マイナンバーカードが運転免許証と一体化へ

2025年3月24日から、マイナンバーカードに運転免許証の情報を統合する「マイナ免許証」の申請受付が開始された。これは2024年時点で段階的に進められてきたデジタル政府推進の一環であり、地方自治体を通じた本人確認の効率化や、将来的な運転資格の電子確認にもつながる。

申請は全国の運転免許センターや一部の警察署で受け付けられる予定で、既存の免許証からマイナカードへの情報連携には所定の手続きが必要となる。なお、当面の間は「マイナンバーカード+運転免許証」の両方を携帯しておく必要があるとされており、完全な一本化は段階的に進められる見通しだ。

この統合により、行政手続きの簡略化や本人確認の迅速化が期待される一方で、情報流出やシステム障害への懸念も根強い。運転免許証という“日常の身分証”が大きく変わるだけに、そのメリットとリスクを丁寧に見極めておきたい。

125cc以下(新基準原付)が「原付免許」で運転可能に

2025年3月にホンダが発表した新基準原付対応モデル「スーパーカブ110ライト コンセプト」

2025年4月1日から施行された道路交通法施行規則の改正により、50cc以下の原動機付自転車(原付一種)に対する免許制度が変更された。これまで原付一種は、普通自動車免許を保有している者が運転可能とされてきたが、今回の改正により、運転可能な排気量の範囲(総排気量50cc超125cc以下で最高出力4.0kW(5.4ps)以下)が拡大される形となる。

また、制度としては第一種原動機付自転車の枠を明確にし、運転者が対象車両をより明確に把握できるよう調整されたものだ。

この背景には、電動キックボードや超小型モビリティの台頭により、従来の車両区分と免許制度の間に生じた“ズレ”を是正する狙いがある。特に都市部では、50cc以下の車両がラストワンマイルの移動手段として再注目されており、免許制度の整備がその普及を後押しする可能性もある。

ETC深夜割引が見直しへ

深夜0時から4時までの間に首都高速道路の入口等を通過する車両は、料金の20%を割引きされる。

高速道路を頻繁に利用するドライバーにとって注目すべき変更が、ETC深夜割引制度の見直しだ。

項目変更前変更後
割引対象時間午前0時〜午前4時午後10時〜午前5時
割引率30%割引30%割引
対象車種ETC無線通行の全車種ETC無線通行の全車種
ただし、ETCマイレージサービスへの事前登録が必要
対象道路全国の高速道路(NEXCO管理)と一部の一般有料道路全国の高速道路(NEXCO管理)と一部の一般有料道路
対象条件対象時間帯に高速道路を走行していれば適用
料金所を通過した際に割引が適用
対象時間帯に入口または出口を通過する必要がある(通過中のみは対象外)
ETCマイレージサービス事前登録が対象で後日還元

変更された大きなポイントは、時間帯と対象条件だ。特に、ETCマイレージサービスへの登録を事前に済ませておくことが重要だ。対象の時間帯に走行していても登録がされていなければ、深夜割引は適用されない。運用開始時期については未定のようだが、事前に登録しておくと安心だ。

 変化する交通制度との付き合い方

2025年の道路交通法改正は、制度の“変化”というより“調整”というべき内容が多い。それぞれの改正項目は、デジタル化やモビリティの多様化といった社会の変化に対応するかたちで設計されている。

制度改正は、内容だけでなく「いつ、どこで、どう始まるのか」まで理解しておくことで、日常に与える影響を最小限に抑えられる。今回紹介したマイナ免許証、原付免許制度、ETC割引の3点はいずれも生活に直結しやすい項目であるため最新情報をキャッチアップし続けることが重要だ。