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Porsche 911 GT3 Cup
2023年のスーパーカップに5000台目が登場
1990年以来、911 カップカーは世界で最も多く生産されたレーシングカーとして進化と世代を重ねてきた。5000台目の記念すべきポルシェ 911 GT3 カップはスペシャルカラーリングが施され、2023年シーズンのポルシェ・モビール1・スーパーカップにおいて、VIPカーとして使用される予定だ。
これまでもポルシェ・モータースポーツは、著名なゲストをVIPドライバーとして起用し、ポルシェ 911 GT3 カップをレースで走らせている。2023年は伝統的なサーキットで行われるレースにおいて、様々なドライバーが登場するプランがあるという。
ポルシェ・モータースポーツのワンメイク&GTスポーツ部門マネージャーを務める、オリバー・コッペンはカップカーの5000台製造達成を受けて次のようにコメントした。
「5000台以上の911 カップカー製造。これは非常に印象的な数字ですし、ポルシェのワンメイクシリーズの世界的な大成功を意味しています。加えて、ポルシェが世界中のチーム、プロドライバー、若いドライバー、アマチュアレーサーの間で高い人気を誇っていることも表しています。これほど大量に生産され、これほど頻繁にレースが行われたポルシェのレーシングカーは他にありません」
世界で34のシリーズに拡大したカレラカップ
911によるワンメイクシリーズは、1990年にスタートした「ポルシェ・カレラカップ・ドイツ」を起点とする。以降、ヨーロッパ、アジア、中東、アメリカでシリーズ開催を実現しており、現在では世界34の地域で、ポルシェ公認ワンメイク・カップシリーズが行われている。
とりわけ全シリーズで最も高いレベルを誇るポルシェ Mobil 1 スーパーカップは、2023年シーズンのF1グランプリのサポートレースとして、欧州開催のグランプリ8戦で実施される予定だ。ポルシェ・モータースポーツのセールスディレクター、ミハエル・ドライサーは、世界的な成功を以下のように評価する。
「1990年4月にポルシェ・カレラカップ・ドイツでデビューして以来、ポルシェのワンメイクカップは目覚ましい進化を遂げてきました。今シーズンは、その数が世界で34シリーズに拡大します。そのほとんどが最新の992世代のポルシェ911 GT3 カップを使用しているのです。この成功は、カスタマーチームの協力があったからこそでしょう」
964をベースに開発された第一世代カップカー
1990年に立ち上げられたポルシェ・カレラカップ・ドイッチュラントの戦略は明確だった。964世代のポルシェ 911カレラRSベースのワンメイクレーシングカーが開発され、すべてのカップカーの製造はポルシェに一元化。このカップカーはロールケージなどの安全装備、スポーツサスペンション、エキゾーストシステムなど、わずかな改良が施されている。
安全規制の強化や、ワンメイクシリーズの国際化により、911 カップカーは世代ごとに純粋なレーシングカーへと進化を続けることになった。現行のタイプ992ベースの911 GT3 カップは、コンピュータサポート型セーフティセル、シフトパドルを備えたシーケンシャル・ドグミッション、カーボンファイバー製ボディパーツとコクピットコンポーネント、11段階に調整可能なリヤウイングなど、様々な専用装備を備えている。
それでも、公道走行可能な911 GT3と、レーシングカーの911 GT3 カップは、依然として多くのコンポーネントを共有している。例えば、4.0リッター水平対向6気筒エンジンは、レーシングエキゾーストシステムや専用エレクトロニクスなどを除けば、ほぼ同じ仕様を搭載。最高出力510PSを発揮する自然吸気ボクサーユニットは、オーバーホールを受けずにシーズンを通して使用することが可能だ。
ヴァイザッハのポルシェ・モータースポーツが開発したカップカーは、シュトゥットガルトのツッフェンハウゼンの工場で市販仕様の911と同じ組み立てラインで製造。1台の911 GT3 カップの製造にかかる時間は、1台につきわずか8時間となっている。