2025年11月のSUV販売台数ランキングトップ10
| 順位 | メーカー・モデル | 販売台数 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 1位 | トヨタ・ライズ | 10,004台 | 188.2% |
| 2位 | ホンダ・ヴェゼル | 5,794台 | 119.3% |
| 3位 | スズキ・ジムニー | 4,034台 | 171.9% |
| 4位 | トヨタ・RAV4 | 3,970台 | 384.7% |
| 5位 | トヨタ・ハリアー | 3,557台 | 77.4% |
| 6位 | スズキ・クロスビー | 2,335台 | 200.8% |
| 7位 | スバル・フォレスター | 2,119台 | 83.3% |
| 8位 | レクサス・LBX | 1,932台 | 108.6% |
| 9位 | マツダ・CX-5 | 1,548台 | 94% |
| 10位 | ホンダ・WR-V | 1,447台 | 41% |
トヨタ・ライズが牽引する小型SUV優勢の構図、ミドルクラスは安定推移
ランキングを見ると、最も販売台数が多いのはトヨタ・ライズで、1万台を超える結果となった。
ライズは車体が比較的コンパクトで、価格も抑えられており、日常使いのしやすさが評価されている。SUVらしいデザインを持ちながら、運転しやすい点も多くのユーザーに受け入れられている要因だ。
2位のホンダ・ヴェゼル、3位のスズキ・ジムニーも含め、上位にはいわゆる小型SUVが多く並んだ。大きすぎないサイズ感、燃費性能、取り回しの良さといった要素が、都市部・郊外を問わず支持されている理由だといえる。
SUVは「大きくて扱いにくい車」というイメージを持たれていた時代もあったが、現在は生活に寄り添う車として、小型モデルが市場の中心を担っている。
4位のトヨタ・RAV4、5位のトヨタ・ハリアー、7位のスバル・フォレスターといったミドルクラスSUVも、安定した販売台数を記録している。これらのモデルは急激に台数を伸ばしているわけではないが、一定の需要を着実に獲得している点が特徴である。
共通しているのは、使い勝手や走行性能、安全性といった基本性能の完成度が高いことだ。流行を追いかけるというより、「安心して長く使える車」を求める人たちに選ばれている。
とくにフォレスターは、天候や路面状況に左右されにくい走行性能や、安全装備の充実が評価されており、派手さはないものの堅実な支持を集めている。
広がるSUVの選択肢、存在感を放つ新世代モデル
ランキング後半には、レクサス・LBXやホンダ・WR-Vといった比較的新しいSUVも顔を出している。これらのモデルは、従来のSUVとは少し異なる価値観を持っている点が特徴だ。
LBXは高級ブランドでありながらコンパクトなサイズを採用し、都市部での使いやすさと上質感を両立している。WR-Vは価格と実用性を重視し、SUVに初めて乗る人にも手が届きやすい存在として位置づけられている。
このように、SUV市場は「大きくて高価な車」だけのものではなくなり、サイズや価格、使い方の幅が大きく広がっている。
暮らしに合わせて選ばれるSUVの時代
2025年11月の販売データから見えるのは、SUVが完全に日本の乗用車市場に定着したという事実である。
小型SUVが販売の中心となり、ミドルクラスSUVが安定した基盤を支え、新しいタイプのSUVが少しずつ存在感を高めている。
SUVはもはや一時的な流行ではなく、生活スタイルに合わせて選ばれる「当たり前の選択肢」になった。今後は、ハイブリッド車の比率の上昇や安全技術の進化により、SUV市場はさらに細かく分かれ、それぞれのニーズに応える形で発展していくと考えられる。
販売台数の数字だけでなく、「なぜそのSUVが選ばれているのか」という背景を見ることが、今後の市場を理解するうえで重要になっていくだろう。
