2025年9月の新車販売登録数トップ10
| 順位 | メーカー・モデル | 販売台数 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 1位 | トヨタ・ヤリス | 13,670台 | 104.8% |
| 2位 | トヨタ・カローラ | 11,523台 | 89.9% |
| 3位 | トヨタ・ライズ | 9,407台 | 108.4% |
| 4位 | トヨタ・ルーミー | 8,564台 | 81.6% |
| 5位 | ホンダ・フリード | 7,502台 | 83.9% |
| 6位 | トヨタ・シエンタ | 7,464台 | 74.4% |
| 7位 | 日産・ノート | 7,402台 | 68.3% |
| 8位 | ホンダ・ヴェゼル | 7,401台 | 126.9% |
| 9位 | トヨタ・アルファード | 7,373台 | 150.2% |
| 10位 | 日産・セレナ | 6,928台 | 83.8% |
トヨタ・ヤリスが前年同月比104.8%で首位を維持した。燃費・サイズ・価格のバランスの良さから、都市部・高齢者・女性層など幅広いユーザーに浸透している。特に法人需要でも安定しており、国民車的ポジションを確立しつつある。
トヨタの強みは商品ラインナップの幅広さと販売網の強さ

トヨタがランキング上位を独占する背景には、商品ラインナップの幅広さと販売網の強さがある。コンパクトカー、SUV、ミニバン、高級セダンまでを網羅し、全国のディーラーが均一なサポート体制を提供できる点が販売の安定につながっている。
特に「ヤリス」「カローラ」「ライズ」はそれぞれ性格の異なる車種でありながら、いずれも燃費・サイズ・価格バランスの良さで幅広い層に支持されている。
一方で、ホンダ「フリード」や日産「ノート」などの他社モデルも確かな存在感を見せた。フリードはコンパクトミニバン市場での定番として家族層からの支持が厚く、ノートはe-POWERによる電動走行の滑らかさが評価されている。
このように、カテゴリーごとの強みを生かして競い合う構図が現在の特徴だ。
トヨタ独走の中で浮かぶ「他社の光」

トヨタ勢が依然として上位を占める中で、ホンダ「ヴェゼル」とトヨタ「アルファード」の健闘が際立った。
ヴェゼルは前年同月比126.9%と大きく販売を伸ばし、依然としてSUV人気が根強いことを示した。コンパクトSUVの中でもデザイン性と実用性のバランスに優れ、都市ユーザーから郊外層まで幅広く支持されている。
一方、アルファードも前年同月比150.2%と大幅増を記録した。フルモデルチェンジ以降、ラグジュアリーミニバンとしてのブランド価値がさらに高まり、法人需要からファミリーユーザーまで層を拡大している。
こうしたデータから浮かび上がるのは、「コンパクト×効率」と「上質×ステータス」という、ユーザーの価値観の二極化である。車が単なる移動手段ではなく、ライフスタイルや自己表現の一部として選ばれる時代へと移行しているのだ。
コンパクトから高級車まで、選ばれる理由が問われる時代に
2025年9月の登録車ランキングは、トヨタの圧倒的な強さを改めて示す結果となった。しかしその一方で、各メーカーは「どんな価値をユーザーに提供できるか」という本質的な競争に突入している。
経済性と快適性、そして電動化への対応など、そのすべてを高い次元で融合できるモデルこそが、次世代の主役として台頭していくはずだ。
ユーザーが求めているのは売れている車ではなく、自分の暮らしに最も合う車である。経済性・快適性・電動化、そのすべてを高次元で両立する車が、次の主役となるはずだ。