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トヨタの2台に続きフェラーリが3位
1周7.004kmのスパ・フランコルシャン・サーキットを舞台に行われたスパ・フランコルシャン6時間レース。4月29日の決勝には、7万2000人もの大観衆が集まった。今シーズン最多となる13台のハイパーカーを含む、37台がエントリーしたこのレースは、目まぐるしく変わるスパ・ウェザーに加えて、数多くのアクシデントが発生する荒れた展開となった。
雨はほぼ止んでいたものの、路面はウエット。コース上には乾きつつある箇所も存在するなか、12時45分に6時間の決勝レースがスタート。トヨタのGR010 HYBRID 7号車(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)は、セーフティカー導入が繰り返されるなか、ポール・トゥ・ウィンで走り切った。
予選でのアクシデントにより最後列からスタートしたGR010 HYBRID 8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)も猛烈な追い上げを見せ、2位でフィニッシュ。トヨタは開幕戦以来、今シーズン2度目の1-2フィニッシュを達成している。
一方、フェラーリAFコルセ勢はタイヤ選択の失敗もあり、序盤からトヨタの先行を許してしまう。予選2番手からスタートしたフェラーリ499Pの50号車(アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン)は、表彰台圏内を走行していたものの、残り2時間の段階でクラッシュを喫してリタイアとなった。
それでも、フェラーリ499Pの51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョビナッツィ)が、最終ラップまで続いたポルシェ 963の5号車(デイン・キャメロン/ミカエル・クリステンセン/フレデリック・マコヴィッキィ)とのバトルを制し、3位表彰台を得た。
最終盤に表彰台を逃したポルシェ 963
ポルシェ 963の5号車は、レース序盤に電動クラッチコントロールにトラブルが発生。その後のピットインでトラブルを解消した5号車は、アクシデントによるセーフティカー導入でギャップがなくなったこともあり、スティントを担当したクリステンセンが追い上げを開始する。
残り100分の段階で6番手を走行していた5号車は、この日4回目のセーフティカーが導入されると、3番手までポジションを上げて見せた。迎えた最終ラップ、963のステアリングを握るマコヴィッキィは必死の走行を続けたが、リヤタイヤが限界を迎え、フェラーリ499P 51号車にオーバーテイクを許してしまう。ポルシェ 963の5号車は4位でフィニッシュ。わずか3秒差で表彰台を逃している。
レースを終えたキャメロンは「レース全体を考えれば、チームとして素晴らしい仕事ができたと考えています。6時間のレース中に小さなトラブルが発生しましたが、それをうまく克服することもできました。今回のレースはクルマのバランスが格段に良くなり、ペースも明らかに速くなっています。表彰台も射程圏内でしたが、残念ながら最後の最後で逃してしまいました」と、悔しさをのぞかせた。