2025年11月のミニバン販売台数ランキングトップ10
| 順位 | メーカー・モデル | 販売台数 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 1位 | トヨタ・シエンタ | 9,703台 | 109.4% |
| 2位 | トヨタ・アルファード | 7,238台 | 81.6% |
| 3位 | ホンダ・フリード | 7,132台 | 90.3% |
| 4位 | トヨタ・ヴォクシー | 6,875台 | 117.8% |
| 5位 | トヨタ・ノア | 6,763台 | 113.1% |
| 6位 | ホンダ・ステップワゴン | 5,082台 | 134.0% |
| 7位 | 日産・セレナ | 4,586台 | 67.1% |
| 8位 | トヨタ・ヴェルファイア | 2,998台 | 96.6% |
| 9位 | 三菱・デリカD:5 | 1,093台 | 54.1% |
| 10位 | トヨタ・ハイエースワゴン | 938台 | 822.8% |
日常の主役に定着しつつある小型ミニバン
1位はトヨタ・シエンタで9,703台、前年同月比109.4%と堅調である。ミニバン需要の中心が、取り回しの良さや日常での使いやすさに強い「小型・実用」へ寄っていることが見て取れる。
同じく小型ミニバンの代表格であるホンダ・フリードも7,132台で3位に入り、ファミリー用途だけでなく、普段の移動や送迎まで含めて無理なく使えるミニバンが支持されている構図だ。
トヨタ・アルファードは7,238台で2位と依然として高水準だが、前年同月比は81.6%となった。一方、兄弟車にあたるヴェルファイアは2,998台で8位、前年同月比96.6%で着地した。
高級ミニバンは存在感が大きい一方で、月ごとの供給状況や納期、グレード構成などの影響を受けやすい領域でもある。ランキング上位にいること自体が人気の強さを示すが、前年同月比だけで一喜一憂しにくいカテゴリーといえる。
ミドルクラスの定番であるトヨタ・ヴォクシー(6,875台)とノア(6,763台)は、ともに前年同月比でプラスを確保している。さらにホンダ・ステップワゴンも5,082台で前年同月比134.0%と伸びが目立つ。
このゾーンの強みは、居住性や積載性といったミニバンらしさを保ちつつ、装備や安全性、使い勝手のバランスを「家族の現実」に合わせて磨き込んでいる点にある。派手な新しさよりも、迷いにくい定番として選ばれ続ける。
9位の三菱・デリカD:5(1,093台)と10位のトヨタ・ハイエースワゴン(938台)は、万人向けというより用途が明確なモデルだ。ライフスタイルや使い方がはっきりしている層に選ばれることで、一定の需要を支えている。
サイズより使い勝手へ、多層化が進むミニバン市場の現在地
2025年11月のTOP10から見えてくるのは、ミニバンが「大きいほど良い」という価値観から離れ、普段の生活に無理なくなじむサイズ感と使い勝手で選ばれる時代になりつつあるという点だ。
小型ミニバンが販売の軸を形成し、ノア/ヴォクシー/ステップワゴンといった定番モデルがその土台を支える。一方で、アルファード級の高級ミニバンは別軸の需要を担い、存在感を保っている。さらに、デリカD:5やハイエースワゴンのように用途が明確なモデルが加わることで、ミニバン市場は層の厚い構造へと広がっている。
ミニバンはもはや一括りに語れるジャンルではなく、ライフスタイルや使い方に応じて選ばれる生活密着型の乗用車へと進化している。
今後も、装備や安全性、パワートレインの選択肢が広がる中で、どのサイズ・どの立ち位置のミニバンが支持を伸ばしていくのか。引き続き動向に注目したい。
