アイテムを活用し、夏場のライディングを快適に

秋冬用のバイク用ジャケットは、厚手のものが多く夏場に着るには厳しい。
バイク用革製ジャケットの写真
秋冬用のバイク用ジャケットは、厚手のものが多く夏場に着るには厳しい。

夏は、ライダーにとっては過酷な季節である。特に、バイクはクルマと違ってエアコンが効く空間がなく、直射日光や路面の照り返しを全身で受ける。加えて、万が一の転倒に備えてジャケットやプロテクターなどを着込むため、体温も上昇しやすい。

このような状況が続けば、熱中症のリスクはもちろん、運転に支障が出るおそれがあることは、言うまでもないだろう。そのため、休憩や水分補給の頻度を増やしたり、インナーウエアや冷却アイテムを活用するなど、夏場のライディングには工夫が欠かせないというわけだ。

そして、中でも注目したいのが「メッシュジャケット」である。メッシュジャケットについて、大手バイク用品店2りんかんの担当者は「通気性があり涼しく、夏場の直射日光を防ぐため熱中症対策におすすめです」と話す。

半袖でバイクに乗る人
暑いからといって半袖でバイクに乗るのは、万が一転倒した際のリスクが大きく危険だ。

さらに、前述の担当者は「メッシュジャケットには、走行時に脇の下や背中などへ風が通り抜けることで、こもった熱を輩出する役割もあります」とも続けた。

一般的に、メッシュジャケットには、ポリエステルやナイロンなど通気性にすぐれた素材が使用されている。これにより、気温が高くなる夏場でも、快適にバイクを運転することが可能になるのだ。

メッシュジャケットは、着るだけで快適性が大きく向上する。まさに、夏のライディングには欠かせない装備と言えるだろう。

メッシュジャケットを選ぶポイントは「走るシーンに合わせる」こと

山へのツーリングイメージ
山は、日中と夜間で気温差があり、比較的風が通りやすい。こういった場所の走行時は、ハーフメッシュもしくは防風インナーを併用するとよいという。
バイク用メッシュジャケット(写真提供:アルパインスターズ)
メッシュジャケットを選ぶ際は、どこをどう走行するか、「走るシーン」をイメージすることが大切だ。(画像提供:Alpinestars CHROME AIR SPORT HOODIE アルパインスターズ クローム エア スポーツ パーカー)

一口にメッシュジャケットといっても、その種類は多様である。購入を検討していても、どれを選べばよいのか迷うこともあるだろう。

では、メッシュジャケットを選ぶ際のポイントはあるのだろうか。2りんかんの担当者は、「走るシーンに合わせて選びましょう」と話す。たとえば、市街地での通勤通学など、渋滞があり風が抜けにくい場合は、フルメッシュの風を通しやすいメッシュジャケットが推奨されるという。

一方で、山へのツーリングなど、日中夜間で気温差があり比較的風が通る場所を走行する場合は、ハーフメッシュもしくは防風インナーを併用するとよいとのことだ。さらに、前述の担当者は以下のように続ける。

「プロテクター付きがおすすめですが、夏用に風を通すプロテクターもあるので、オプションで取付するのもおすすめです」

また、担当者が言うには、バイク用のライディングジャケットは、リフレクターを装備している物が多く、夜間走行時は視認性がよくなるとのことだ。そのため、安全性を考慮してリフレクターやプロテクターの装備を確認するのも、メッシュジャケットを選ぶ際のポイントだという。

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このように、メッシュジャケットを活用すれば、真夏のライディングでも快適性を保つことができる。とくに、気温が30度を超えるような環境では、停車中や渋滞時に熱がこもりやすく、体力の消耗や集中力の低下につながりやすい。

その点、通気性にすぐれたメッシュジャケットは走行風を効率よく取り込み、汗の蒸発を促して体温の上昇を抑える効果があるのだ。さらに、多くの製品には肩や肘、背中にプロテクターが内蔵されており、安全性を損なうことなく暑さ対策をおこなえるのも特長だろう。

快適な運転環境は、結果としてライダーの集中力を高め、危険察知の早さや反応の正確さにもつながる。夏場のライディングに不安を感じているのであれば、メッシュジャケットの導入を検討してみる価値は十分にあるだろう。