スバルのモータースポーツ参戦体制発表
スバルおよびSTIは例年『東京オートサロン』でその年のモータースポーツ参戦体制や参戦車両の発表を行なっており、『東京オートサロン2026』でも特別仕様車の発表に続いて、別途カンファレンスの時間が設けられた。

スバル/STIが関わるモータースポーツは現在、スーパーGT、スーパー耐久、ニュルブルクリンク24時間、全日本ラリー選手権となっている。すでに発表済みのものもあるが、それも含め改めて発表がなされる形となったが、中には今回初めて出る話や車両の姿もあった。

全日本ラリー選手権にはシーズン中にニューマシンを投入
アライモータースポーツとジョイントして参戦する全日本ラリー選手権は、これまでどおり新井敏弘選手がWRX S4をドライブする。

しかし近年、全日本ラリー選手権のトップカテゴリであるJN-1クラスはトヨタGRヤリス・ラリー2やシュコダ・ファビアRSラリー2といったコンペティションマシンが優勢で、大きく重いWRX S4をドライブする新井選手は苦戦を強いられてきた。

そのような状況を憂慮し、新井選手が再びチャンピオン争いできるようにニューマシンを開発中だという。シーズン途中からの投入が予定されているが、具体的な時期やマシンの詳細についての発表はなかった。

ラリー2マシンに対抗しうるスバルのラリーカーは大いに気になるところ。その先は、撤退からすっかり縁遠くなってしまったWRC(世界ラリー選手権)につながっていないものだろうか?

STIコンプリートカー開発責任者がチーム総監督に就任
スバル/STIのニュルブルクリンク24時間耐久レース挑戦「STI NBR CHALLENGE」は2025年11月にマシンのシェイクダウンも含めキックオフ済み。参戦体制や車両についても発表済みだが、今回はマシンの展示はなく改めての発表のみ行なわれた。

今回、STIのコンプリートカー……直近では久々の「S」シリーズであり、初のCVTモデルとなった「S210」の開発責任者だった高津益夫氏が総監督に就任したのがトピックだ。

スバル/STIはレースと市販車とのつながりを重視している。ニュルブルクリンク24時間耐久レースの知見もアフターパーツやコンプリートカーひいては市販車に活かされており、今回の高津氏総監督就任はそのつながりをより強固なものにするだろう。

また、例年どおり全国のディーラーから選抜された「ディーラーメカニック」がチームに参加。レースでの経験は技量向上はもちろん無形の財産になることは間違いない。加えて、スバル/STI社員やディーラーのモチベーションアップ向上にもつながるだけでなく、レースメカニックが自分のクルマを診てくれるというユーザーの満足度アップにも繋がる施策となっている。

マシンの展示はなかったが、2026年仕様車は、エンジンの出力アップ、新たなABS制御ユニット導入によるブレーキング時の安定性の向上、新型のエアロミラーによるダウンフォース向上と、耐久信頼性のアップと合わせて大幅に進化。クラス優勝はもちろんのこと、上位クラスを上回る総合順位を目指しているという。

スーパー耐久シリーズにはパフォーマンス-B STIコンセプトを投入?

自動車メーカー各社は環境性能を高める実験車両をスーパー耐久シリーズのST-Qクラスに投入している。スバルもBRZやWRXの低炭素燃料車を走らせてきた。そして、2026年仕様車として、『ジャパンモビリティショー2025』で発表された「パフォーマンス-B STIコンセプト」をベースとしたマシンがアンベールされた。

レースレギュレーションや実効性能から「パフォーマンス-B STIコンセプト」ほどド派手なルックスではないものの、レースカーとしてマッシブに仕立てられており、「パフォーマンス-B STIコンセプト」の登場で期待されたハッチバックWRXの実現に近づかないものだろうか?

スーパーGT参戦車両に6気筒エンジンを搭載
そして何より驚かされたのが2026年シーズンのスーパー耐久参戦車両、BRZ GT300に水平対向6気筒エンジンを搭載するという発表だ。

これまで搭載してきた4気筒のEJ20は2025年シーズンをもって勇退し、新エンジン搭載が話題となっていた。テストではそのエンジン音から「6気筒では?」という声もあったが、その詳細は明らかにされていなかった。

今回、発表された6気筒エンジンはEG33型3.0L水平対向ツインターボ。EG33といえば、1991年に登場したスペシャルティカー、アルシオーネSVXに搭載されたエンジン。確かに、EG33はEJ20のボアアップ版であるEJ22に2気筒足したもの。これまでのEJ20の知見が活かせるとはいえ、2025年まで使用されたEJ20から、1996年に生産終了されたエンジンを使用するのも驚きだ。

とはいえ、元のEG33は3.3Lなのに対し今回発表されたエンジンは3.0L。ボア×ストロークも96.9 mm×75.0mmから90.0mm×76.8mmに変更されていることを考えると、レース用に市販型とは別物として仕上げられているのは当然だろう。

GT300でレース用に新規のエンジンを開発することは許されておらず、排気量の大きなマルチシリンダーエンジンを使用するためにEG33の形式が必要だったのだろう。より新しいEZ型ではなくEG33だったのは、競技使用の実績や知見が活かせるEJ由来のエンジンという点も考えられる。

実は2025年仕様車の段階ですでに6気筒搭載を前提に開発されていたという。開発陣やドライバーもテストで好感触を得ており、EJ20で戦った2025年シーズン以上の走りと好結果を期待したい。

