1976年に設立され、ルノーのモータースポーツ活動やスポーツモデルの開発を一手に担ってきたルノー・スポールがその役目を終え、今後はアルピーヌに引き継がれることになっている。
そのルノー・スポールの名を冠した最後のモデル「メガーヌR.S.ウルティム」が東京オートサロン2023でベールを脱いだ。
コーナリングスピードの向上を目的にロールを抑えたシャシー、トルセンLSD、 前輪アルミ製ハブ/鋳鉄製スリット入りブレーキディスクなど、クローズドコースでのスポーツ性能を高めたメガーヌR.S.トロフィーの性能と装備を受継ぎながら、ルーフとボンネットに配されたロザンジュをモチーフとしたブラックマットストライプ、ブラックアウトされたロゴ、ブラックの「フジライト」ホイールの採用によって、スポーティさが強調されたエクステリアデザインに仕立てられている。トランスミッションはDCTとMTが用意される。
メガーヌR.S.ウルティムは、設立年にちなんだ1976台が全世界で販売される。日本市場への割り当ては明確にアナウンスされていないが、ルノー・ジャポンの小川隼平社長は「日本はメガーヌR.S.の販売台数が世界一ですので、かなりの台数を確保できるはず」と自信を覗かせる。
今回のメガーヌR.S.ウルティムの発表に合わせ、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェにおいて市販FF車世界最速タイムをマークしたルノー・スポールの開発ドライバー、ロラン・ウルゴンが来日。日本のファンを前に、メガーヌR.S.に対する思いを語った。
「メガーヌR.S.は、私の長きにわたるルノー・スポールでの仕事を象徴するクルマですね。ニュルブルクリンクでのタイムアタックはそのなかでも最もエキサイティングな経験でしたが、世界中のサーキット……鈴鹿サーキットでもアタックしましたし、箱根ターンパイクのような公道でもテストを行ないました。
今後は私も含め、ルノー・スポールのスタッフはそのままアルピーヌに携わることになります。ノウハウ、伝統はしっかりと受け継がれます。アルピーヌのこれからにも期待してください」
メガーヌR.S.ウルティムのセンターコンソールには、シリアルナンバーとともにウルゴンのサインが刻まれる。
発売は2023年の春頃を予定しており、価格は600万円台中盤と見込まれている。メガーヌR.S.ウルティムの発売に伴ってメガーヌR.S.およびメガーヌR.S.トロフィーの生産は終了され、在庫がなくなり次第、販売終了となる。
