図柄入りナンバープレートとは?
図柄入りナンバーには、寄付金の有無によって「フルカラー版」と「モノトーン版」の二種類が設定されていた。フルカラー版は、地域の魅力を鮮やかに描き出した華やかな仕上がりのナンバーで、寄付金は自治体が行う観光振興や地域活性の事業に充てられる仕組みだ。
一方でモノトーン版は、2025年6月をもって廃止されることが決定した。今後はフルカラー版のみが交付される方針であり、この内容は2025年6月24日に国土交通省が公表した中間取りまとめで示されたものだ。モノトーン版廃止の主な目的は、供給者側の負担軽減にある。
モノトーン版廃止の背景には、まず製造事業者の負担が大きいという事情がある。カラー版とモノトーン版の2種類を並行して製造・管理する体制はコストや工程面で負荷が大きく、一本化によって負担を軽減する狙いがある。
さらに、制度の持続性を高める意図もある。フルカラー版のみとすることで寄付金の増加が期待でき、寄付金の使途には従来の観光振興に加え、災害復興支援などの項目が新たに加わった。これにより、図柄入りナンバープレート制度を長く安定的に運用するための財源確保を図るという目的も含まれている。
年々広がる導入地域、2025年に5地域が追加

国土交通省は、地域の個性や魅力を全国に発信する取り組みとして「全国版図柄入りナンバープレート」を継続的に追加している。
図柄入りナンバーは登場以来、導入地域が少しずつ増えており2025年5月には新たに十勝、日光、江戸川、安曇野、南信州の5地域が加わった。
今回の新デザインはいずれも、その土地ならではの自然、文化、風景、産業をモチーフにしており、地域性を視覚的にわかりやすく表現している点が特徴だ。
クルマに表示することで、ご当地ならではの魅力を走行中にもアピールでき、地域観光の活性化やシビックプライドの向上にも寄与すると期待されている。
申し込み方法は意外と簡単
図柄入りナンバープレートの取得は決して難しくない。申し込みは国土交通省が運営する専用サイトからオンラインで行うことができ、受け取りは陸運局の窓口をはじめ、ディーラーや整備工場などでも対応している。
新車購入時だけでなく、現在使用しているナンバー(番号自体)を変えずに図柄入りプレートへ交換することも可能だ。そのため、車を買い替えるタイミングに縛られることなく、「気に入ったデザインが出たから変えたい」という理由でも柔軟に利用できる仕組みになっている。
気軽に地域デザインを取り入れられることも、図柄入りナンバープレートの大きな魅力である。
地域PRとカーライフに新しい価値をもたらす存在
図柄入りナンバーの魅力は、単なるデザイン性の高さだけにとどまらない。
地域の知名度向上や観光振興、さらには地域ブランドの形成に寄与する点が大きな価値となっている。クルマは街中を走るだけで多くの人の目に触れるため、その存在自体が動く広告塔として機能する。図柄入りナンバーを装着するだけで、地域の魅力を自然に広く発信できるのだ。
また、ドライバーにとっても「地元への愛着を表現したい」「愛車の雰囲気を変えたい」というニーズに応えられる新しい選択肢となっている。ナンバープレートという実用品が、地域文化や個性、誇りを表現するスタイルの一部へと進化したと言える。
