SKY Bridgeのハイエース標準ボディが拓くライトな車中泊スタイル

SKY Bridgeがカスタムした普段使いできるキャンピングカー「Grid.」

街乗りと車中泊を両立させる、「普段使いできるキャンピングカー」として開発されたカスタム車両。従来の大型キャンピングカーに比べ、日常生活に溶け込みやすく、手軽に非日常体験を楽しめる点が最大の特徴だ。

装備面では、フリップダウンモニターや純正スピーカーを活用したエンタメ環境を備え、照明は純正ルームランプ連動で自動消灯機能付き。ポータブルバッテリー接続で自動切り替えができ、電源管理も工夫されている。天井にはプロジェクター取り付け用ネジ穴もあり、車内をシアタールーム化も可能だ。

居住空間はフルフラットベッドを展開でき、幅1800mm・シート幅1400mmとセミダブル相当の広さを確保。スプリングを採用し快適な寝心地を実現する。家具は無垢材とアルミを組み合わせた共同開発品で、傷がついても「味」となり、パーツ単位で交換可能。就寝は2名が基本だが、小さな子供を含めれば3人家族でも利用できる。

調理設備はカセットコンロが基本で、オプションで12Vエアコンも搭載可能。外部電源や大容量バッテリーと組み合わせれば停車中も快適に過ごせる。

この車両の魅力は「ライトな使い勝手」にあり、街乗りや買い物にも適し、自宅駐車場にも収まりやすい。価格は架装セット約270万円(車両代別)で、天井・床・収納・シンクが含まれる。新車・中古・持ち込み車両にも対応可能だ。

ベースはスーパーGL限定で、他仕様では設計変更が必要。発売直後でユーザーデータは少ないものの、開発陣は家具の耐久性やメンテ性に自信を持っている。

総じて、ハイエース標準ボディのカスタム車は「日常の延長で楽しむ車中泊」という新しいカテゴリーを築いており、初心者や小規模な家族にとって現実的かつ魅力的な選択肢だ。

Moon Star Export製キャンピングカーの魅力と特徴

Moon Star Export製キャンピングカー:JP STAR DISCOVERY1

Moon Star Export 株式会社は、都市型から本格派まで幅広いニーズに対応するキャンピングカーを展開している。

様々なタイプを展開しており、一部モデルは立体駐車場も利用可能で日常使いに適しており、関東近郊を中心に高い人気を集めている。さらに、軽トラックをベースにしたモデルも登場。ターボエンジンを搭載し、高速道路や山道での走行性能を改善している点が特徴だ。

内部は乗車定員4名、就寝も最大4名まで対応している。上段には大人1名用のバンクベッド、下段はセミダブル相当の広さを展開でき、操作も容易だ。ベッド下は収納スペースとして活用可能で、長いソファー状の座席を備える。電力面では400アンペアのリチウムバッテリーを搭載し、エアコンを一晩稼働できる持続力を持つ。

最大の魅力は「取り回しの良さ」「運転のしやすさ」「価格の手頃さ」であり、女性や初心者でも扱いやすい点が魅力だ。一方でキャンピングカーは改造車であるため、エアコンやFFヒーターの不調などが発生しやすく、定期的な点検が不可欠だ。購入を検討する際には、一般的な乗用車と異なり壊れやすい特性を理解しておく必要がある。

横浜店では展示やレンタルも行っており、購入層はリタイア世代が中心だが、レンタルは学生や単独女性など幅広い層に利用されている。ペット同伴専用車両も用意されており、多様なライフスタイルに対応している。

SKY Bridge製ハイエース標準ボディとMoon Star Export製キャンピングカーの比較

同じ「車中泊」を目的とした車両であっても、SKY Bridgeがハイエース標準ボディをベースにしたカスタム車と、Moon Star Exportが手掛ける本格的なキャンピングカーでは、設計思想やユーザー体験に大きな違いがある。

ここでは両者を比較し、それぞれの強みと適したユーザー層を整理していく。

日常使いと取り回しやすさ

SKY Bridgeがカスタムしたハイエース標準ボディのカスタム車は、街乗りにも違和感なく利用できることが最大の強みだ。自宅駐車場にも収まりやすく、普段の通勤や買い物でも「普通の車」として活躍できる。

一方、Moon Star Exportのキャンピングカーも小回り性能や車高制限を考慮したポップアップモデルを用意しているが、基本的には「非日常の旅」を主眼に置いた設計であり、常用車としての使いやすさはハイエースに軍配が上がる。

居住性と快適性

SKY Bridgeハイエースの広々とした室内空間

居住空間の作り込みは両者で大きく方向性が異なる。

SKY Bridge製ハイエースは標準ボディの制約の中で、無垢材とアルミを基調にした家具やフルフラットベッドを備え、「最小限で快適」を追求している。就寝定員は2名が基本であり、小さな子供を含めてファミリーでの利用も想定されるが、長期滞在にはやや窮屈さが残る。

一方、Moon Star Exportのキャンピングカーは就寝定員4名を確保し、上下段に分かれたベッドや収納スペースを備えるなど、居住性はより本格的だ。長旅や複数人での利用に向いており、「車を拠点に滞在する旅」には適している。

電源と設備

SKY Bridgeのハイエースは純正ルームランプと連動した照明やポータブルバッテリーとの自動切替システムなど、メインバッテリー保護を重視した工夫が特徴だ。シンプルだが無駄がなく、軽量で扱いやすい設計となっている。

対してMoon Star Exportのキャンピングカーは400アンペアの大容量リチウムバッテリーを搭載し、エアコンを一晩稼働できるほどの電力を確保している。長時間の停車や夏季の車中泊に強く、より快適な滞在が可能だ。

メンテナンスと所有コスト

SKY Bridgeのハイエースカスタムはベース車が量産モデルであるため、メンテナンス性や部品供給の面で安心感がある。家具もパーツ単位で交換できるため、長く使うほど「味」となる設計が魅力だ。

一方のMoon Star Exportは「改造車」としての性格が強く、エアコンやFFヒーターといった設備の不調が起きやすいため、定期的な点検が欠かせない。その分、快適性は高いが、維持管理には手間とコストがかかる点を理解しておくことが必要だ。

想定ユーザー

SKY Bridgeのハイエース標準ボディカスタムは、3人家族や夫婦での短期車中泊、日常+週末レジャーを両立させたい層に適している。価格も架装セット約270万円〜と、比較的導入しやすい。

一方、Moon Star Export製キャンピングカーの場合、長距離移動や本格的な旅を志向する層、リタイア後に余裕ある時間を使って日本各地を巡りたい層に向いている。レンタル需要も多く、試しに体験したいユーザーにも選ばれている。

用途で選ぶ二つのモデル

両者の違いを一言で表すなら、SKY Bridgeのハイエースは「日常をベースに非日常をプラスする車」、Moon Star Exportのキャンピングカーは「非日常を中心に設計された旅の拠点」だ。

日常の延長線上で気軽にアウトドアを楽しみたいのか、それとも本格的に旅を暮らしに組み込みたいのか。ユーザーがどのように車を活用したいかによって、最適な選択は大きく変わる。

◼️取材協力

SKY Bridge合同会社 神奈川県茅ヶ崎市下寺尾985-1 TEL:070-8939-3768

Moon Star Export 株式会社 愛知県豊明市栄町道山9番地の1 TEL:0562-85-3049