホイールの採用、他にもインテリアのレザーをアルカンターラに変えるなど細かな軽量化も図られて、重量はシロン スポーツよりも50kg軽い1970kgを達成している。

シロンシリーズの最後を飾る歴史的モデル

ブガッティ シロン ピュアスポーツ、日本初上陸
シロン ピュアスポーツの生産台数は60台であり、シロンシリーズそのものも予定する生産台数に間もなく達する。今後、間違いなく語り継がれるモデルになるだろう。

2016年に発表されたシロンは、当初から生産台数は500台とされており、すでに410~420台ほどが生産されているという。このピュアスポーツは60台の限定生産なので、そろそろ予定の500台が近づいてきたことになる。

スーパースポーツカーの世界も電動化が進む中、ブガッティの次期モデルがどのような形になるのかはまだわからないが、このピュアスポーツはシロンの最後を飾るモデルとして、歴史に刻まれる1台となるだろう。シロン ピュアスポーツの価格は310万ユーロ(約4億円)と発表されている。

REPORT/永田元輔(Gensuke NAGATA)

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著者プロフィール

永田元輔 近影

永田元輔

『GENROQ』編集長。古典的ジャイアンツファン。卵焼きが好き。愛車は993型ポルシェ911。カメラはキヤノン。