2025年11月軽自動車販売台数トップ10

2025年11月の軽自動車販売台数のトップ10は以下のとおりだ。

順位メーカー・モデル販売台数前月比前年同月比
1位ホンダ・N-BOX16,198台126.7%89.8%
2位スズキ・スペーシア12,904台89.5%89.2%
3位ダイハツ・ムーヴ10,951台68.4%140%
4位ダイハツ・タント9,520台66.8%82.3%
5位日産・ルークス7,741台143%141%
6位スズキ・ハスラー6,660台93.8%90.7%
7位三菱・デリカミニ/eK6,378台172.8%132%
8位スズキ・ワゴンR5,361台87.3%100%
9位スズキ・ジムニー4,969台133.8%138.8%
10位ダイハツ・ミラ4,521台81.7%95.9%

N-BOXが首位に返り咲き、ムーヴは3位に後退

2025年10月はダイハツ・ムーヴが1位、ホンダ・N-BOXが4位であったが、11月はN-BOXが16,198台を販売し首位に返り咲いた。

前月比126.7%と大きく伸ばしており、依然として軽ハイトワゴン市場におけるブランド力の高さを示した格好である。一方で、前年同月比では89.8%にとどまっており、全体市場の環境変化や競合車種の躍進も感じさせる数字となった。

10月に首位だったムーヴは、11月は10,951台で3位となった。前月比68.4%と大きく減少しているものの、前年同月比では140%と高い伸び率を維持しており、新型投入効果や商品力の向上により、依然として存在感のあるモデルであると言える。

2位のスズキ・スペーシアは12,904台で、前月比89.5%・前年同月比89.2%と、やや減速傾向ながらも依然として上位を維持。軽スーパーハイトワゴンとしての安定した人気がうかがえる。

4位のダイハツ・タントは9,520台で前月比66.8%、前年同月比82.3%となっており、10月からは台数・順位ともに調整局面にある。ただし年間累計ベースでは前年を上回る水準で推移しており、中長期的には依然として主力モデルの一角である。

注目すべきは5位の日産・ルークスだ。7,741台で前月比143%、前年同月比141%と、トップ10の中でも高い伸び率を示した。商品改良や販売施策が奏功し、存在感を強めていることがわかる。

6位スズキ・ハスラー(6,660台)、9位スズキ・ジムニー(4,969台)といったSUV・クロカン系の軽自動車も、前年同月比90.7%および138.8%と、引き続き高い支持を集めている。

7位の三菱・デリカミニ/eKは前月比172.8%・前年同月比132.0%と大きく伸長しており、軽SUVからトールワゴン領域における三菱ブランドのプレゼンス向上が数字にも現れた。

8位スズキ・ワゴンR、10位ダイハツ・ミラといった比較的コンパクトなモデルもトップ10に入っており、「背の高いスーパーハイトワゴン」一強ではなく、用途や価格帯に応じた多様なニーズが共存していることがうかがえる。

首位返り咲きと勢力拡大が示す、軽市場の現在地

2025年11月のデータを見ると、以下のポイントが浮かび上がる。

N-BOXが首位に返り咲き、依然として“軽の王者”であることを示した一方で、ムーヴやタントといったダイハツ勢も高い水準を維持している。

ルークスやデリカミニ/eKなど、日産・三菱連合の伸長も顕著であり、上位の顔ぶれは複数メーカーが拮抗する構図となった。

また、SUV・クロカン系のジムニーやハスラー、スライドドア系のスペーシア・ルークスなど、「生活感+遊び」を両立したモデルが安定して支持されている。

軽自動車市場は依然としてN-BOXを軸に回っているものの、モデル刷新や新カテゴリー投入の有無によって順位は大きく入れ替わるフェーズにある。

2025年11月のランキングは、その競争の激しさと、ユーザーの嗜好の多様化を象徴する結果であったと言える。