まるでゆず色? 特徴的な純正カラーのクルマたち

12月が折り返せば、毎年訪れる「冬至」。冬至は二十四節気のひとつに数えられており、一年でもっとも昼の時間が短く、夜がもっとも長くなる日だ。
そして、そんな冬至を代表する存在が「ゆず」だろう。温かな黄色の皮が特徴的なゆずは、冬至の象徴として鮮やかに心に残る。
そして、クルマでも純正のイエローは強い個性を与える色として扱われており、多くのモデルで魅力的な存在感を放ってきた。そこで今回は、「ゆず色」に通じる国産の中から、特徴が際立つ4台を順に見ていこう。
スズキ「スイフトスポーツ(チャンピオンイエロー4)」

まず1台目の車種は、スズキ「スイフトスポーツ」の「チャンピオンイエロー4」である。この色は、スイフトスポーツのイメージを決定づけてきた定番カラーであり、スポーツハッチらしい俊敏さと元気よさを視覚的に伝える役割を担ってきた。
明るい黄色がフェンダーの張り出しやショルダーラインの抑揚を強調し、コンパクトなボディサイズ以上の存在感を与える点が特徴である。
さらに、黄色は視認性が高い色として知られており、街中や郊外の道路でもクルマの位置を認識しやすい。
そのため、薄暗い時間帯や雨天時でもシルエットが埋もれにくく、スポーツモデルでありながら日常の安全面にもさりげなく貢献する色味といえる。
ホンダ「S660(カーニバルイエローⅡ)」

次に取り上げるのは、ホンダ「S660」の「カーニバルイエローⅡ」である。ミッドシップレイアウトの軽スポーツにこの色が与える印象は鮮烈であり、小さなパッケージに大きなエネルギーが詰め込まれている雰囲気が一目で伝わるだろう。
また、発売当時から写真映えするカラーとして注目を集め、カーニバルイエローⅡの個体はSNSや誌面で目にする機会も多かった。
なお、生産終了後も中古市場で黄色の人気が根強く、同じ仕様で探すユーザーが一定数存在することからも、その訴求力の強さがうかがえる。
コンパクトなボディだからこそ色の印象が全体を支配しやすく、鮮やかな黄色がスポーツモデルとしての非日常感をわかりやすく引き上げている。
トヨタ「FJクルーザー(ツートーンイエロー)」

FJクルーザーは、ランドクルーザーの系譜を意識したSUVとして開発され、角張ったボディ形状や太いピラー、高めの車高といった特徴的なプロポーションを備えている。
発売当時は複数のボディカラーが用意されていたが、その中でもイエロー系は視認性が高く、街中や屋外で他色と識別しやすい色として位置づけられていた。
そして、イエロー系のボディカラーは直線基調のデザインや樹脂製フェンダー、大径タイヤと組み合わされることで、ボディの輪郭や面構成を視覚的に捉えやすくしている。スポーツモデルとは異なる車格でありながらも、ボディ形状と相まって、「ゆず色」が映える一台となっている。
日産「ジューク(サンライトイエロー)」

4台目の車種は、日産「ジューク」の「サンライトイエロー」である。ジュークはもともと個性的なデザインで注目を集めたコンパクトSUVであり、そのシルエットに黄色を合わせることで異彩を放つ一台に仕上がっている。
SUVというジャンルで純正イエローが設定される例はそれほど多くなく、その意味でもサンライトイエローは特別感の強いカラーといえる。
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4台の際立つゆず色のカラーを見ると、いずれも単に派手な色というだけでなく、そのモデルが持つキャラクターや設計思想を前面に押し出す役割を与えられていることがわかる。
冬至のゆず湯がささやかな非日常を演出するように、黄色をまとうクルマは日常の移動に小さな高揚を加える存在である。
