1989年に日産の海外専売高級車部門として設立されたブランドであるインフィニティは、最高出力850psを発揮するフラッグシップ・クロスオーバーSUV、QX80トラックスペック・コンセプトの市販バージョンを2027年に発売予定だが、さらなる超高性能モデルが計画されていることがわかった。

ここ数年、インフィニティは高級車市場から影を潜めてきた印象だが、『モントレーカーウィーク2025』でパフォーマンスSUV、QX80 トラックスペックを発表。どうやら本格的な超高性能車部門を復活させようとしているようだ。

ロールスロイスやベントレーなどのラグジュアリーな超高級ブランドではなく、メルセデスAMGやBMW Mなどハイスペックスポーツカーをターゲットにして、ワイルドで高出力のマシンを少数生産する計画だという。
2003年から2017年頃まで展開していたパフォーマンス志向のラグジュアリーSUV、FXシリーズは、スポーツカーの走りとSUVの存在感を融合させたモデルだったが、インフィニティでは、このモデルを愛用していたようなチューナー志向のユーザーは、今もなお存在していると確信しているようだ。
そして、それらのユーザーの心を再び踊らせるモデルとして、最高出力650psを発揮するモンスター、QX80 トラックスペックを発表したのだ。そのパワートレインは、標準装備の3.5L V6ツインターボエンジンが高性能化したものだ。
2027年に市販化予定のトラックスペックが、メルセデスAMG GLSやBMW XM、キャデラックのエスカレードVなどに対抗する存在となれば、標準モデルより50%も高い出力を発揮しながらも、インフィニティのラグジュアリーのルーツを忘れない、ハイパワーモデルの先駆けとなることだろう。
このパフォーマンスラインアップは、今後も小規模で限定的な限定モデルとなる見込みだ。インフィニティは2年間で約1000台を目標としており、金銭的に余裕のある顧客が財布の紐を緩めるに値する、希少性のある適切な台数だろうと報道されている。
もちろん、これらの数字自体がインフィニティの売上に劇的な変化をもたらすわけではなく、ハロー戦略と考えるべきだろう。しかし、苦境の日産を含め、インフィニティブランドのイメージ回復が期待できそうだ。
今後のトラックスペックへのアップグレードとしては、次世代Q50セダンと、近日発売予定のQX65クロスオーバーが挙げられる。そして本命は、SEMAで発表された最高出力1014psのGT-Rエンジン搭載のQX80 R-Specだ。
インフィニティの超高性能モデル計画は、インフィニティのブランド、ひいては日産を救えるのか、気になるところだ。












