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Ferrari SF90 XX Stradale
XXモデルをイメージした公道走行可能なモデル
今回日本に導入された「SF90 ストラダーレ」をベースとする限定シリーズ「SF90 XX ストラダーレ」の車名に掲げられた「XX」とは、公道走行不可だが性能面でベンチマークとするべく性能を磨き上げるサーキット専用「XXモデル」に由来する。今回発表された「SF90 XX ストラダーレ」は、そのXXモデルをイメージした公道走行可能なモデルである。
自走でサーキットへ行き、限界走行を体験した後、自走で帰る。SF90 ストラダーレをベースとして、サーキットを限界域で走る「XX」的ドライビングエクスペリエンスをより身近にしたモデルとなる。
ちなみにフェラーリは、XXモデル」のためにカスタマー向けサーキット走行プログラム「XXプログラム」も導入している。
F50以来となる固定式リヤウイング
システム最高出力はSF90 ストラダーレの1000PSからさらに30PSアップの1030PS。専用のソフトウェアロジックが大幅なパフォーマンスアップを実現した。さらに、公道モデルへの装備としてはF50以来となる固定式リヤウイングを採用。250km/hで530kgというこれまでにないダウンフォースを発揮するという。
パワートレインは、SF90の特徴であるプラグインハイブリッド(PHEV)を採用。4.0リッターV型8気筒内燃エンジンと3基の電気モーターを組み合わせる。2基のモーターをフロントアクスルに左右独立して搭載し、1基のモーターをリヤのエンジンとギヤボックス間に配置する。この結果、最高出力はSF90 ストラダーレの30PS増となる1030PSを実現。フェラーリの新たなパフォーマンスベンチマークへと到達した。
3基のモーターの動力は高性能リチウムイオン・バッテリーが供給し、EVモードでの航続距離は25kmを確保。エンジン停止中でもフロントモーターのみで135km/hの最高速度を保証している。
徹底した軽量化が施された室内
レーシングカーのコクピットをイメージしたインテリアデザインは、軽量化に注力して開発が行われた。ドアパネル、センタートンネル、フロアマットは、形状と素材をよりシンプルな仕様に変更。高機能ファブリックを中心に採用しつつ、機能的な部分にはカーボンファイバーを導入した。ダッシュボード上部はアルカンターラで、下部は高機能ファブリックでトリミングされている。
カーボンファイバー製チューブラー構造とクッションサポートを備えたレーシングシートを採用。快適性を犠牲にすることなく、スポーツ走行の楽しさを強化するよう専用設計された。バックレストの角度調整はシートに組み込まれ、伸縮性のあるトリム素材を使ってバックレストと座面との境界を隠している。一体型シートのように見える構造だが、バックレストの調整も可能。カーボンファイバー製構造などにより、こちらも1.3kgもの軽量化を実現したという。
週末にF1日本グランプリを控えていることもあり、メディア向け発表会の後に行われたカスタマー向けイベントではF1ドライバーのシャルル・ルクレールも姿を見せたという。なお日本における販売価格は未定となっている。
SPECIFICATIONS
フェラーリ SF90 XX ストラダーレ
エンジン:90°V型8気筒ツインターボ
総排気量:3990cc
ボア・ストローク:88mm x 82mm
最高出力:586kW(797PS)/7900rpm
最大トルク:804Nm/6250rpm
最高許容回転数:8000rpm
圧縮比:9.54:1
比出力:200PS/L
電気モーター最高出力:171kW(233PS)
バッテリー容量:7.9kWh
EV航続距離:25km
全長:4850mm
全幅:2014mm
全高:1225mm
ホイールベース:2650mm
フロントトレッド:1683mm
リヤトレッド:1674mm
乾燥重量:1660kg
乾燥パワーウェイトレシオ:1.61kg/PS
重量配分:44:56
燃料タンク容量:68リットル
タイヤ&ホイール:前255/35 ZR F20、後315/30 ZR F20
ブレーキ:前CCM 398 x 223 x 38mm、CCM 390 x 263 x 32mm
トランスミッション:8速F1 DCT
最高速度:320km/h
0-100km/h:2.3秒
0-200km/h:6.7秒