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AUDI R8 SPYDER
あまりの素晴らしさに感嘆の叫び
気がつけばすでに師走。今年もGENROQの取材でたくさんのスーパースポーツやプレミアムSUVに乗る機会がありました。ポルシェ911GT3 RSやマセラティMC20チェロ、レンジローバースポーツ、BMW XM……etc.いや〜、本当に素晴らしいクルマばかり(当たり前か……)で、毎回そんなクルマに触れていると感覚が麻痺してくる今日この頃です。
そんなわけで今年も最新スーパースポーツ&最新プレミアムSUV最高! 万歳! と原稿を締めたいところですが、いやはや2023年もあと僅かという12月のこのタイミングで今年運転した中で“最高の1台”に出会ってしまったのです。
その名も「アウディR8スパイダーV10パフォーマンス5.2 FSIクワトロ」です。車名が長いので以降「R8」に省略しちゃいますが、ほんっっっとうに久しぶりに運転したR8のあまりの素晴らしさに感嘆の叫びをあげてしまったほどです。
アルミスペースフレームゆえの剛性あるボディ
R8ってなんだっけ? という方のために軽く説明しておくと、2003年のフランクフルト・ショーで発表された「アウディ・ル・マン・クワトロ」をベースに開発された、アウディのスーパースポーツです。2006年に初代がデビューし、現行の2代目モデルは2016年に登場。ランボルギーニ・ウラカンとはボディやエンジンブロックの一部を共有する兄弟車の関係にあります。
初代、2代目R8とともに試乗する機会があったのですが、これもかなり昔の話。今回、GENROQ本誌の小林カメラマン・グラビア連載取材で久方ぶりにR8に乗り、「なんていいクルマなんだ!」と感動に打ちひしがれてしまいました。
登場からすでに8年が経過した2代目ですが、その熟成度合いが素晴らしいんです。アルミスペースフレームゆえの剛性あるボディが、ステアリングの操作に即座に反応し、コーナーを駆け抜けていきます。全長4430×全幅1940×全高1240mm、車重1760kgと決してコンパクトでも軽くもないボディですが、いざ運転してみるとまるでライトウエイトスポーツに乗っているかの如く、人馬一体感を味わえるのです。
回せば回すほどに魅惑の咆哮をあげる珠玉のユニット
スーパースポーツにしては望外にいい乗り心地と人馬一体感溢れる走り、そして何よりも感激したのが5.2リッターV10自然吸気エンジンの官能性です。エンジンスターターボタンを押した瞬間「ボンッ!!」と甲高い音で目覚めるこのV10は、回せば回すほどに魅惑の咆哮をあげる珠玉のユニットです。
まさに熟成の極みに達していたR8。実はアウディからは2023年をもって生産中止が発表されており、2024年限りで17年に渡るモデルライフにピリオドが打たれることが決まっています。それゆえに、たぶんR8に乗るのは今回が最後の機会ということになるでしょう。間違いなく、今年乗ったスーパースポーツで最高!感激!欲しい!の3拍子揃った1台でした。
ちなみに去る12月14日、アウディジャパンからR8の最終限定モデルとなる「R8クーペジャパンファイナルエディション」が発売となりました。「R8クーペV10パフォーマンス5.2 FSIクワトロSトロニック」をベースに多数のカーボンバーツや「マットブロンズポリッシュト」の20インチアルミホイールを採用。インテリアはブラックとアラバスターホワイトの2トーンカラーで上品にまとめられた1台です。用意される台数は限定8台。いやはや、お金があれば、心底欲しい限定モデルです。そんなわけで、アウディR8! 17年間ありがとう!